あーあ……
踏み込んだね……?
認めてもいない人間が…
わたしの領域に…踏み込んだね……?
ここは…あなた如きが…踏み込むべき場所じゃないよ…?
手折らせてもらおうかな…?
あなたが踏み込んだときに踏まれた花のように。
わたしが可憐な花のように見えたかい…?
残念だ。
わたしは鋭い棘を持った、毒の花だよ。
わたしを薬として使うことができるのは、ふわと . . . 本文を読む
わたしは、その言葉を一度もくちにしたことがない。
今までの父親になった人たちも、おとうさんとはよんだことがなかった。
わたしの本当のおとうさんは板前さんだったらしい、ってきいた。
絵も描いてたってきいた。
わたしは料理好きだし、絵も描く。
かあさんの血筋にはひとりもいない。
わたしはおとうさんの血しかひいてないみたいだ。
本当のおとうさんって、やさしいのかな。
あっ . . . 本文を読む
たしか、わたしの身体がおかしくなったのは、去年のこの頃だった気がする。
最初は手がふるえることが増えて気がついた気がする。
頭の中でも警鐘が聞こえていた。
でも、聞こえないふりをした。
そうするしかなかった。
まだ1年目のわたしには。
でも、それでよかった気がする。
そのおかげで、プリセプターから教わることは一応全て教わることができたから。
その教えでさらに壊れ . . . 本文を読む
beautiful nameを聴いて涙がでた。
わたしも、呼んでほしかったのだ。
自分の名前を。
「シュウちゃんの子」ではなく、わたしの名前を。
唯一、本当のおとうさんがくれた名前を。
「シュウちゃん」が付けてくれた名前を。 . . . 本文を読む
先生が死んだって知ってから、まだ9日しか経ってない。
いま、ふと気付いた。
まだ、実感がわかない。
こころが納得していない。
先生のことを考えると、黒い鴉のことも考える。
黒い鴉についていくときって、どんな感覚なんだろう。
先生はどんなふうについていったんだろう。
くるしくなかったのかな。
ついていった後、鴉はどこに行くんだろう。
そして、先生はどこに行ったんだ . . . 本文を読む
あるブログで、雨の日に生まれたから、雨の日に死のうと書いてあった。
わたしがしぬときがきたら、雪の中でしにたいな。
せめて、目に映る景色は雪がいいな。
しろい、しろい景色。
その横に、鳥がいてくれたら、最高だな。
そのときのわたしの子供がるかかはわからないけど。
そして、できたら聖夜がいいな。
そしたら、毎年しんだ日にはあの綺麗な光景が見れるから。
2月でもいい。 . . . 本文を読む
今日はクリスマスイブ。
ね、先生。
明日また大学の先生の部屋に行ったら、先生の名前、あるんじゃないかなぁ?
だって、奇跡が起こる日なんでしょう?
ねぇ、先生。
奇跡、起こしてみせてよ。
この大学で迎える、最後のクリスマスになるんだからさ。
それくらい、叶えてみせてよ。
ねぇ、せんせい。
おねがい、だから… . . . 本文を読む
本当に死を選ばせる事のできる鴉はどれだけくらい色をしていてどれだけ大きいのだろう。
そしてどれだけ負担がかかればその鴉は現れるのだろう。
鴉を知り尽くしたひとをも連れていける程の鴉を。 . . . 本文を読む
今、あらゆる事柄が相手待ちになっている。
次の働く場所は1月頭まで派遣会社の連絡待ち。
それが決まらないと動けない。
必要書類、手続き、住居関係手続き…
引っ越し日も行き先が決まらないと依頼できない。
他にも数件宙ぶらりんなものがある。
わたしは立場や内容が決まったものに関してはありえない程気長に待てる。年単位も苦でない事も多い。
しかしそれらがはっきりしない . . . 本文を読む