いま、わたしは実家にいる。
グリュプスにメールをした。
いつもなら、はやく返信がかえってくる。
今日は、かえってこない。
わたしは急に不安になった。
お仕事の帰りにでも何かあったのだろうか。
それともねてしまっているのか。
そして、なにより。
あの日のことが頭をよぎった。
まさか、そんなことはない。
もう、すべてすててしまったから、やりようもないはずだ。
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わたしの実家のことをふと思い出した。
わたしの実家は、差別意識がとてもとても強い家だった。
まざりものであること(外国の血が混じっていたり、自分の両親がわからない)
仕事をしていないこと
このふたつにおいては、人間としての扱いをされない。
わたしは、生まれもって、片親がわからなかった。
それゆえに、祖父母からは「居候」とよばれ育った。
しかし、わたしは大学を出、祖父母 . . . 本文を読む
わたしがなにをしたのだろう
グリュプスのつみとおなじようなつみをおかしたひとたちのブログをみた。
そのひとと、ともにとんできたひとたちは、ほんとうにずたずただった。
わたしよりも、もっともっとつらいのだろうとおもえるひともいた。
グリュプスがおかしたつみ…
こういうつみには、わたしたちはほんとうになにもかかわってないのだ。
あるひとつぜん、そのひとがかえって . . . 本文を読む
グリュプスが帰ってきてから、たまにいっしょに買い物へ行った。
バスへも乗ったし、公園でベンチにこしかけ、買い物で買ったフランクフルトを食べたりもした。
でも、そんないまでも。
まだ、出かけるのはこわい。
グリュプスと手をつないで歩いたり、買い物をするのはたのしい。
また、こんな時間がすごせることを幸せだと感じる。
でも、出かけている間、気にしてしまう。
歩いている . . . 本文を読む
わたしはずっと偽られてきたのだった
グリュプスの翼はあのときから黒く染まっていたのだ
そう、免許をとったあの日から
支えてくれていたと思っていた あのあたたかな翼は
本当は黒く、つめたい翼だったのだ
グリュプスはずっと偽りのあたたかさをくれていた
わたしは愛されてなどいなかったのだ
それがわかり わたしが泣き叫び 怒り、傷つき弱っていく姿をみて、グリュプスは涙した
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4月から忙しくなるからと、今のうちにすこしだけ、遠出をしようと出かけた。
ディナーを食べて、ホテルの部屋へもどり、くつろいでいると、チャイムが鳴った。
グリュプスは白い箱を持って戻ってきた。
テーブルに置き、わたしを呼ぶ。
白い箱からは、小さなホールケーキが出てきた。
ホワイトデーの、サプライズだよ、とグリュプスがうれしそうに言った。
チョコプレートに、文字が書いてある。 . . . 本文を読む
駅。
南稚内駅。
グリュプスと別れを告げる駅。
いつもひとりで通る改札を、ふたりで通る。
振り返っても、グリュプスはいない。
もう、あの悲しげな後ろ姿を見送る必要はない。
グリュプスは隣で微笑っているのだから。
ああ、なんというしあわせだろう。
グリュプスと、この列車に乗れるなんて。
神様、わたしたちは頑張りました。
ひとつ、試練を乗り越えま . . . 本文を読む
わたしの身体は、初めてグリュプスと逢ったときよりだいぶやせてしまった。
きっと、仕事のせい。
わたしは今くらいが自分としては気に入っているのだけど、愛しあうとき。
わたしのおっぱいはちいさくちいさくなって、ふわふわで気持ちいいと言ってくれた身体は、骨ばってしまった。
それでも、グリュプスは。
わたしの身体を愛してくれる。
わたしの身体で興奮してくれる。
こんな . . . 本文を読む
大学にいた頃は、精神科に興味をもっていた。
特に、統合失調症の看護にすすもうかと思っていた。
実際に、看護師になり、3年が経った。
最近、もうひとつの翼を、つかってみようかと思うようになってきた。
忘れていた翼。
使うことのないと、思っていた翼。
保健師。
これを発展させれば、また新しいことができる。
看護師として、壊れる前に。
もしかしたら、こっち . . . 本文を読む