新潟久紀ブログ版retrospective

柏崎こども時代27「野球は早めに挫折」

●27野球は早めに挫折
・私は、良くも悪くも何事にも割り切りが早く、未練がましくないというか粘りが足りないというかが特性の一つだ。一旦見切った目標は振り返りもせずに新たな目標に切り替えていくことを繰り返して今日まで凌いできている。
・そんな性分は何時頃確立されたのか。掘り下げて振り返っていくと小学校高学年の頃だったように思える。
・昭和半ばの小学生の頃、男子の遊びといえば殆ど皆が草野球に興じていたものだ。当然ながらしっかり整備された野球場に出入りできるわけもなく、近所の公園を陣取りしてということになるが、子供の数も増え盛りの時代なので場所割が厳しく、狭くとも得られた範囲にベースを配して近くの家の窓ガラスを割らないように気を使いながら軟式ボールを打っていたものだ。
・とはいえ、何度かガラスを割っては住人に謝りに行き、当然弁償ということになるので親からも叱れたものだが。今、相手の立場でガラス片の危険や修理の間の不便など考えると、しこたま怒られたとは言え、どこか”お互い様”的な寛容さもあったなあと思い出される。
・閑話休題。少年マンガやテレビの中継などで野球があまりにも身近に感じられていた当時、プロになるというのではないが何時までも野球というものを楽しんだり関わったりして行けるのではないかと考えていた男子は多かったと思う。
・小学校入学当時は早生まれでもあり一番チビだった私は、高学年になると身長も高い方になり、そして肥満児になってしまっていた。貫禄がついてパワーヒッターのようになっていたのだ。校庭で野球大会みたいな行事があると必ず長打を放っていたし、見た目がそうさせたのか、なんとなく場の仕切り役みたいになっていったものだ。
・そんな小学6年生の夏。柏崎市主催の小学生軟式野球大会らしきものがあり、友達の野球好きの父親の手引きで、日頃から暇があると野球に興じていたお馴染みのメンバーで参加することになった。
・我が比角小学校内ではブイブイ言わせていた我々チームであったが、他の校区からのリトルリーグまがいの強者と一回戦からぶつかってしまい、我々は三者凡退に近い攻めが続き、守りも打ち込まれてガタガタになってきた。
・回を追うごとに守備が長くなり、キャッチャーをやっていた私はタイムを取ってはマウンドに駆け寄ってはピッチャーを励ましたのであるが、小柄な彼はいよいよもうダメだと言い出した。我々の草野球ではこうした事態を想定しておらず、ましてや交代要員という概念はなかったので、どうしたものかと考えていくうちに、私は、相手に打たれるたびに「あそこに投げればいいのに」とか「いまのは違うだろう」などと業を煮やしていた気分に後押しされて、「じゃあ僕が投げる」と言ってしまった。
・それでも単に気持ちの勢いだけではなく、キャッチャーとして見えていたものに基づいて頭の中に描ける投球戦術により、上手くやれるのではないかと自信に近いものがあった。単なるど真ん中のスピードボール一辺倒ではなくコースや緩急が肝心だとばかり、理論的に行けるとの意識だったのだ。
・マウンドに立って所定の投球練習を終えると相手バッターを迎えて投げた。私の考えでは手を出すはずのボールにバットは動かず、追い込まれたカウントで置きに行った球は見事に打ち返された。そんな事が数人続くと、チームの皆が絶望ムードになり声も出なくなった。当然のことながら5回くらいでコールド負け。
・この時の挫折感や打ちひしがれた思いというのは強烈だった。私は小学6年生のほぼその時限りで野球というものをしなくなったように思える。自分は上手くできると思い込んでいても頭の考えどおりには出来ない物事や、そもそも自分には向いていないというのが身に沁みるように分かってしまう物事に、その時を境にして付き合い続ける気になれなくなったのだ。

(「柏崎こども時代27「野球は早めに挫折」」終わり。仕事遍歴を少し離れた実家暮らしこども時代の思い出話「柏崎こども時代28「漫画家志望(その1)」」に続きます。)
☆ツイッターで平日ほぼ毎日の昼休みにつぶやき続けてます。
https://twitter.com/rinosahibea
☆新潟久紀ブログ版で連載やってます。
 ①「へたれ県職員の回顧録」の初回はこちら
 ②「空き家で地元振興」の初回はこちら
 ③「ほのぼの日記」の一覧はこちら
 ➃「つぶやき」のアーカイブスはこちら
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「回顧録」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事