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いろはにぴあの(Ver.4)

音楽、ピアノ、自然大好き!

久しぶりに投稿 まずは演奏会レポ手短ですが

2020-10-26 | ピアノ、音楽

 前回最後の投稿を見たらしばらくブログからご無沙汰すると書いていたがその後結局2ヶ月以上経っていた。負担にならないように、書いていきたい。

 その後いくつかの演奏会に行くことが出来た。抜粋&手短ですが。。。

東京音楽コンクール本選 その前に開催されていたPTNAコンペティション決勝でのピアノ協奏曲の演奏に心打たれ、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番を演奏された谷昂登氏の生演奏を目当てに聴きに行く。4名の出演者、3名の方がベートーヴェン続き、渾身の思いで準備されたベートーヴェンのピアノ協奏曲をあんなに生で聴けたのも幸せだったし、目当てにしていた谷氏のラフマニノフのピアノ協奏曲第3番の演奏から伝わってくるオーラ、大きかった。4階席にも十分に伝わってきた。表彰式の時のコバケンさんの順位をつけるのが辛かった、今後の演奏活動を応援したいというコメントも印象的だった。

務川慧悟氏ピアノリサイタル 昨年開催されたロン・ティボー国際コンクールで2位を受賞された時の演奏から注目。日本での本格的なソロリサイタルは初めてだということでこれは行かねばと。予想通りとても緻密でよく練られた心揺さぶる演奏だった。曲の構造をしっかり捉えて納得されながら演奏されている感じがしてそういうところも好きだと感じた。コロナ禍で当初からプログラムも変えたとのこと。ショスタコーヴィッチの24の前奏曲とフーガとラフマニノフのコレルリの主題による変奏曲にはぞくぞくしっぱなしだった。

藤田真央氏ピアノリサイタル 今を時めく藤田真央氏、ドイツ留学前のソロリサイタル、聴けるときに聴いておかねばと2回とも聴きに行く。(両日ともA席でしたが)9月17日はシューベルト作曲のさすらい人幻想曲が素晴らしくて終了数時間頭の中を駆け巡っていた。アンコールのパガニーニのジャズバージョンにもびっくり。敏捷性も優れていてのびやかそうにすごいことをやりのけるところがさすがで。9月19日はラヴェルの亡き王女のパヴァーヌの心のひだにはいりこむような演奏に泣かされっぱなし。ラ・ヴァルス、そしてアンコールのショパン作曲ノクターン10番という流れ、バレエ音楽レ・シルフィードに使われた音楽がアンコール、舞踏で締めくくる。アルカンのイソップの饗宴で彼の層の深さを感じたし、チャイコフスキーのロマンスも余韻の残る演奏だった。音楽の神様に愛された演奏家だというの、実感できた2日間だった。

成田達輝氏ヴァイオリンリサイタル 友人のお声掛けのおかげで成田氏の生演奏を。最初はバルトークで斬新に。ハンガリー民謡に特徴的な音程や和声だったとのこと。そしてバッハの無伴奏でちょっとほっとした感じが。確か初演だと言われていたファニーホウという作曲家のシャコンヌ風間奏曲がすごかった。ヴァイオリンという楽器の限界にまで挑んだと思われるような音楽で、複雑で非常に高度な技巧というの大納得。ヴィターリのシャコンヌの美しく華麗な演奏で幕を閉じる。それにしても成田氏、演奏の時の真剣さとトークの気さくさのギャップにもびっくり。懐の深さを感じた。

渡邊智道氏迎賓館赤坂離宮エラールピアノ演奏会 コロナ前には毎月スタジオに生演奏を聴きに行くのを楽しみにしていた渡邊氏のピアノ、いよいよコロナ後の生演奏の解禁へと。華麗さと素朴さとが調和されたエラールピアノの美しい音色のシャワーを浴びながらいつのまにか永遠の世界に連れていかれそうになっていた。じわじわとイメージも広がるし。ショパンのマズルカの次、イギリスの作曲家ロジャー・クィルターの歌曲の編曲版の前にさらりとダニー・ボーイが入ったのも粋だったな。最後に演奏されたフォーレの塔の中の王妃の演奏者による編曲版の純度の高い演奏は忘れられない。

園田高弘メモリアルシリーズロマン派選集Ⅱ 若きピアニストの成長と活躍を願い園田高弘氏が立ち上げたピアニストシリーズを受け継ぎ、春子夫人がメモリアルシリーズとしてスタートした企画。今回は6名のピアニストによるシューマン、ブラームス、フランク、シューベルト、ショパン、リストの演奏だった。実力派ぞろいの方たちによる生演奏で曲の魅力がダイレクトに伝わってきた気がする。この時は演奏者の背中側が見える席。迫力をダイレクトに感じた。本当に体の動きが激しく濃やかで、ピアニストの仕事はまさに職人芸だと感じた次第。

東京都庭園美術館コンサート2020 伊藤悠貴氏チェロリサイタル(共演渡邊智道氏) エルガー、アイアランド、リル、ブリッジというイギリス印象派の音楽を採り上げたプログラム。ここ数ヶ月でイギリス印象派なるものを知った私(二人のファンでなかったら永遠に知らないまでいたかもしれない)、ちゃんと知っている曲はエルガーの愛の挨拶と朝の歌という状態で臨んだのだが難解ながらもロマンチックな魅惑の世界の極致にいったようですっかり興奮、ノックアウト状態に。かめばかむほど味わいが感じられるジャンルに思えてきたイギリス印象派。これらの曲の演奏をまた聴けると思うと楽しみでならない。

亀井聖矢氏ピアノリサイタル 昨年PTNAコンペティションで優勝して以来知ることになった亀井氏、色彩感と豊かな歌心が感じられる演奏に惹かれていたが、こちらのリサイタルで生演奏を聴いてさらに実感、それプラス、底なしのエネルギーと技術の高さ、可能性が感じられたひとときだった。バッハの半音階的幻想曲とフーガで祈るような気持になったあとブラームスのパガニーニの主題による変奏曲。ドラマチックだった。奥深さ、音色の美しさ、表現力の豊かさに心打たれたとともに、この曲のすばらしさも実感することができた。そしてリストの超絶技巧練習曲より3曲。難しい曲からも歌心が感じられ音楽のすばらしさを感じることができた。音楽へのひたむきでまっすぐな姿勢にも好感が持てた。

ガルバフェスタ2020トリオコンサート ユーフォニアム佐藤采香氏、チューバ芝広輔氏、ピアノ渡邊智道氏 大学時代の同級生からなるトリオ。コロナ禍後や東日本大震災後にエールを込めて作られた曲からスタート、美しくイメージが広がる音楽で聴き手や世界の人々に向けての熱き想いと愛情が伝わってきた。春の呼ぶ声を聞くという曲、今は遠い春がここにおいでと呼び掛けている、と解説にあったとおりの、前を向いて歩いていきたいとひしひしと感じる音楽に思えた。金管二人によるDevil’s Waltzのかっこよさにもしびれたし、加羽沢美濃のやさしい風のほっとするやさしさにもほっこり、彼女がユーフォニアム、チューバ、ピアノの編成の曲を作っていたということにも心打たれた。ピアソラ二曲からどんどん盛り上がり、最後のA.ファラによるジプシー・イアリングという曲の即興演奏も入った躍動感あふれる演奏で盛大な拍手。


池之端ライヴ弐千弐拾年七月号 幻想と香り 

2020-08-07 | ピアノ、音楽

 私の昔のブログに、自己紹介のコーナーがある。その中の「好きな作曲家」のところを読み、まさにそうだ!と思いつつも、片足を穴に突っ込みたくなってきた。「幻想、ポリフォニック、土臭いものに弱い傾向がある」10年前からこの傾向はあったことにびっくり、しかしこのようなことを書くことがどういうことか分からずに書いていたし、かなり背伸びもしていたのではと思い始めているのだった。好きな作曲家も沢山書いているけれど、作曲家たちの本質もあまり理解できていなかった。

 ところで本ブログでも先月紹介したが、渡邊智道氏による池之端ライヴの7月号のCDがやってきた。

  スクリャービンの詩曲、ショパンの前奏曲作品45、有名曲とはいえないかもしれないけれど魅力的な2曲がCDを聴いたとたん愛おしき2曲へと変身。スクリャービンの詩曲は動画もアップされているのでリンクを紹介する。

それとともに今回は特別に世界的チェリストの伊藤悠貴氏も出演。昨年の12月おふたりによるオールブラームスの演奏会に行ったときにデュオのCDを出していただけたらと思っていたがこのような形で実現するとは!

デュオ演奏の曲目は、歌曲三曲、すなわち歌とピアノの為の作品三曲だ。その三曲とは

 雁部一浩氏が八木重吉の詩

 伊藤悠貴氏が石川啄木の詩、

 渡邊智道氏が井上井月の詩に

曲をつけた作品。彼ら、演奏家だけではなく作曲家でもあった。しかも、名作曲家。過去の偉人たちとは一緒にしたくないので大作曲家とは呼ばないことにする。(ちなみに雁部一浩氏は本ブログで3年前に紹介していた『ピアノの知識と演奏』の著者であるとともに歌曲作品も出している。)

その歌曲がたまらないのだった。確か音だけの世界で出来ているはずなのに、それに伴い切なさとかはかなさとか包み込みたい思いとかそういうものが湧き出てきた。どうしたらよいのだろうという気持ちになってしまった。濃縮した表情のうつろひ。

そうだ、香りだ。冊子、六等星に書かれていた。香りも伝わってきた。光、音はインターネットを通じても伝わってしまうようになったけれど、香りはどうあがいても伝えることはできない、そんな香りが、音楽からふんだんに伝わってきた。

さらに六等星、さらに前の方にはあのことば「幻想」が!今のようなコロナ禍の状態にあっても幻想世界に心の底から価値を見出し。。。というくだりには心が震えた。

私も幻想が好きだとかつてから言ってはいた。しかし幻想世界へのアクセスについては遥かに歳下でありながらそのような世界にアクセス、自分のものとし体現している若き彼らの足元にも及んでいないと感じた。しかし幻想が好きであること自体には自信を持ちたいと思うようになった。作曲家の魂にしっかりとアクセスし世界を深めることができたらどんなに素晴らしいだろう。

今月の六等星、他にも面白いところがあったのだけど割愛する。

音楽家たちご本人作曲の歌曲が入ったCDは一聴に値すると思う。特定の月だけのご希望にも対応するともある。こちらからぜひ♪


ドリップ・ミュージック 

2020-08-07 | ピアノ、音楽

 白寿ホールで開催された「心が喜ぶ演結び、新しい出会いの形へ バッハとコンテンポラリーの融合」をオンラインで視聴した。ヴァイオリン成田達輝氏、坪井夏美氏、ヴィオラ田原綾子氏、チェロ笹沼樹氏、ピアノ中野翔太氏で、バッハ作曲フーガの技法の各コントラプンクㇳゥスとコンテンポラリー作品とを交互に演奏するという演奏会。曲目は以下の通り。

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ作曲 フーガの技法よりコントラプンクトゥスⅠ

Jアントン・ウェーベルン作曲 弦楽四重奏曲作品28(1938)

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ作曲 フーガの技法よりコントラプンクトゥスⅡ

クラウス・フーバー作曲 インタルシーミレ ヴァイオリンソロのための(2010)

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ作曲 フーガの技法よりコントラプンクトゥスⅢ

ブライアン・ファーニホウ作曲 アダージッシモ、弦楽四重奏のための(1983、東京初演)

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ作曲 フーガの技法よりコントラプンクトゥスⅣ

ジョン・ケージ作曲 4分33秒(1952)

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ作曲 フーガの技法よりコントラプンクトゥスⅤ

ジョージ・ブレクト作曲 ドリップ・ミュージック(1959)

休憩

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ作曲 フーガの技法よりコントラプンクトゥスⅥ

一柳慧作曲 イン・メモリー・オブ・ジョンケージ ピアノソロのための(1993)

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ作曲 フーガの技法よりコントラプンクトゥスⅦ

モートン・フェルドマン作曲 直線的思考Ⅱ(1963)

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ作曲 フーガの技法よりコントラプンクトゥスⅧ

エイグロ・ヘスクルドゥスドッティル・ヴィヴォルグ作曲 シルフラ 弦楽四重奏のための(2019、日本初演)

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ作曲 フーガの技法よりコントラプンクトゥスⅨ

梅本佑利作曲 フラッフィー・ピンク! 弦楽四重奏のための(2020、世界初演)

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ作曲 フーガの技法よりコントラプンクトゥスⅩⅧ

大好きなバッハとなじみのないコンテンポラリー作品とを交互に演奏するという実験的な試み、中には初演の曲もあり何が飛び出すかわからないところにも惹かれて視聴することにした。コンテンポラリー作品については理解ということは全く考えず目と耳で触れられたらという想いで。

いや~楽しすぎた!どうしてこのような響きが生み出されたのかと思えるコンテンポラリー作品、わけがわからないながらもとがった感じが印象的だった。楽器の限界に挑むために作られたのではと思える曲もあり演奏するためには奏者も楽器も想像を絶する負荷がかかっているのではないかと思えた。人が作り出す音楽の世界の無限性を感じた。世界初演だったフラッフィー・ピンク! 、作曲した梅本氏はなんと10代、相当な想像力がないとこんな曲は作れないと思えるひとことでは形容できないすごい曲だった。弦楽器の曲が多かった中ジョン・ケージ作曲のピアノソロのためにの美しさにも心惹かれた。ピアノの響きが際立って聴こえた。そして超硬派なコンテンポラリー各曲の間にくると硬派なはずだったバッハ作曲フーガの技法が丸みを帯びた温暖気候の音楽に聴こえてきた。各曲の魅力が引き出せるような選曲、プログラミングだったように思えてきた。

そんな中、楽器がヤカン、水、空き缶という音楽もあった。ジョージ・ブレクト作曲 ドリップ・ミュージック。演奏者たちが舞台から背後に立ち去りヤカンに入った水を空き缶にそそぐ、そのときの音が曲になっているのだった。思わず集中して耳を傾けてしまった。ポットで水を注ぐ音って、なんて美しいのだろう!集中して聴けば聴くほど素晴らしく魅惑的な音の世界に思えてきた。珈琲の香りもしてきたし。実際に注がれていたのは珈琲ではなくて水だったのだけど。考えてみたら世界は音に溢れている。注ぐ水の音だけではなく、セミの鳴き声、風のそよぐ音、電車の音。これらも音楽かもしれない。これからはもっと耳を澄まさなくちゃ。私の今後の音楽観も変えたくなってしまいそうな一曲だった。

その時の記憶を頭の片隅に残したまま、後日題名のない音楽会を録画で観たところ、またまたドリップ・ミュージックが登場してびっくり。こちらは水が注がれる先が空き缶の代わりになんと人の口。攻めの姿勢もここまでくるとただただ脱帽するしかない。


瀬川泰代氏オンラインコンサート

2020-08-07 | ピアノ、音楽

 先週末、瀬川泰代氏のオンラインコンサートを視聴した。瀬川氏のことを知ったきっかけは、左手のピアニストということでテレビに出演されたときだった。右手指に局所ジストニアを患い右手での演奏が難しくなりどうしたらよいだろうと苦悩していた時に左手のピアノ曲に出逢い音楽留学も実現、ピアニストとして音楽を届けるという決意を抱き音楽活動を続けているという話を知り心打たれ、演奏を聴く機会が持てたらと思っていた。そんな矢先に広島のゲバントホールでリサイタル開催とのお知らせ、今は遠方に住んでいてもオンラインなら聴けると知り聴くことにした。

 曲目は

岡村 星見作曲 blue star
バッハ作曲ブラームス編曲 シャコンヌ
ボルトキエヴィチ作曲 詩人 
ボルトキエヴィチ作曲 ウエディングソング 
- 休憩-
月足さおり作曲 風の彩 
1.Hiraeth
2.Forelsket  
濱川礼作曲 - Untranslatable Words(左手版)から 
リスト作曲光永浩一郎編曲 愛の夢 第3番
光永浩一郎作曲 サムライ 

 左手のために作られた音楽、なんと世界中に3,000曲もあるのですね!バッハ作曲ブラームス編曲のシャコンヌは怪我をして右手が使えなくなったクララ・シューマンのためにブラームスが編曲した曲だったとのこと、シャコンヌ、名曲だと知りながらも重厚さと長大さに自分が追いつけず、なかなか心を入れ込んで聴くことができなかったのだけど、瀬川さんの演奏するシャコンヌからはすうっと世界に入ることが出来た。音楽の持っている愛と瀬川さんの音楽愛が伝わったの思う。ボルトキエヴィッチは最近聴く機会が増えている作曲家の一人だが、左手のためのピアノ曲を沢山作った作曲家だということを知りさらに好きになった。詩人、ウェディングソング、音楽からにじみでる情感がにじみ出るように伝わってきた。

 後半は日本人の作曲家による作品。全員瀬川さんとゆかりのある方たちで、それぞれの作曲家たちのお人柄について演奏前に話してくださりさらに愛着を持って聴くことができた。響きにはっとさせられ、ロマンチックな世界に浸り、音楽を通して多くの感情世界に浸ることができた。愛の夢第3番の美しさにもはっとさせられた。プログラム最終曲の「サムライ」、そしてアンコールで演奏された吉松隆作曲「風のトッカータ」、緊張感、激しさ、切れの良さに息をのむばかりだった。そして音楽している瀬川さんの悦びがほとばしるように伝わってきた。お話されるときの優しく温かくほっとする雰囲気と、演奏時の音楽に入り込まれた時のエネルギーとのギャップも印象的だった。

 このような時世になりなかなか生の演奏会には足を運べなくなっている状態だが、このように遠方で行われる演奏会も聴くことが出来るようになったという面については本当に有難いお話だ。広島への帰省も難しくなりそうな今、かつて私も演奏会を聴きに行ったり練習会を行ったりしたことがあるゲバントホールでの瀬川さんの演奏を聴くことができて本当によかった。


ショパン200年の肖像 

2020-06-10 | ピアノ、音楽

 先日練馬区立美術館で「ショパン200年の肖像」という企画展が開催されたので行ってきた。新型コロナウイルス感染症のために開始時期が遅れたものの無事に開催されたとの報を知り、これは行かねばとばかり電車で出かけてきた。

 会場に向かう途中にこのような旗が。

 到着。テンションがあがります。

入り口では樹で出来た熊さんも迎えてくれた!(幻想美術動物園とあり、他にもいろいろな動物のオブジェがあった)

 日本とポーランドとの国交樹立100年を記念して開催された本企画。想像のはるか斜め上を行った素晴らしい企画だった。病弱で繊細というイメージを持たれがちな作曲家ショパンに対するイメージが展示を見ることで変わるかもしれないという内容の解説があったが、まさにそのような内容と思える、盛りだくさんの展示内容に圧倒され、心打たれ、幸せな思いに浸ることが出来た。エチュードOp.10-8とポロネーズOp.71-3の自筆譜、初めて印刷されたショパンの楽譜のところでは、会場で流れている演奏に合わせてなどるように閲覧した。訂正の跡もあり、作曲時におけるショパンの試行錯誤の過程が手に取るように伝わってきた。ショパンのショパンの楽曲を通してポーランドを表現した版画やプレリュードOp.24各曲から連想して描いた絵画、ショパンコンクールのポスターなどショパンの作品を聴いた人たちから見たショパンの楽曲のイメージを美術作品にしたものも興味深かった。楽曲のイメージから描かれた絵を見て、絵を描いた画家たちに共感したとともに、楽曲の新発見もできそうな気がした。(ただ、タイトルが「作品〇〇 〇調」となっているので、原曲の作品番号を頭に入れて作品を見たほうが、より楽しめると思った。)同時代を生きた画家たちおよび後世の画家たちによるショパンの肖像画、生活ぶりが伝わってくる絵画も面白かった。ドラクロワによるサンドと一緒に描かれた作品、アリ・シェフェールによって描かれた晩年のショパンの肖像画のように有名なものもあれば、後世の画家たちが描いた具体的な、もしくは抽象的なショパンの肖像画から彼がいかに人々に親しまれてきたかというのが伝わってきた。ショパンの楽曲の日本におけるショパンの受容史も興味深かった。日本人によるショパン作品の最初の演奏は明治18年に行われ、楽譜の輸入も明治時代に始まっていたとのこと。そして日本最初のショパン弾きは澤田柳吉氏だということも知った。なじみが深く知っていることが多いと思っていたショパンについていかに知らなかったかということを感じたとともに、もっとショパンの音楽を知りたいと思うようになった。

 会場、入館と同時に消毒液で手を消毒、受付にはビニールカーテンが施されており、案内の方たちはフェイスシールドを付けていた。私は音声ガイドも借りたのだが、機器やイヤホンは消毒され、イヤホンは使い捨てになっていた。音声ガイドの内容も素晴らしかったのでお勧めしたい。会場でかかっていたショパンの演奏もよかった。フォルテピアノによる演奏ももっと聴きたいと思うようになった。

 東京練馬での会期は6月28日(日)18時まで 練馬区立美術館

 その次は静岡開催予定 8月1日(土)~9月22日 (火・祝) 静岡市美術館

購入した図録を読んでじっくり内容を消化したい思いである。そしてショパンの曲ももっと演奏できるようになりたい。そういえばつい最近エチュードを練習しようと決めたばかりなのだった、頑張ろう。ショパン様、弾くのは大変手ごわい作曲家なのだが末永く仲良くできますように。。。