リバーリバイバル研究所

川と生き物、そして人間生活との折り合いを研究しています。サツキマス研究会・リュウキュウアユ研究会

ボラ騒ぎ

2005-07-08 00:46:24 | アユの流し目/雑記帳
佃煮を一晩ふやかしたら、ボラらしくなった。

 見れば見るほど、ふっくらして、ボラの仔である。
ボラの仔のことを、ハクとも呼ぶから、漁師さんはハクレンと思いこんで、ハクレンの佃煮といったのか??。ともかく、ボラである。

 ボラが、多量に上ってきたことの意味を考えてみた。
長良川では大型のボラはサツキマスの網にかかる。ところが。小型のボラはあまり記録がない。
関市で27年も登り落ち漁をされた後藤宮子先生のお宅におじゃまして、資料を見せて頂いた。


 27年分の調査データ。手書きで書き込み、製本してある。!!。

 しかし、47種、12万匹!!という標本のなかに、ボラは無かった。
 後藤先生の採集場所は河口から約60km、すこし、上流過ぎるのかもしれない。

 そこで、旧 建設省と水資源開発公団が行った調査の資料をみていて、こんなデータを見つけた。



 表は、平成11年の長良川河口堰モニタリング年報によるもの。
長良川河口堰の下流でシラスウナギ用の集魚灯で採取したものだ。
どうやら、ボラは、長良川河口堰の下には多量に生息しているようだ。


 ところで、魚が遡上する能力というのは、どの程度だろう。
これについては、こんな、資料がある。



 
これは、魚道の設計という本より引用した。
 広瀬利雄 中村中六編著(平成3年) (財)ダム水源地環境整備センター編集 山海堂

 これを見てもらうと、アユという魚は、他の魚と比べて、圧倒的に遊泳速度が大きいということがわかる。
 ボラは表にのっていないけど、この写真の姿である。アユよりも泳ぐのが早いということは、まず考え難いではないか。

 はて、ボラほ本来、長良川河口堰の下流に住み、川にも上ってくる。それが、今年はたくさん捕れた。つまり、登りについてみれば、ボラでも登れるくらい、長良川河口堰の魚道は機能していた。ということでもある。
 では、ボラでも登れた魚道をなぜ、アユが登れなかったか。ということである。
いや、そもそも、アユは、長良川河口堰を下って、海に行っていたのか?ということでもある。

 つづく

 ニイムラ

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 淀川2ダム中止 京都は評価... | トップ | ダウンバースト 雷に注意 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

アユの流し目/雑記帳」カテゴリの最新記事