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「滋賀の蘭園巡り2016夏」レポート(4-3) ~ らんの家TSUTSUMIさん編 ~

2016年08月15日 12時00分00秒 | ■特集

らんの家TSUTSUMIさん温室外観
 久栄ナーセリーさんのある彦根市から、真夏の田園風景の中を十数キロ、時間にして約40分程、のんびりと、ワゴンRを走らせて野洲(やす)市にある「らんの家TSUTSUMI(つつみ)さん」に到着。愛好会などでのバスでの訪問にも充分に対応できる広い駐車スペースが確保されているのが特長の一つだと思いました。


らんの家TSUTSUMIさん温室内部1
 温室に入らせていただくと、まず目に入ったのが、花が終わった C. purpurata の立派な株たち。お好きな方なら、その時期に来れば相当楽しめたことでしょう。


らんの家TSUTSUMIさん温室内部2
 そして、歩みを進めると販売用に区分し陳列された棚のコーナーに。さすがにこの時期、花付き株は少ないのですが、同じ花ごとに数株程度に集めて並べられたところの多くに、その花(開花例)のパウチ加工された写真の札が立てられている気遣いは嬉しいものです。
 この時、気になった花としましては、Rlc. Iroquois Trail‘Midfarm’FCC/AOS, PC/JOS、Rlc. Karbela Beauty‘Song of Canary’BM/JOGA がありました。Rlc. Iroquois Trail‘Midfarm’FCC/AOS に関しましては、私はかつて大阪の和泉市にあった藤井洋ラン園さんで、小苗を3度入手し、3度共、栽培設備の不備と栽培技術力不足で枯らしてしまった苦い経験があるのですが、今回、らんの家TSUTSUMIさんで見た株は、開花サイズの立派な株でしたので、もう少しで喉から手が出るところでした(苦笑)。また、Rlc. Karbela Beauty‘Song of Canary’BM/JOGA は、極整型の花型、鮮明な花色、普通に1花茎3輪着く性質等が交配親として魅力的だと以前から、目をつけていた花でした。


●Rlc. Iroquois Trail‘Midfarm’についての記事は、こちらをクリック!

●Rlc. Karbela Beauty‘Song of Canary’についての記事は、こちらをクリック!



らんの家TSUTSUMIさん温室内部3
 こちらのコーナーには私が勝手に“台湾系”と呼んでいる花の株たちが置かれていました。大型蘭展の際に台湾の蘭園さんが持ってきていたような有名優秀花や最新の花が、しっかり根付いて順調に生育している状態で入手できるのは有り難いと思います。
 ちなみに、画像の左端の写真の花は、Rth. Chialin Black Flower‘Black King Kong’で、2015年の暮れに、この花の現物をサンセットさんの温室で見せていただいたのですが、赤花の最高峰 Rlc. Chia Lin‘Shin Shyn(新市)’SM/JGP'96-JOGA を凌ぐのではないかと思われる程の、濃色、整型、大輪花で驚いた記憶が今も鮮明に残っています。また、画像中央のやや右にある写真の花は、Rlc. Kuwale Gem‘Bai Jian Ying’で、この花は「おかやま蘭の祭典2009」で現物を見て、C. Longriver Compton‘Golden Star’FCC/AOS をさらに整型にゴージャスにしたような、その花容に濃色系花ファンながら、しばし見とれてしまった覚えのある花です。そして、Rlc. Kuwale Gem‘Bai Jian Ying’の右上にある写真の花は、Rlc. Taiwan Emperor‘ORCHIS’という私は初めて見る花で、交配は、Rlc. Shinfong Emperor x C. Tainan City (16/05/2013) で、交配・登録は個体名の通り、台湾のオーチス農業開発さんです。ちなみに、Rlc. Shinfong Emperor の交配は、Rlc. Chia Lin x C. Tainan City (06/04/2001) の為、戻し交配による突然変異的に良花が出たパターンかもしれません。写真を見る限りでは、円い極整型の花型に大振りのフリルがひと際ゴージャスな印象を醸し出し、リップの大きく鮮明な黄目が絶妙なアクセントになっている極美花だと思います。じつは、この花にも喉から手が出かけたのですが、我が家のベランダ農園の現状を鑑み、今回は、断念しました(泣)


●Rth. Chialin Black Flower‘Black King Kong’についての記事は、こちらをクリック!

●Rlc. Chia Lin‘Shin Shyn(新市)’についての記事は、こちらをクリック!

●Rlc. Kuwale Gem‘Bai Jian Ying’についての記事は、こちらをクリック!

●C. Longriver Compton‘Golden Star’についての記事は、こちらをクリック!

●Rlc. Shinfong Emperor についての記事は、こちらをクリック!



らんの家TSUTSUMIさん温室内部4
 カトレヤ以外の蘭が多いのも特長のようで、その点でも愛好会などでの訪問には最適だと思えました。


 実生苗・株もあり、オリジナル交配・登録品種もありました。画像は今回、気になった交配です。こちらは、らんの家TSUTSUMIさんによる交配登録品種 Rlc. Pastel Love で、交配は、Rlc. Apricot Flare x Rlc. Warm Color (14/12/2009) で、個人的には左の個体‘George King Ⅱ’が好みでした。
 ちなみに、Rlc. Pastel Love の親の Rlc. Apricot Flare は、Rlc. Spanish Eyes や、Rlc. Shinfong Luohyang 等の優秀な大輪の黄花の親として実績を有している品種で、Rlc. Warm Color は、現状の最優秀個体‘Big Foot’SM/JOGA, AM/NOS を代表とする国産実生の雄といった感のある巨大輪系の優秀品種です。


●Rlc. Warm Color‘Big Foot’についての記事は、こちらをクリック!

●Rlc. Spanish Eyes についての記事は、こちらをクリック!

●Rlc. Shinfong Luohyang についての記事は、こちらをクリック!



らんの家TSUTSUMIさん売店(半分)
 普段、大阪の中心部で背広を着てウロウロしているような身の上からすれば、小さな谷間に在って、おそらく琵琶湖からの風も吹くであろうこちらの温室の中ですら快適に感じられそうなものなのですが、売店はクーラーが効いていて、さらに快適でした。その売店の中には画像に写っている贈答用の花や色んな蘭の花付き株、そして意外なところでは、葡萄なども販売されていて、私は葡萄が大好きな孫の土産に2種類の葡萄を持ち帰りました。翌日、家族で食卓を囲んで食したよく冷えた葡萄は種無しで食べ易く、甘くて大変美味でした。
 と、じつは、今回、メイン温室以外の温室や資材系のものを全く見られておらず、またの機会には、そちらもじっくりと拝見したいと思います。



らんの家TSUTSUMI
〒520-2331
滋賀県野洲市小篠原1-7
TEL 077-586-2660
FAX 077-588-3106
定休日 火曜日 ※夏季は土日のみ営業(営業時間 10時~18時)


http://rannoie.com/




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