建築家のブログ 西尾善博 【 多治見 土岐 瑞浪 恵那 可児 版】

瑞浪の設計事務所。近代建築を研究。シンプルで、温かく、しっかりした設計を心がけています。

町医者的建築家

2012-02-18 20:48:57 | 建築に関するコラム
自分がどんな建築家になりたいかといえば、町医者的建築家といったところでしょう。
大病院の専門的な治療ではなく、町の診療所で患者さんを診察し治療する医者です。


(野口英世博士は町医者ではなかったですが・・・尊敬する人です。)

町の診療所だからといってもけっして技術が未熟だとかレベルが低いというわけではありません。医者としての診立てはしっかりしていなければなりません。また、人の体について熟知していることはもちろんですが、新しい医療や病気についても知っていなければなりません。たとえ自分では行わないような外科手術や治療法であっても知っていて、適切に大病院と連携しなければなりません。
同様に町医者的な建築家というと、建築について熟知していることはもちろんのこと、大規模な建築や最新の建築、デザイン以外の構造や設備に関する技術、文化伝統、都市計画にいたるまで知っていて、適切に関係者と調整することが重要です。
私も、大学卒業後、東京の建築家に指示し、大規模なマンション、商業施設を扱い、また都市整備公団、ゼネコンにも在籍し、大規模な工事を経験しました。また独立し、小規模な住宅を経験し、また家業の工務店の仕事も経験し、住宅の建設、リフォーム、補強工事や修繕工事などを経験してきました。
なぜこんなにいろいろやっているのか、自分でも疑問に思うこともありました。結局、自分がなりたかった建築家の姿がこの「町医者的建築家」だったんだな、と思っております。これからもこの経験を生かして、地域の方々の建築に関する課題に果敢に取り組んで生きたいと思っております。

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