ドン・ウィンズロウのアート・ケラー物の三部作の最後を飾る『ザ・ボーダー』をやっと読み終えました。もともと、『犬の力』だけの読み切り麻薬戦争モノだったはずが、アート・ケラーの人生の結末まで描くサーガになりましたね(^_^;)『犬の力』が余りにも凄すぎたのに、それをも上回る『ザ・カルテル』で全てを出しきったはずが、アダン・バレーラの呪いを背負って、現実世界のアメリカを強烈に風刺するような作品が生まれるんだから驚きです。本作の終盤の公聴会でケラーが過去を全てさらけ出す大立ち回りを演じますが、その話に、他のストーリーが絡み合って大団円を迎えるという流れは見事としか言いようがありませんね。