リバーリバイバル研究所

川と生き物、そして人間生活との折り合いを研究しています。サツキマス研究会・リュウキュウアユ研究会

市民による環境調査 結果速報版

2008-01-16 00:12:34 | サツキマス研究会/長良川調査会
2008年1月14日 長良川で行った市民による環境調査の流況にかんする結果(速報版)について

◎調査方法
 1.白色ポリエチレン袋に現場の河川水を入れ標識ブイとして流し、時間経過による位置から流れの状況を観測しました。
 2.標識ブイの記録
   観察者が岸よりデジタルカメラで撮影。
   背景とデジタルカメラの時間情報から位置を特定しました。
 3.距離の算出
   デジタルカメラで特定した位置について、Google earthにより距離を計測しま   した。
 4.上記で求めた距離と経過時間から一秒あたりの移動速度を求めました。

◎結果
 木曽川水系連絡導水路計画により放流の計画されている地点は、大規模なトロ(流れが緩やかな部分)となっている。

 毎秒30cm程度の流速の部分が広がっていることは放流水に含まれる物質、有機物質(ダム湖で繁殖した植物プランクトンなど)、無機物質(ダム湖の懸濁物質 シルト分など)が堆積しやすい条件となる可能性がある。

 渇水時にはより多量の放流(4.7㌧/秒)の放流が計画されていることから長良川に徳山ダムから導水される有機物質、無機物質ともに増加することが想定される。

 これらの物質が放流地点付近のトロに堆積することは、直ちに混合して濁りなどが希釈されて流れるよりも、より大きな水質の悪化を招く可能性がある。

 鵜の開催によって、最も人々が親しむ水辺 鵜屋周辺についてもトロが続いており流速は早くない。鵜屋周辺の流速が緩やかであることは、放流地点と同様に水質を悪化させる物質が堆積しやすい条件であることを示している。

 河床に堆積した物質は、小規模の出水では流下しない可能性が高く、景観上重要な地点での水質の悪化が懸念される。

 ◎スタート時の写真 (撮影 粕谷史朗代表)

 
 ◎スタート地点より下川原


◎鵜大橋


◎鵜屋
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 市民による環境調査 新聞の... | トップ | 走り回る愚者 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サツキマス研究会/長良川調査会」カテゴリの最新記事