リバーリバイバル研究所

川と生き物、そして人間生活との折り合いを研究しています。サツキマス研究会・リュウキュウアユ研究会

ある提案その後 とんだ横やり

2005-10-13 17:56:52 | サツキマス研究会/長良川調査会
最近になって、長良川河口堰管理所がロック式は使えないと言ってきた。

 9月の末になって、サツキマス(スモルト)の放流に左岸ロック式魚道は使えないと担当者が漁協に言ってきたという。

 その理由というは、
・魚道といえども治水のための設備で運用を変更することは出来ない。
・魚道として、「チチブ」などが利用しているから、一旦放流魚を貯めておくことはできない。
・魚道内に「スズキ」が棲み付いて逃げない。スズキにサツキマスが食われてしまう。

 というものだった。
 ロック式魚道に一旦放流するサツキマスを入れて「生け簀」としておくことから、治水の障害となり、魚道としての機能を果たせなくなるということが技術的な理由のようだ。

 でもね。治水上問題となるような、出水がある時なら、サツキマスは苦労しなくても海に下れる。そもそも渇水時にダム湖の水が流れないことから、こんな対策を考えたんだから、本末転倒している。
 そして、チチブがいるからといっても、彼らはそこに住んでいるんであって、今の時期に遡上するというわけではない。
 それにしても、最後の理由が震っている。
 スズキが棲み付いている。

 たしかに、長良川河口堰のパンフレットには、立派なスズキが魚道観察窓越しに見える。

 「漁師にむかって、スズキが棲んで居るで、マスが喰われるというても」
説明を受けた、漁師さんは苦笑しながら言った。

 「子供だましの理由だて」

 結局、提案は没になったのだけど、漁師さんたちは長良川河口堰管理所の理由に納得してのことではない。

 「どこぞから、横やりがはいったんだわなあ。」と
 説明に来た担当者に同情して、納得したのだった。
 最初の話し合いでは、取り立てて問題もなさそうな提案だという話だった。技術的な問題など、その場でも判ることで、今になって問題が明らかになったというレベルの話ではないと思うのだ。

 どこから入った横やりか
ボクたちにはそれとなく判ったことがあった。

スズキが棲みついている、という、ギョッとするような理由を思いつき、
チチブが遡上するという、生物学的に間違ったことを平気で理由として述べるのは、あの人しかいない。

 そして、その事を証拠立てるように、あの人が熱心に勧めていた右岸にあるアユ仔魚放流用の人工河川が今年数年ぶりに使用される事になるという。

 ニイムラ
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