潜れども 潜れども

管理人のいろんな事への感想等。ダイビング、落語、Jazz等。

三枚起請

2007年08月24日 23時54分54秒 | Weblog
潜ることが許されなくなった私が、その代わりといっては何だが、ある意味病的にハマっているのが「落語」だ。

きっかけは、多くの人がそうかもしれないがTBSテレビのドラマ「タイガー&ドラゴン」のDVDをレンタルショップで何気なく手に取った事だった。休日に没頭することがなくなった私は、元来好きだった映画を観たりしていた。ところがそれにも限界があり、レンタルDVDといっても観たいと思っていたものはすぐに見尽くしてしまい。少しでも興味をそそられるDVDを求めレンタルショップ店内を彷徨うようになった。

そうなってくると、テレビドラマは都合が良い。1枚目が気に入れば自動的にその後数枚は楽しむことになり、その間は見たいものを探さなくて良い。

そうして手に取ったのが前記の「タイガー&ドラゴン」だった。「宮藤官九郎脚本か・・・、まぁ見てみっか・・・。」てな具合である。

ところが、これが面白かった。このテレビドラマが私を落語の世界に連れて行ってくれた。今、寄席に足を運んでいる若者のほぼ全員はこのドラマを見ているのではないかと思ってしまう。
当初、特番的に長編単発ドラマで始まり、連ドラ化していくのだが最初の「三枚起請」の回をご覧の前に、「起請文」という言葉の意味を検索でもして欲しい。
「三千世界のからすを殺し、主(ぬし)と朝寝がしてみたい」という、高杉晋作が唄ったという都々逸もおさえれば完璧である。

その辺だけ押さえたら、まだ見ていない皆さん。レンタルショップへ走れ!!

そしてその次は寄席にDIVEだ!!

それって、何ですか・・・?

2007年08月24日 00時43分42秒 | Weblog
このブログのタイトルの由縁でもある、小説「しゃべれども しゃべれども」今読んでいるところだが、まだ読み終わらない・・・。というか・・・、読んでいない・・・。

映画化され上映されたのを観たので、筋は大体知っている。
時々手にとって読んではいるが、少し読んでは暫くそのまま・・・、また少し読んでは・・・。の繰り返しである。読むのが嫌いだからではない。では何故か・・・。読んでしまうのが惜しいのである。話しの筋そのものには今や殆ど新鮮味は無い。いや、知っているからこそ、読んでいる間はその小説の中の世界のなかに浸っていられる。それが読み終わった瞬間消えてなくなってしまうような気がするからだ。

寄席、落語、下町・・・。そんな舞台で繰り広げられる言わば、どぉ~~って事無い出来事・・・。そんな、どぉ~~って事無い出来事が良いのである。もちろん、そればかりではないのだが、その静かなストーリー展開が日常に生きる我々に、その小説の中の世界に入り込んでいくことを円滑にさせているような気がする。

その小説の中の世界の、もちろん登場人物ではないにせよ、その世界の住人になっているような気がしてくる。知らないうちに、例えば通勤時などに登場人物の誰かとすれ違っていたのではないか・・・? と思わせるような・・・。

このところ、沖縄などの南の島などに癒しを求める人が多い。自称ダイバーである私もその一人だった。沖縄への移住ブームが訪れる以前から何度か沖縄には足を運んでいる。その沖縄の美しい島々は、虫害にあったキャベツか何かのようにもう暫くしたら無残な姿になり、もう二度とあの美しさを取り戻す事はなくなると私は思っている。その問題の核心は、移住をしている方々より、その方々に宅地、住宅等住環境を提供している企業側にある。

美しさを求め、癒しを求め集まった人たちにより、寄って集って食い荒らされる沖縄の島々は、移住した方々が年老いて死に絶えた頃、何の魅力も無いただの離島となって、人の寄り付かない抜け殻のようなものになってしまうだろう・・・。
私の予想は残念ながら恐らく外れることなく、今後20年くらいで燃え尽きてしまう。もしかすると、自分たちの移住により、汚し、破壊した島に愛想を尽かし、また都市部に戻ってくる方も多いかもしれない。

あぁ、何とかして止められないものか・・・。無理なのか・・・。

そんな今、私はその小説の中の世界に心地よさを覚えている。南の島に求められた癒しのようなものは、次は、都市部に残されたノスタルジックなものにその標的を変えていくのだろうか・・・。

その意味では、私の感じる心地よさにあまり多くの人に共感して欲しくない。・・・という逆説的な考えも浮かぶ。

私もそうだから大きなことは決して言えないが、欲の追求に世間は加減を知らない。それが金儲けのタネともなれば途端に再起不能となるまで貪られる。貪りつくしたら、また違う集魚灯を探せば良いだけである。その後のことは知ったことではない。早い者勝ちである。

皆さん、人に教えたいけど知られたくない、共感して欲しいけどもてはやされたくない。そんな大事な場所や、物や、感覚ってありますか?

大丈夫・・・、「それって何ですか?」なんて聞きませんから・・・。