リバーリバイバル研究所

川と生き物、そして人間生活との折り合いを研究しています。サツキマス研究会・リュウキュウアユ研究会

第25回 アユの産卵を見る会 のご案内。

2014-11-01 19:30:38 | フェースブックより

「第25回 アユの産卵を見る会」のおしらせ
               記
日時: 2014年11月1日(土曜日)
 第1部 アユの産卵観察会:午後4時より午後5時まで

 第2部 アユを送るたき火会 午後5時30分 ~ 朝まで
場所: 岐阜市 元浜町地先 
長良橋下流400m左岸(金華山側)

目印は「あゆをみる会」の青い旗です。
会場へは岐阜バス 長良橋下車(JR岐阜駅から15分)鵜飼乗船場から堤防沿いに下流に向かい、堤防が切れた部分からを河原方向へ向かって下さい。 
  車でのご来場も可能です。 
通路は通常は鍵が掛かっていますが、当日は午後3時から開放します。
参加費:無料

 


 観察会は産卵場から水中カメラのLIVE映像を中継して川岸のスクリーン投影します。同時に、撮影地点から新村安雄(フォトエコロジスト)がアユの生態、産卵等について解説をします。
アユの産卵は日没直前が見頃です。午後4時20分前後が観察をしやすい時間帯です。
当日は大雨で川が濁らない限りは小雨でも行います。天候が悪い場合には電話でご確認下さい。

連絡先: 当日のご連絡は  090-2686-0869    新村まで 

第2部 アユを送るたき火会 午後5時30分 ~ 朝まで
 場所:産卵観察会 の近く 
 観察会終了後、河原でささやかな「持ち込みパーティ」を行います。

 

ご挨拶にかえて


 ボクが長良川でアユの産卵を現地で観察する会「アユの産卵を見る会」を始めて今年で25年の歳月が流れました。

 アユは長良川のシンボルであり、岐阜県 の産業(水産業・観光業)はその知名度に多くを依存してなりたってきました。しかし、アユという生き物の生涯 (生活史=生まれてから死にたるまでの生活)については 意外に知られてはいませんでした。

25年前、ボクが産卵観察会を始めようと思ったのは、ある女性の言葉でした。
「長良川のアユはどこで生まれるの?」そう尋ねてきた彼女は岐阜市内の生まれ、でもアユは長良川のもっと上流、郡上八幡の辺りで産卵するのではないかと思っていたそうです。

違うのだよ、長良川のアユは岐阜市内の生まれなのだ。と説明しながら、産卵するアユを川原で観察したらどうだろう。そう思って、ボクたちは長良川でアユの産卵観察会を始めました。

その彼女とは長良川沿いで一緒に暮らすことになり、9年間共に観察会を行いました。しかし、彼女は病を得て早世、それからは仲間と共に観察会を行ってきました。

わたしたちは、アユの産卵観察会を通して、参加されたみなさんといっしょに、県都岐阜市を流れる長良川、その市内 金華山の真下でアユが産卵して命を繋いでいる瞬間を見つめてきました。

今年も川原でおまちしております。

 

  「アユの産卵を見る会」代表世話人  新村安雄

 ブログ「リバーリバイバル研究所」にて直前情報更新します!

 

 なお、25年にわたって観察会を続けて参りましたが、今年は25回という区切りのよい年でもあり、今後も現在の形式で続けていくかどうかは現在のところは未定です。

 

補足説明)

〇アユの産卵と木曽川導水事業
 現在計画中の「木曽川導水路事業」、この計画で、もっとも影響を受ける可能性の高いのは、産卵期のアユです。長良川のアユの産卵場所はほとんどが導水口よりも下流に位置しています。
 徳山ダムから導水される水には、ダム由来の懸濁物質(濁水)が含まれています。ダム由来の水はトンネルと通って通水されますが、通過時に地下で冷やされて水温は摂氏15度程度となると予想されます。

夏の場合、導水口付近の河川水温は25度以上となり水温差は10度以上になりますが、水温の異なった水(水塊)は容易には混ざり合わず、水温の低い導水された濁水は川底を流れて、懸濁物質は河床に堆積し易くなります。

夏は流量が少ないので河床の懸濁物は堆積した状態で維持されます。そしてアユの産卵期になると流量の増加とともに流れ下り、導水口の下流川の河床の礫の隙間を埋めてしまう可能性が高まります。

アユの産卵には、礫の間に隙間がある「浮き石」という状態が必要です。受精卵が2週間から1ヶ月、礫の間で生きていくために酸素が必要だからです。

懸濁物が産卵期に流れ下ってくることは産卵場の環境を著しく悪化させます。その結果、長良川で自然に産卵し。ふ化して海に下るアユ仔(し)魚が減少する懸念があります。


木曽川導水事業が強行された場合、私たちが観察会を行っている場所(長良橋下流)は、導水口(長良古津)から最も近く、最も影響をうける場所にあるアユの産卵場となります。


〇定点観測
「アユの産卵を見る会」は長良川河口堰建設前より長良川の変化を見守る「定点観測」を目的として23年間開催してまいりました。新村が2000年に予測し た「長良川では大きなアユがいなくなる=産卵期初めの仔アユは海に行けない?」(参考資料)という現象を確認できるのも、私たちが23年にわたって「定点 観測」としての観察会を行ってきたことの成果です。


〇アユの産卵観察会の今後

 現在、木曽川導水事業は事実上は休止に近い状態です。ただし、昨今の休止されていた多くの公共事業が復活していることから今後の展開については予断を許しません。

 もし、木曽川導水事業の計画が進み出したら、定点モニタリングとしての「アユの産卵観察会」は観察会を継続することとします

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