<仕事観の形成と就職するまで編5>--------------------
●単発コンサート警備
学生時代のうちに色々な世界を垣間見ていける、アルバイトというものがいよいよ面白くなってきた。継続していた喫茶店「スペイン」のウエイターと並行して、単発のバイトも機会ある毎に様々請け負ったが、印象深かったものが幾つかある。イベントの警備もその一つ。若い女性を中心に人気だった男性パフォーマンスグループが新潟県民会館で行うコンサートの警備のバイトに参加した。
私自身は音楽は洋楽が好きで、この頃は特にジョン・メレンキャンプやドン・ヘンリー、ジャクソン・ブラウン、カーラ・ボノフなどをヘビーローテーションしていたが、完成度の高い演奏を聴きたいということと、当時は好きな外国アーティストは滅多に訪日しないため、今は廃れた"LPレコード"(!)を"カセットテープ"(!!)にダビングして聴き込んでいた。よって、音楽や芸能の世界に関心はありつつも、仕事として考えるための現場的な経験が無かったので、コンサートの警備は体感的に知ることができる良い機会と考えていた。
結論は「これは合わないな」。
ステージの直ぐ前に立って演者に背を向けて観客の方を向き、観客が舞台に上がろうとしていないかとか不穏な動きが無いかなどを講演の間中に終始監視する仕事は、2時間近い間、熱狂的に舞台を見上げて歓声を上げる若者達の顔の集合体を注視し続けることとなるのだが、照明の具合で青白かったり薄赤かったりするそれら群衆を見ていると何とも気持ち悪くなってしまって仕方ない。
演者自身は自分たちに夢中になる大勢の観客の姿に気分も良くなろうが、スタッフとして付き合わされるのは自分には耐えられないなあ…。歓声を自分も喜びとして分かち合えるほど好きなアーティストも当時はおらず、芸能や音楽などの業界は「合わないな」と、目指すべ仕事分野から一気に除外したのでした。
演者自身は自分たちに夢中になる大勢の観客の姿に気分も良くなろうが、スタッフとして付き合わされるのは自分には耐えられないなあ…。歓声を自分も喜びとして分かち合えるほど好きなアーティストも当時はおらず、芸能や音楽などの業界は「合わないな」と、目指すべ仕事分野から一気に除外したのでした。
(「仕事観の形成と就職するまで編5」終わり。「仕事観の形成と就職するまで編6「店じまいと儚い車持ち」」へ続きます。)
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