顔面に寄生虫
※ただし、豪州代表メンバー 大学生、採掘士、政府職員、不動産会社勤務などセミプロ軍団、大阪城見物と家電量販店ショッピング
この日、前日練習を公開した豪州代表は揃ってリラックスムード。本紙記者の姿を見つけたある選手は「明日のジャパンの打順はどんな感じ? 誰が先発するの?」と逆取材するなど、日本を研究している様子など全くない。
それもそのはずである。豪州代表の一部選手らは24日の試合前のスケジュールに家電量販店でのショッピングや大阪城見物が組まれている。さらに、メンバー構成を聞いてビックリだ。
初戦に先発する22歳の左腕、T・コックスは、WBC代表の1次候補にも入っていない大学生。昨季までレッドソックスのマイナーにいたが、母国の豪州リーグでもプレー。そこでMVPを受賞したため、監督がその“ご褒美”に先発に抜擢したという。
このコックス、日本での2試合を終えると、すぐに豪州の大学に戻り「ファイナンス(金融財政学)の勉強を続ける」 とこう言った。
「1週間ほど大学を休んで、この代表チームに参加しているだけなんだ。宿舎のホテルにはファイナンスの本を持ってきて勉強している。日本代表との戦い? こう言っては悪いけれど、僕はイチロー選手と対戦できればそれで満足。もちろん抑えられたら最高だけど、結果よりもやっぱり思い出になるからね」
野手陣のレベルもヒドイ。主力のJ・フーバー(元パドレス=26)、イチローの元同僚で現在豪州代表のC・スネリング(27)、強化試合第2戦に先発予定のD・モス(元ブレーブス=32)は元メジャー選手だが、その他はいわゆる「セミプロ」 。
主軸のひとりであるB・ライジンガー(31)はWBC代表候補には入っているものの、本職は「金鉱山労働者」 だ。
外野の一角を担うN・キンプトン(25)は普段豪州政府の職員として働いている。P・ブラッシングトン投手(25)も不動産会社に勤めるサラリーマンなのだ。
思わず「ヤル気があるのか」と突っ込みを入れたくなる。だが、こんな事情を聞けばそれも納得だ。
今回来日した選手のほとんどは、「WBCよりこの強化試合を日本球界への売り込みの場と考えている」 という。ある球界関係者がこう語る。
「バーンサイド(巨人)やジェフ(ウィリアムス、阪神)が過去に日本代表との試合で活躍し、日本球界入りを果たしましたし、彼らが今、どれだけ恵まれた環境にあるかを十分知っている。今回は日本の編成担当の視線を相当気にしていますね。われわれの知る限り、少なくとも今回の代表候補選手の中にそうした選手が8人はいる」
前出のライジンガーにその点を率直に聞いてみると、キッパリとこう言った。「代表としての結果も重要だが、オレはやっぱり日本でプレーしたいためにここに来ている。今は親父の経営する会社の採掘士として働いているが、やっぱり野球を職業にしたいからね。そのためにこの2試合は頑張るつもり」
同じく日本球界入りを狙うフーバーも「できれば日本球界で野球をしたい。ダルビッシュと松坂を打てば、注目されるかな。何とか結果を残して、日本の野球チームのスカウトの目に留まればいいね」
日本代表、いや日本のプロ野球もずいぶんナメられたものだが、豪州代表の主力となる大リーガーは強化試合直後に行われる米・アリゾナ合宿からチームに合流する。第2ラウンドで対戦することになれば、ガラリとチーム編成は変わっているはずだ。
いずれにしろ今回、こんな連中相手に2試合やっても、いったい何の強化になるのか。それはそれで楽しみな試合ではあるが。
この日、前日練習を公開した豪州代表は揃ってリラックスムード。本紙記者の姿を見つけたある選手は「明日のジャパンの打順はどんな感じ? 誰が先発するの?」と逆取材するなど、日本を研究している様子など全くない。
それもそのはずである。豪州代表の一部選手らは24日の試合前のスケジュールに家電量販店でのショッピングや大阪城見物が組まれている。さらに、メンバー構成を聞いてビックリだ。
初戦に先発する22歳の左腕、T・コックスは、WBC代表の1次候補にも入っていない大学生。昨季までレッドソックスのマイナーにいたが、母国の豪州リーグでもプレー。そこでMVPを受賞したため、監督がその“ご褒美”に先発に抜擢したという。
このコックス、日本での2試合を終えると、すぐに豪州の大学に戻り「ファイナンス(金融財政学)の勉強を続ける」 とこう言った。
「1週間ほど大学を休んで、この代表チームに参加しているだけなんだ。宿舎のホテルにはファイナンスの本を持ってきて勉強している。日本代表との戦い? こう言っては悪いけれど、僕はイチロー選手と対戦できればそれで満足。もちろん抑えられたら最高だけど、結果よりもやっぱり思い出になるからね」
野手陣のレベルもヒドイ。主力のJ・フーバー(元パドレス=26)、イチローの元同僚で現在豪州代表のC・スネリング(27)、強化試合第2戦に先発予定のD・モス(元ブレーブス=32)は元メジャー選手だが、その他はいわゆる「セミプロ」 。
主軸のひとりであるB・ライジンガー(31)はWBC代表候補には入っているものの、本職は「金鉱山労働者」 だ。
外野の一角を担うN・キンプトン(25)は普段豪州政府の職員として働いている。P・ブラッシングトン投手(25)も不動産会社に勤めるサラリーマンなのだ。
思わず「ヤル気があるのか」と突っ込みを入れたくなる。だが、こんな事情を聞けばそれも納得だ。
今回来日した選手のほとんどは、「WBCよりこの強化試合を日本球界への売り込みの場と考えている」 という。ある球界関係者がこう語る。
「バーンサイド(巨人)やジェフ(ウィリアムス、阪神)が過去に日本代表との試合で活躍し、日本球界入りを果たしましたし、彼らが今、どれだけ恵まれた環境にあるかを十分知っている。今回は日本の編成担当の視線を相当気にしていますね。われわれの知る限り、少なくとも今回の代表候補選手の中にそうした選手が8人はいる」
前出のライジンガーにその点を率直に聞いてみると、キッパリとこう言った。「代表としての結果も重要だが、オレはやっぱり日本でプレーしたいためにここに来ている。今は親父の経営する会社の採掘士として働いているが、やっぱり野球を職業にしたいからね。そのためにこの2試合は頑張るつもり」
同じく日本球界入りを狙うフーバーも「できれば日本球界で野球をしたい。ダルビッシュと松坂を打てば、注目されるかな。何とか結果を残して、日本の野球チームのスカウトの目に留まればいいね」
日本代表、いや日本のプロ野球もずいぶんナメられたものだが、豪州代表の主力となる大リーガーは強化試合直後に行われる米・アリゾナ合宿からチームに合流する。第2ラウンドで対戦することになれば、ガラリとチーム編成は変わっているはずだ。
いずれにしろ今回、こんな連中相手に2試合やっても、いったい何の強化になるのか。それはそれで楽しみな試合ではあるが。