抱きしめられて、胸の中で声を出して泣きたい。
何も言わず頭を撫でてもらいたい。
ささやかで、ぜいたくな願い。
きっと叶わない。
だからこそ、願いなのだから。
わたしにそんなことができるひとは、とてもとても少ない。
わたしが泣くことができるひとが少ないから。
どのひとも、今は会えない。
叶わない願いを持って、今日もわらうのだ。
化粧のないピエロ。
騙 . . . 本文を読む
よくわからない
けど
何かおかしい感覚がする
これが壊れるってことなのかな
でも
まだ気付かれない
だって普通にふるまえてるから
手がふるえる
何に対して怖いのか
壊されているのか
わからない
けど
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かみさまは、わたしのお願いは聞いてくれない。
いいお願いも、悪いお願いも。
軽いきもちでお願いしても、なみだをこぼしながらお願いしても。
自分のためのお願いも、ひとのためのお願いも。
でも、思い返してみると、
かみさまは、お願いはなにひとつ叶えてくれなかったけど、
たまに、ごほうびはくれていたんだ。
わたしを鳥に出逢わせてくれたことや、
まなりと幸せ . . . 本文を読む
この沈むような暗さは。
息もつけない重さは。
わたしは、たった一言が欲しいのだ。
違う仕事に就いてもいいよ、と。
天使でいることをやめても、じいちゃんもばあちゃんも悲しまないよ、と。
母は、遺書の最後にこう書いた。
お前の好きなように生きなさい。
名前の通りにね。
母は死に切れず、まだ生きている。
母の事で家族のわたしへの期待はさらに大きいものになり。
天使を辞めてもいいと。
お前の好きな仕事を、好きな道を歩んでいいと。
その言葉が、ほしいだけなんだ。
その言葉があるだけで、天使にもなれる。
赦しがほしいんだ。
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「リツノスキナコトハナンダ」
「コレ、スキダッタロウ」
「センセイハオマエノコトヲタイセツニオモッテイルヨ」
「シットシタンダ」
「スキダカラ」
「オマエガホカノセンセイニワライカケタリ、ハナシヲシテイルトフアンニナッタンダ」
「オマエガハナレテイクキガシタ」
「センセイモオマエノコトスキダヨ」
「コンナコトシテゴメン、デモオマエガスキダッタンダ」
「スキダッタカラ」
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わたしがたまにのぞきにいくブログがあるのだが、その人は美術系の大学院を受験したのだが、だめだったということが書いてあった。
その中で、その人の友人が、
「お前の夢 そう簡単に叶うことじゃなくて よかったな」
と言っていた。
わたしは、
わたしは夢をあきらめた。
獣医になる夢も、
絵を描くことも、
どちらも手放した。
居候のわたしには、
選択肢はなかった。
でも、
本当に歩 . . . 本文を読む
ふと、窓の外をみると、黒い、何かがふわりと降ってきた。
それは黒くて、いくつもゆっくりと降ってきた。
それは、黒い雪のようだった。
上を見上げると、たくさんの鴉たちが羽づくろいをしていた。
忌み嫌われる彼らが降らせる雪は、不思議で、幻想的だった。
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今日、大学のまだ緑がのこる、あまり手が加えられていない芝生の上に、茶色い葉が数枚落ちているのを見かけた。
近づいてみると、それは葉ではなかった。
それは、枯れ葉色をした、枯れ葉くらいの大きさの蛾だった。
それは、ぽつ、ぽつ、と芝生の中にあり、枯れ葉のようだった。
彼らはかすかに羽をふるわせていて、もう一度飛び立つことはできないようにみえた。
彼らが飛べなくなったのは、秋のおと . . . 本文を読む
休みの日の午前中は音楽を聞きながら本を読んだり家事をしたり。
何もしないで考え事をしたり。
今日は考え事をしてしまった。
ほんとはやることがいっぱいあるのだけど・・・
人との距離をとるのはほんとに難しいと思う。
わたしはわりと初対面の人とは打ち解けやすい性格だと思う。
実際初対面の人間と話に困ったりはあまりしない。
でも、わたしは自分からそれ以上は決して踏み込まない。
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ひとついい言葉を知った。
「愛し」。
「愛し」とは、「かなし」と読む古語である。
人に対して、切ないくらいの愛情を感じる心をいうらしい。
ああ、こんないい言葉があるんだ。
もっと早く知っていたら、自分の気持ちをうまく伝えられたのに。
いとかなし。
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