今年はビワマスの産卵を撮影する予定は特になかった。ところが、魚類学会でOさんにあって話をしていると、特別採補許可を取ってビワマスの受精卵の採取・分析をするという。掘り出した受精卵は紫外線による損傷などから死んでしまう可能性が高いということですべて採取してしまうという。
受精卵の数を調べるというのは、研究手法としてはもちろん正しい方法なのだが、これは心情的にはかなり切ないことで、個人的には好きな方法ではない。
ボクならば、調査を夕方に行うとか、シェードを水上にはって太陽を遮断して行うとかの対策をする。それは手間暇の掛かることで、当然効率は悪いのだが、まず、受精卵の数を数えるという手法を選択することはないだろう。
しかし、産卵床がどうなっているのか。見てみたいという思いもあるのだった。ボクはサツキマスやサクラマス、ビワマスの産卵行動をかなりの事例観察して撮影も行っている。でも 産卵後の産卵床がどうなっているかは掘り出してみたことはない。そこで、この機会に見て、撮影も行っておこうと受精卵の掘り出し作業を見学にいくことにした。
前振りが長くなったが、そんなわけで予定を変更して急遽琵琶湖に出かけることにした。
ところが、事前に琵琶湖に来ていたOさんから連絡があり今年の調査を中止するという。調査対象の河川での産卵数が少ないので資源保護を考慮しての判断だという。拍子抜けする展開だったが、ボクは岐阜までは戻ってきていたし、宿もとっていたのでそのまま琵琶湖に向かうことにした。
やはり11月の下旬というのはビワマスの産卵期としては遅いようだった。雨の後ならと24日の雨を選んではいたのだが、遡上してくるビワマスの姿はない。1日待って、雨の翌日25日には河口から遡上不能の堰堤までの区間を遡河するが主な場所には産卵床があるものの居残りのメスの姿もなかった。
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