Ricoh GRII / 201806, TAKEO CITY Library
日本語学校に通っていた時に、
決まって日曜日は近くの区立図書館に通っていた。
数少ないテーブルの中で一つの席を確保し、
日本語辞典をめくり、
休憩の時には、玄関先から出てはコーヒーを飲み、入りたい大学に受かるだろうかと、悶々としていた。
図書館には、
言葉を交わすことも挨拶も交わすこともなかったけれど、よく見かける人たちがいた。
簿記の勉強をする人、時折本から顔を上げ不思議な笑みをこぼすものだから、びっくりすることも、、、。
時間を潰すおじいさん、
本棚の片隅においてある椅子に座って眠っているホームレスの方、、、。
東京の五反田なのに、
図書館に行く道は、背が低いビルや住宅、心に響く情景が広がり、
好きだった。
東京に行くたびに昔住んでいだ所に行ってみたいという衝動に駆られてしまう。
実際足を運ぶことは稀であるけど、
もう僕が好きだった二階建ての図書館は存在せず、
あまりにも立派過ぎな六階建ての、文化センターも併設された大きなものになっていた。
考えてみたら、もう二十年も前のことだ。