やっぱり、わたしには、似合わない。 . . . 本文を読む
グリュプスが来て、11日たった。
グリュプスとくらす日々は、たのしくて、おだやかで、幸せだった。
食材を買いに行ったり、掃除をしたり。
そういった、あたりまえのことがとても幸せに感じた。
グリュプスは、ritsuのごはんをいつも喜んで食べてくれる。
ritsuは、ずっとずっと憧れてたことがあった。
グリュプスに、おかわりをよそうこと。
グリュプスがうれしそうにお茶碗を . . . 本文を読む
グリュプスが、来た。
最後の荷物を持って、舞い降りた。
もう、舞い戻ることはない。
ただいま。
おかえり。
グリュプスはとても疲れていたけれど、とても幸せそうな表情をしていた。
グリュプス、もう帰らなくていいんだよ。
そう言うと、グリュプスは大きくうなずいた。
もう、ここがおうちですから。
そう、うれしそうにこたえた。
やっと、一歩進んだ。
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こころに穴があいた。
昔のことを思い出した。
まなりにホワイトバンドを買ってあげた。
ふたりでおそろいのホワイトバンドをつけていたのだけど、ある日まなりがすごく落ち込んでいた。
聞くと、ホワイトバンドをなくしてしまったと泣きじゃくりながら言った。
ふたりで、お店をまわってホワイトバンドを探した。
もうだいぶブームが落ち着いていて、なかなか見つからなくて。
やっと . . . 本文を読む
わたしは今日もなくしたたからものをさがす。
何度あった場所へいっても、お探しのものはないという。
何度いわれても、いわれてもあの場所へ向かい、とぼとぼと踵をかえす。
あれは グリュプスがわたしに謳ってくれたことばがいっぱいいっぱいつまっていたから。
たからものをなくしてかなしむわたしに、グリュプスは言った。
また暮らしはじめたら、あたらしいたからものをあげるから、と。
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赤い糸を、みずから切ったのか。
わたしにはわからないけれど。
また、わたしのたからものが一つ、なくなった。
わたしはあなたにとって最高の天使になりたかった。
ぼろぼろでこきたない翼だけど、できる限り力になりたかった。
それが、結果としてあなたを堕とすことになった。
それが何よりかなしくて、わたしの翼は紅く染まった。
好きだから、大切だから。
翼が泣く . . . 本文を読む
ハロウィン。
ジャック・オ・ランタンが飛びまわる日。
ジャック。
今宵は、あのふたりのところへ行ってごらん。
あのふたりは、きっと君にお菓子などくれないよ。
そうしたら、君の悪戯で。
あのふたりを、ここから連れ去って。
天にも地の国にもいけない君。
ふたりなら、地の国へ行けると思うけど。
遊んであげてよ。
そして、案内してあげて。
君に、最高のtre . . . 本文を読む
そろそろ、ふたりの生活がはじまろうとしている。
ふたりで同じ空間で。
もう耳にする声は電話越しではなくて。
お互い、たすけあっていける。
身体をよせあって寒さにたえて。眠りについて。
るかも、グリュプスの翼に包まれて。
そのためには。
そのためにはおかねを手に入れなくては。
かなしいけど…ritsuのお給料じゃ…きびしい。
暮らしてはいけるけど…
貯めるぶんにまわ . . . 本文を読む
最近、身体の調子が悪い。
おなかもゆるいし、動悸の回数もふえている気がする。
食事も…食べられる量が少なくなってきてる。
おなかすいた…と思っても、入らない。
きもちわるいわけじゃないのに…箸がすすまない。
とくに、午前中。
急に動悸がして、めまいがする。
それでも、足を止めるわけにはいかない。
午前中は、とても忙しいから。
ここはチームでやることがとても多いから、自分のペース . . . 本文を読む