日本国憲法2.0開発部 - 改憲か護憲か?

 こういう憲法になるのなら嬉しいな……
 恐怖の軍国憲法に改悪する位なら、今の憲法の第9条を守っていた方がいいよね

改憲か護憲か?

2006-02-16 01:40:00 | サイトの趣旨

 こんにちは。私たちは、天皇制を儀礼官制に、自衛隊は海外救助隊に縮小する人権明記憲法「日本国憲法2.0」を開発し公開しました。
 さて、もし私たちの憲法草案でなく、自民党の憲法草案のとおりに改正されたら日本はどうなるか考えてみましょう。

●改正された瞬間、陸海空の日本軍ができあがります。れっきとした軍隊です。

●軍事費と皇室費が増えて、皆さんの払う所得税率や消費税率は高いものになります。今でも自衛隊費は年間5兆円(国家予算の6%)、定員内外自衛隊員は33万人です。

●軍拡競争の雰囲気になれば、他国が軍拡したり、テロをしかけてくる勢力を刺激し攻撃を招きます。
(中・朝・ロだって軍をもっているんだから一方的に軍縮したら危険じゃないかって? そうです。だからこそ世界中で同時に軍縮する努力を日本も進めるべきでしょう。平和憲法はそれとセットです)

●“防衛のため”、“国際的な査察や制裁のため”などと言いながら、ミサイルに燃料充填中だがまだ発射していない外国めがけてミサイルで“先制攻撃”したり、戦場に日本軍を派遣して“敵”の殺傷や破壊に参加することになる確率が高まります。

●戦争になればあなたの愛する人たちが、戦地や国内でバタバタと死んでいきます。大震災が同時に各県で起こるようなすさまじい悲劇、想像してください。

●戦時の国民の人権は政府や日本軍に奪われます。批判を書けば逮捕され、戦争のためには私財を供出させられます。

●衆参両院で憲法改正を発議するときの必要票は、今は3分の2ですが、自民党案では過半数に下げます。一見良さそうに思えますか? でも、どんな憲法改悪でも、与党が過半数をとっていればどんどん発議できてしまいます。マスコミを上手に利用する与党が、劇場型政治で一時的にムードを高め、国民がワッと衝動的に可決して後悔しないように、改正手続はある程度重くしておくべきです。

●「赤紙(召集令状)」がくると日本軍に強制入隊させられる徴兵制の復活、外国を射撃する核ミサイルの大量装備、天皇の写真を飾り天皇は神の子孫という神話教育の復活、新聞、雑誌、放送は言論統制、非公然でさえ皇室や天皇制の批判者は逮捕される不敬罪の復活、少数意見や少数政党にとどめをさす選挙制度変更、etc.……と、悪夢のような事態がどんどん進行します。女性も召集されるでしょう。あなたが召集されたら嫌でも人を殺せと命令されます。脱走して捕まれば射殺!

 あなたはこんな非人道的な世界に耐えられますか?

 「日本国憲法2.0」と比較してみてください。自民党案が補強する人権がそんなにたいしたものでしょうか?
 「自民党案の本当の目的は第9条の改正だ」舛添議員が明かしています

 だったら、そんな“軍国憲法”“軍拡憲法”に改悪するのと、今の第9条のまま平和憲法を護(まも)るのと、皆さんはどちらを選びますか?


国際救助隊を作ろう

2006-02-16 01:20:00 | サイトの趣旨

 近隣諸国が攻撃してくる可能性があるのに国が無防備でいるわけにもいかないでしょう、という意見があります。
 まあ警察や海上保安庁があるのですから、領土侵犯、テロ、武力攻撃を国内で鎮圧したり、飛来するミサイルやテロ予防の対策をとる位は憲法に書かなくても任務のうちでしょう。
 でも、それ以上の攻撃力や憲法の認める正式な軍隊をもつ必要性はどうなんでしょうか。

 「日本は国連の一員なのだから、国連の多国籍軍に加わって戦い人命を差し出さなければ国際社会からズルイと言われる」?

 けれども、国際人権規約B規約は、「良心的兵役拒否」を人権と認めています(第8条第3項)。
 「日本は国民全員が良心的兵役拒否です」とを表明して戦争参加をお断りさせていただき、その代わり大いに独自の国際貢献をすればいいのではないでしょうか.

 町の中であなたは警官を他の人に任せて守ってもらう代わりに、違うことで社会貢献しています。これと同じく、地球の上であなたは武力鎮圧を国連軍に任せて守ってもらう代わりに、違うことで社会貢献することは道理にかなっています。そのような国連に育てていくことも同時に必要ですが…。

 日本が国際貢献としてできることは、少なくありません。たとえば、

★和平交渉の仲介、国連活動。たとえば国交のない国の間の紛争を調停する。

★世界の平和的機関の集積地になる。

★行政と消防と警察と医療関係で世界一の「国際救助隊」を組織。そして、地震、火災、水害、爆発、感染症等で困っている国に、災害救助チーム派遣、医療チーム派遣、医薬品、医療機器等の供与。

★地雷除去、流出原油除去など、戦争の後始末技術の提供。

★復興費用援助、食料や水の援助、技術援助。

★国連のユニセフ活動の支援。

★人権救済活動

★被爆などの戦争体験に基づいた平和教育、報道。

 人命は失いたくないけれど、これも命掛けの尊い仕事です。
 でも人を殺傷したり恨みを買って復讐で攻攻撃されるような戦闘とは違います。
 いくらでも日本らしい貢献方法があります。

 イラク戦争に自衛隊を派遣した日本に、アルカイダがテロの予告をしましたね。アルカイダには日本政府の復興支援という言い分など、全く通じませんでした。
 日本が軍隊も軍事同盟ももたず中立になれば、誰から警戒されたり恨まれることもなく、アメリカ、スペイン、イギリスなどで起きた同時テロが襲ってくる恐怖も減るというものでしょう。これも素晴らしいメリットではないですか。

 軍隊をもたずに国際貢献できる道はあります。
 だったら、“軍国憲法”に改悪するのと、今の第9条のまま平和憲法を護(まも)るのと、皆さんはどちらを選びますか?


日本国憲法2.03の特色

2006-02-16 01:16:00 | サイトの趣旨


──人権明記憲法──

 本憲法には、6本の柱があります。

〔1〕【明記指向】

     解釈が分かれていた事項、不明瞭な事項、
     重要な法律条文なのに有名でない事項は、
     すっきりと憲法に明記しました。
     もう憲法の趣旨に反する立法、行政、司法にあなたが苦しめられることはありません。

 ●憲法の目的(国民にさせることでなく国にさせることを決めるという本来の目的を明記しました)
 ●憲法の理念(自由・人権の保障と互助互楽)
 ●条約・国際法規の遵守、自動執行区分(条約は軽視されてきた)
 ●法律の有効性(どっしりと憲法に明記しました)
 ●罪刑均衡
 ●無罪推定の原則(疑わしきは被告人の利益に)
 ●絶対的不定期刑禁止
 ●正当防衛
 ●緊急避難
 ●国旗、ロゴおよびロゴマーク
 ●国歌
 ●暦
 ●憲法の表記の明快化、前時代的表現の言い換え(何人も→全国民は、者→人(熟語を除く)、請願→要望、下級裁判所→一般裁判所)
 ●法律・政令の明快表記 


〔2〕【平等権の完成】

     国民の完全な平等を実現しました。
     もうあなたを見下す人はいません。

 ●天皇制の廃止(その代わりに、公務員である儀礼官が設けられました)
 ●人が差別されない条件の例を補充しました
 ●男女平等の徹底
 ●日本にいる外国人の権利重視
 ●元外国人の国民の人権重視(国務大臣には元外国人の国民が1名以上必要となりました。特別永住者は届出で国籍が取得できます。)
 ●一票の重みの平等(自分の1.5倍以上の重みの票をもつ人がいないことが保証されます) 



〔3〕【平和的貢献主義】

     人と殺傷しあいたくない気持ちと、
     国際社会への貢献を両立させました。
     あなたは安心に暮らすことができ、世界平和を推進する日本人であることを誇りに思うでしょう。

 ●軍隊、軍備の禁止(国内と国境の警備は警察が行います。警察・消防・医療などで非軍事の国際救助隊は作れます)
 ●戦争禁止
 ●警察の軍隊化の禁止
 ●核、生物、化学兵器の禁止
 ●有事例外の禁止(政府が突然、憲法・法律にないような言論統制、私財取り上げ、軍事裁判所設置、などの人権制限をはじめることを防止します)



〔4〕【互助互楽(ごじょごらく)の国】

     助け合い楽しませ合う日本人の伝統を、
     しっかり守る国にしました。
     あなたが人助けをすれば困ったときには誰かが助けてくれる国になります。

 ●対話と協調(多数者利益優先ではなく権利の衝突の調整が必要と明記しました。これにより「公共の福祉」は公益優先や秩序(治安)優先のことというのだというすり替えはとめられます。)
 ●投票の義務と権利(政治参加意識を保つために明記しました)
 ●助け合い・楽しませ合いの義務と権利
 ●守る伝統の明示(自分さえよければよい」ではなく人への尊敬と思いやりと感謝をもって誠実に助け合う、独創と改善に努め人のために勤勉にはたらく)



〔5〕【人権の補強】

     国が現代社会での不幸の解決にもっと努めるよう、
     明記されていなかった人権も補強しました。
     あなたが幸せに自由に生きていく権利を侵害することのない、よい国家になります。

 ●国の生存保障義務
 ●自己決定権
 ●健康権
 ●受療権
 ●リハビリテーション権(療養権)
 ●環境権
 ●日照権
 ●静穏権
 ●景観権
 ●眺望権
 ●清浄権
 ●環境保全義務
 ●災害対策義務
 ●衣食住の安全
 ●出産権
 ●扶養権
 ●人格権
 ●心身不可侵権
 ●名誉権
 ●犯罪被害者およびその家族の人権
 ●情報発信権
 ●表現権
 ●反論権
 ●憲法議論権(憲法改正前に政府がマスコミの議論を統制して不当に成立を図ることを防止します)
 ●結党の自由
 ●プライバシー権(改ざん・なりすまし・不当な復号化の禁止など、通信の秘密の保障を現代的に強化しました)
 ●肖像権
 ●知る権利・(国民に)知らせる義務(これにしたがい、各種の国政情報はウェブサイトで公告されるようになりました)
 ●学問と創作活動の自由
 ●選挙権(18歳から投票可能に2歳引き下げました)
 ●被選挙権(衆議院議員は23歳から立候補可能に2歳引き下げました。参議院は変えず参議院の特色を維持しました。)
 ●人身売買の禁止
 ●養育権(義務とセットで)
 ●人権救済局の設置
 ●個人通報制度
 ●搾取の禁止(拡張されました)
 ●労働組合結成・加入権


〔6〕【国家権力牽制の補強】

     公務員が国民のマイナスのことに走らないよう、
     チェック機構を補強しました。
     悪いリーダーや公務員や議員はすぐクビにでき、横暴な権力者に搾取されいじめられる無力感から、あなたはスッキリ解放されます。

 ●天下りを厳しく禁止(談合等税金無駄遣いの温床を一掃しました)
 ●省職員のローテーション制度(省益保持や業者癒着を防ぐため新風を吹き込みました)
 ●死刑の制限(死刑は法務大臣でなく内閣総理大臣が命令するようになりました。無実の確率がほぼ0%でなければ死刑執行を命令できなくなりました)
 ●政党前提制度の廃止(問題の大きかった政党助成金や比例名簿による選挙等の制度はなくなります。結党や、たとえば議院での党議拘束による投票などの政党活動は自由です)
 ●条約批准権を内閣から国会に移動
 ●議員の有罪による資格喪失(控訴段階では議院での投票権と発言権が停止、有罪が確定すれば罷免されます)
 ●議院への大臣代理出席を可能に(大臣は衆議院と参議院で日程が重なれば代理を出して衆参並行論議が容易になりました。国会のスピードアップになります)
 ●参議院の内閣不信任(参議院の決議からも内閣を総辞職できるようになり内閣の責任が高まりました)
 ●国務大臣のリコール(多数の議員に守られて責任をとらない大臣を国民がリコールできるようになりました)
 ●裁判の迅速性確保
 ●裁判官のリコール(機能することのない国民審査制度をリコール制度で補強しました)
 ●内閣の国家経営責任(企業の経営者のように健全経営を義務づけました)
 ●納税者の権利明記(公平かつ明朗な税制のもとで納税する権利が明記されました。納税者権利憲章が制定され、ルールを知らなかったための処分や、独断的処分での経営破綻を防止されます)
 ●納税窓口一本化(税務署だけで済むようになりました)
 ●国民の税金使途監視権
 ●合憲性審査義務(訴状で付帯請求すれば裁判所は公開裁判で合憲性審査結果を判決で必ず述べてくれることになりました)
 ●違憲と判決された法律・条約への対応
 ●違憲と判決された政令・行政行為への対応
 ●憲法改正の手続(国民の署名、地方公共団体決議も改正発議のひとつの条件になりましたが、国民投票の必要投票数は有権者数の3分の2以上という比較的慎重な条件にして、改憲の乱発を防ぐようにしました)


 これと比較して、自民党新憲法草案の柱は何か考えてみましょう。
 それは第9条改正による軍拡と、公益、公共の名のもとに行う人権制限です。愛国心教育(軍国教育)や、有事(戦時)のいろいろな強制に道を開くものです。
 そして書いても書かなくても大差ない、最近の人権のほんの少しの明記が、飴と鞭でいう飴のようにくっついていて、国民を軍拡の問題から視点をそらさせる目くらましになっています。
 自民党案が可決すれば、上記のような日本国憲法2.0の用意している将来の新機能をあなたが得ることは(環境権などごく一部を除き)不可能になってしまいますがそれでいいですか。

表紙

2006-02-16 01:00:00 | 目次


日本国憲法 2.03






2.0  2006年 2月 6日発表


2.01 2006年 2月26日改訂


2.02 2006年 3月 5日改訂


2.03 2006年 4月22日改訂



日本国憲法2.0開発部


目次

2006-02-16 00:59:00 | 目次

   前文
   第1章  憲法
   第2章  国
   第3章  国民
   第4章  公務員
   第5章  国民の義務
   第6章  国民の権利
   第7章  人身の自由
   第8章  戦争の防止
   第9章  国会
   第10章 内閣
   第11章 裁判所
   第12章 法律
   第13章 財政
   第14章 地方自治
   第15章 改正手続
   補則

前文

2006-02-16 00:58:00 | 前文

 日本国民は、お互いに助け合い楽しませ合いながら、国内外のあらゆる人々とその子孫の不幸を予防し幸福を実現していける力をもった、優しい人々でありたい。
 日本の最高法である本憲法は、日本国民がこの理想を追求するために築き上げ、自から改良した、強力な基盤システムである。
 本憲法が安心で喜びに満ちた社会の実現に役立つたびに、日本国民は心から本憲法を大切に思うであろう。

第1章 憲法

2006-02-16 00:57:00 | 第1章 憲法

第1条【憲法の目的】
 本憲法の目的は、日本の理想を追求するための優れたシステムを定め、実行を促進することである。
(2)本憲法の主眼は、国民が行うべきことを決めることより、むしろ国家および公務員が行うべきことと行うべきでないことを決めて国民を守ることにある。
(3)国民が国からされてはいけないことは、国民が他の国民からもされないように国が国民を守る。国民が国からされなければいけないことは、国民が他の国民からもされるように国が国民を仕向ける。
(4)本憲法は、特に明記していない限り、国民の私人(しじん)と私人の間の関係に直接適用されるものではない。しかし、国の立法、行政、司法が、保護される私人とその他の私人の間の人権または利害の衝突を最適に調整するとき、本憲法を適用または準用しなければならない。したがって、国民の法律順守義務および裁判等を通じて、本憲法の精神が間接的に私人と私人の間にも実現するものである。

第2条【日本の理想】
 日本の理想は、国民そして世界中の皆の幸福を実現することである。幸福の実現には、戦争、紛争、差別、犯罪、災害、貧困、病気、事故、飢餓(きが)、環境悪化、その他さまざまな不幸の解決および予防が含まれる。

第3条【憲法の理念】
 本憲法は、その目的を達するため、民主主義を貫き、最重要の理念として(イ)自由、および、(ロ)基本的人権の保障、を掲げ、これらが損なわれないよう何重にもガードした法体系を提供する。
(2)本憲法が日本国民に保障している自由と基本的人権は、長い歴史の中で世界のそして日本の民衆が何度も奪われては勝ち取るという闘争をしてきた成果である。現在と未来の日本国民は、多くの犠牲者の人々からの贈り物である本憲法の自由と基本的人権を大切に受け継ぎ、二度と奪われてしまうことのないよう、逆行を戒め、いつも真剣に守らなければならない。
(3)本憲法は、「助け合いと楽しませ合いの社会」という理念を掲げる。日本は、誰もが「ああ生きてきて面白かった、ありがとう」と生命を全うできる素晴らしい社会を目指す。

第4条【対話と協調】
 国民全員の最大の幸福は、多数決民主主義だけで簡単に達成できるものではない。多数者の意見や利益は、重視しすぎても軽視しすぎても不幸を生むものである。そこで国、国の機関および公務員は、対立する人々の合意形成および権利両立を図るため、あらゆる技術、知恵、忍耐、互譲(ごじょう)、そして理性的対話を結集して、立法、行政および司法を遂行しなくてはならない。
(2)国、国の機関および公務員は、国民と国、国民と国民、多数者(マジョリティ)と少数者(マイノリティ)、日本と外国、または日本国民と外国人および外国民の、権利の衝突を解決し予防し、それらの最大の協調を実現しなければならない。

第5条【憲法の最高法規性】
日本国民にとって、本憲法は唯一の最高法規である。
(2)日本のどのような機関も、(イ)本憲法より優先もしくは同順位の、または、(ロ)本憲法の内容に反する、憲法、法律、法規、詔勅(しょうちょく)、条約、政令、命令または規則を制定してはならず、それらは無効である。

第2章 国

2006-02-16 00:55:00 | 第2章 国

第6条【国】
 わが国は、「日本」(「にほん」または「にっぽん」)と称する。国であることを明示するときなどには「日本国」(にほんこく)と称する。英語では「Japan」と称する。
(2)日本に含む地域は、法律によって定める。

第7条【国旗、ロゴおよびロゴマーク】
 日本が正式に使用する日本の国旗、ロゴおよびロゴマークを、法律で定める。
(2)日本の国旗、ロゴおよびロゴマークは、宗教、君主(くんしゅ)、天皇、皇帝(こうてい)、皇国(こうこく)、軍隊、差別、暴力、その他本憲法の理念に反するものを含んではならない。
(3)日本の国旗、ロゴおよびロゴマークの著作権は、国にのみ属する。
(4)国旗、ロゴまたはロゴマークを掲揚、掲載、表示、引用または配布することは自由であるが、誰にも、またどのような機関にも強制できない。

第8条【国歌】
 日本が正式に使用する日本の国歌の曲および詞を、法律で定める。
(2)日本の国歌は、宗教、君主、天皇、皇帝、皇国、軍隊、差別、暴力、その他本憲法の理念に反するものを含んではならない。
(3)日本の国歌の著作権は、国にのみ属する。
(4)国歌を歌い、または演奏、編曲、放送、掲載、表示、引用または配布することは自由であるが、誰にも、またどのような機関にも強制できない。

第9条【暦】
 日本は、公用暦(こうようれき)に西暦を採用する。
(2)国民および国の機関は、過去の事物について元号(げんごう)を用いて表記することは自由であるが、強制されない。
(3)国民の祝日に、過去の国教、過去の皇室(こうしつ)および皇族(こうぞく)に関連のある名称または趣旨の祝日を設けることはできない。

第3章 国民

2006-02-16 00:54:00 | 第3章 国民

第10条【国民】
 日本の国民は日本を構成する人々であり、法律の定めにより日本の国籍に登録された人々である。
(2)日本国民の国籍をもつ要件は、法律で定める。すべての児童は、出生の後ただちに登録され、日本国籍および氏名をもつ。
(3)日本国民は、全員平等である。
(4)外国に居住する日本国民の権利は、充分尊重しなければならない。
(5)日本に居住していて日本国籍をもたない外国人およびその子孫の権利は、日本国民に準じ充分尊重しなければならない。日本に居住する外国人およびその子孫の権利と義務は、法律で定める。全児童は、国籍を取得する権利をもつ。外国人は、日本の教育課程にしたがう公立学校において、母国語により自国の文化等の教育を受けることができ、また、卒業資格において差をつけられない。義務教育制度はこのような学校にも適用される。
(6)外国人は、法律の定める条件を満たす場合、日本国籍を取得し日本国民になることができる。日本国籍の取得申請者には、国籍取得後に本憲法および本憲法の定めている法体系が適用されることが事前に説明されなければならない。
(7)日本に居住している特別永住者は、法律の定める届出によって、ただちに日本国籍を取得できる。
(8)国および国の機関は、日本国籍取得申請者を、性別、人種、民族的出身、国民的出身、居住地域、言語、歴史的被差別(ひさべつ)集団、家系、婚内子(こんないし)婚外子(こんがいし)の別、社会的出身、社会的地位、宗教、政治的意見、思想、信条、教育、財産、収入、遺伝的要素、体の特徴、病気、心身の状況、性的少数者か否か、その他不合理な理由、によって差別してはならない。
(9)国および国の機関は、日本国籍を取得した人の、姓名の表記方法の自由、居住地の自由、プライバシー権、選挙権、被選挙権、その他基本的人権を侵害してはならない。
(10)日本に居住する人であって、(イ)日本国籍と外国の国籍をもつ重国籍者(じゅうこくせきしゃ)、および、(ロ)どこの国籍ももたない無国籍者、は、本人の意思を尊重しつつ、すみやかにその異常状態を解消するか、または出国しなければならない。

第11条【国民主権】
 日本は、全国民が自己決定権に基づいて国の政治のあり方を最終的に決定し、全国民の幸福を目指して主体的に統治する、自治国家である。
(2)日本国民は日本の唯一の主権者であり、憲法の手続に従い国民の民主的合意のもとに、本憲法を主体的に制定および改正する。

第12条【三権分立】
 主権者である国民の監視下に、立法、行政および司法の三権を分立させ相互に監視しさせる。
(2)国および公務員が立法、行政および司法において法的権力を行使できることは、主権者である国民の権威により正当づけられている。


第4章 公務員

2006-02-16 00:53:30 | 第4章 公務員

第13条【公務員】
 公務員は、国民のうち国民から直接または間接に選任されて、立法、行政および司法からなる国家機能を担当する。全国民は、公務員である国民と公務員でない国民のどちらかに属する。公務員には、法律で定める特別職公務員と、官職である一般職公務員の2種類がある。(イ)内閣総理大臣、(ロ)その他の国務大臣、(ハ)国会議員その他就任について選挙によることを必要とし、あるいは国会の両院または一院の議決または同意によることを必要とする職員、および、(ニ)裁判官、も特別職公務員に含まれる。
(2)国政上のどのような代表者も、本憲法および法律に基づく選出、指名または採用によって権限を与えられた公務員である。それらの手続によらず世襲(せしゅう)または禅譲(ぜんじょう)で国政上の権限を継承するような個人、家族または家系はあってはならず、その国政行為および国事(こくじ)行為は無効である。全公務員には、有限の任期または定年がある。

第14条【公務員になる権利】
 全国民は、どのような差別または不合理な制限もなく、一般的な平等条件のもとで日本の公務にたずさわる権利がある。

第15条【公務員の義務】
 全公務員は、本憲法を熟知し、順守し、擁護(ようご)し、そして本憲法の目標を本憲法の示す方法で積極的に追求する義務を負う。
(2)国、国の機関および公務員は、業務において本憲法に反する行為を行ってはならず、その行為は法的に無効である。
(3)公務員は、全国民への公平なサービスを任務とする係であって、自己の関係者、特定業界、一部区域の有権者、男性、女性、特定民族、特定宗派(しゅうは)、特定の一族、特定の学歴者、高額所得層、健常者(けんじょうしゃ)、その他どのようなグループへの偏った奉仕者であってはならない。偏った奉仕は、公務の信託者、選挙民かつ納税(のうぜい)者である日本国民を裏切る行為として取り締まられる。
(4)公務員は、犯罪者でない国民に対して、雇用主(こようぬし)あるいは顧客に対すると同様、礼儀と誠実さをもって接しなければならない。

第16条【公務員のモラル】
 公務員の(イ)収賄(しゅうわい)、および、(ロ)賄賂(わいろ)の要求、は、厳重に禁止する。
(2)公務員が(イ)事業者または事業者団体に入札談合(にゅうさつだんごう)等を行わせること、(ロ)契約の相手方となるべき人をあらかじめ指名すること、その他特定の人を契約の相手方となるべき人として希望する旨の意向をあらかじめ教示し、または示唆すること、
(ハ)入札または契約に関する情報のうち特定の事業者または事業者団体が知ることによりこれらの人が入札談合等を行うことが容易となる情報であって秘密として管理されているものを、特定の人に対して教示し、または示唆すること、および、(ニ)入札者の談合等を明らかに知りながら入札を進めること、を厳重に禁止する。
(3)公務員が、国債、特別会計、保険積立金および年金積立金を含む国または地方公共団体の資産を、(イ)個人または団体として私的目的に支出すること、(ロ)民間の水準に比して並外れた福利厚生(ふくりこうせい)、表彰、記念品、公務員の接待、視察旅行、備品(びひん)購入または図書購入に支出すること、および、(ハ)虚偽の勤務時間、虚偽の業務出張、虚偽の雇用、虚偽の購入または虚偽の費用申請によって着服(ちゃくふく)すること、を厳重に禁止する。

第17条【天下り(あまくだり)の制限、ローテーション】
 国民には職業選択の自由があるが、公務員または元公務員は、所属歴のある部署と関係の深い(イ)特殊法人、(ロ)指定法人、(ハ)公益法人、(ニ)身分が国家公務員でない独立行政法人、(ホ)国家公務員共済組合、および、(ヘ)その他法律の定める企業、には、退職後20年間、天下り(あまくだり)をすることはできない。公務員にこの制限の補償(ほしょう)は与えられない。
(2)前項の条件以外での天下りは、退職後2年間行うことができない。公務員にこの制限の補償は与えられない。
(3)天下りを行おうとする人は、氏名、企業名、企業所在地、その他法律に定める項目を国に届けなければならず、国はその天下りに関する情報すべてを政府ウェブサイト(Web site)および関連部署のウェブサイトで公開しなければならない。
(4)天下りした人が(イ)公務員に便宜を依頼すること、(ロ)贈賄(ぞうわい)すること、または、(ハ)談合のための情報を公務員から得ること、は厳重に罰し、以後その企業への公務員の天下りを20年間禁止する。
(5)天下りした人に対して、その企業が、その人の勤務実態、生涯賃金および民間の相場に比べて著しく高額な給与、賞与(しょうよ)、報酬(ほうしゅう)、退職金、ストックオプションまたは年金を与えることを禁止する。
(6)天下りを過去に受け入れた企業は、直接にも間接にも政治献金をすることはできない。
(7)中央官庁で同一省庁に8年間以上勤務した公務員は、法律の定めにより、それから4年以内に、所属したことのない省庁に異動(いどう)させなければならない。

第5章 国民の義務

2006-02-16 00:53:00 | 第5章 国民の義務

第18条【投票の義務と権利】
 全国民は、本憲法に定めれられた、(イ)選挙、および、(ロ)国民投票、での投票の義務を負い権利をもつ。
(2)国は、投票を容易にする義務を負う。

第19条【納税の義務と権利、国の公平課税義務】
 全国民は、法律の定めにより、納税する義務を負う。全国民は、公平で明朗な税制度の元で納税する権利がある。
(2)国および地方公共団体は、税制度を作り執行する上で、富の偏在(へんざい)を防ぎ、公平かつ明朗で、かつ国民の生存権を侵さないものでなければならない公平課税義務を負う。
(3)国が保障すべき納税者および納税者代理人の権利を、納税者権利憲章(けんしょう)として法律で制定する。

第20条【助け合いと楽しませ合いの義務と権利、扶養(ふよう)権】
 全国民は、助け合い楽しませ合う義務を負い権利をもつ。日本国民は、「自分さえよければよい」ではなく人への尊敬と思いやりと感謝をもって誠実に助け合う、良き伝統を守りたい。国はこの伝統を守るためにバックアップする。
(2)全国民は、助け合い楽しませ合うために価値を提供し対価を受け取る労働の権利をもつ。日本国民は、独創と改善に努め人のために勤勉にはたらくという、良き伝統を守りたい。国はこの伝統を守るためにバックアップする。
(3)国は、密接な助け合いと楽しませ合いが特に必要とされる社会単位である家族を、平等にかつ最大限、保護し援助しなければならない。
(4)全国民は、直系血族(けつぞく)および兄弟姉妹を扶養する権利をもつ。国は、扶養、養育または教育の過大な負担が国民の生活を壊すことのないよう最大限保護しなければならない。全国民は、扶養に関わる理由により解雇されることはない。
(5)国は、現に身体、身寄り、住居、および職業等に恵まれない境遇の国民に対しても、(イ)生命の維持、および、(ロ)衣食住が確保でき心身とも健康で文化的な最低限度以上の生活、を保障するための緊急の施策を行わなければならない。
(6)国は、国民が労働して助け合えるよう、また、労働する意欲をもてるよう、(イ)産業振興、(ロ)新産業創出、(ハ)雇用創出、(ニ)就業教育、(ホ)失業対策、(ヘ)無償の就職紹介サービス提供、(ト)不当解雇からの保護、および、(チ)社会保険その他の社会保障制度整備、の義務を負う。
(7)国の行う事業は、不当な競争条件により民業(みんぎょう)を圧迫するものであってはならない。
(8)助け合いと楽しませ合いの精神は、国際的関係でも、公平かつ健全に発揮しなければならない。


第6章 国民の権利 その1

2006-02-16 00:52:00 | 第6章 国民の権利

第21条【自由、基本的人権】
 全国民は永久に自由である。
(2)全国民は、基本的人権をすべてもち、誰にも奪われないことを、永久に保障される。基本的人権は、憲法が国民に与える必要があるものではなく、人間の固有の尊厳に基づき、人間である以上誰でも当然もっている権利である。基本的人権は、(イ)本憲法が特に明文規定している基本権、および、(ロ)本憲法が明文規定していないが存在する自然の人権、を含む。
(3)自由と基本的人権は、他の人権とどう努力しても両立不可能にならないかぎり、立法、行政、および司法で、最大限実現しなければならない。
(4)国民の自由と基本的人権の享受への制限は、(イ)その制限がその人権の本来的性質と両立している、かつ、(ロ)その制限が民主的社会で人権が衝突するときの利害の調節を目的とている、場合に限り、法律で定めて行うことができる。
(5)日本に居住する全外国人の自由および基本的人権は、それぞれの人権の本来的性質にしたがって最大限保障される。合法的に日本に居住する全外国人は、国内の合法的な移動、居住、労働の権利をもち、日本から離れる自由を有する。外国人の入国または再入国の要件は法律で定める。日本に居住する全外国人は、納税の義務を負う。
(6)(イ)未成年者その他制限行為能力者(すなわち、単独では完全に有効な法律行為ができない人)、(ロ)収監されている人、および、(ハ)法人、の自由および基本的人権は、それぞれの人権の本来的性質にしたがって保障される。

第22条【幸福追求権、自己決定権】
 全国民に、人間である以上誰でも当然もっている権利であって、自分の幸福を追求しあるいは自分の生き方を決定するさまざまな自由および権利、および、他人の幸福を増進するさまざまな自由および権利を保障する。これらの自由および権利のうち、人間の心身健康な生存に不可欠である自由および権利は、特に強力に保障する。
(2)国は、日本社会の希望と失意のバロメータとして、自殺者数、失業率、病死者数、要介護者(ようかいごしゃ)数、犯罪者数、犯罪被害者数、事故死者数、被災者数、企業倒産数、その他統計量を毎年算出し公表して、これらが改善するよう、日本社会に希望をもたらす政策を計画的、定量的に立案し、実行、評価、改善を繰り返していかなければならない。

第23条【生存権、健康権、受療権、リハビリテーション権(療養権)】
 全国民は、生命を維持し、自分と家族のための衣食住(いしょくじゅう)の確保と改善をして、文化的な最低限度以上の生活を営む権利をもつ。
(2)全国民は、生命を維持し、到達可能な最高水準の身体および精神の健康を享受する権利をもつ。
(3)全国民は、誰からも健康を害されない権利をもつ。
(4)全国民は、安全で人に優しい、(イ)疾病(しっぺい)予防、(ロ)疾病治療、(ハ)看護、および、(ニ)リハビリテーション、を適正に受ける権利をもつ。
(5)国は、年齢、職業にかかわらず、(イ)保護が必要な生活環境または健康状況にありながら保護を受けられていない国民、および、(ロ)人権を侵害されている国民、に対して、救済(きゅうさい)と保護をすみやかに実行し再発防止をしなければならない。
(6)国は、生活のすべての面で、また、あらゆる年齢層の男女に対して、社会福祉、社会保障、環境衛生向上、産業衛生向上、疾病予防、疾病治療、リハビリテーション、疾病抑圧、医療向上、健康増進、ストレス対策、苦痛除去技術向上、経済力向上、および環境改善の活動をしなければならない。
(7)全国民は、飢餓から逃れる権利がある。
(8)国は、国際協力も合わせ、世界の食糧供給バランスも図りつつ、食糧の生産、保存および分配の方法を改善しなければならない。

第24条【平等権、差別禁止】
 全国民は、法の前に平等であり、性別、人種、民族的出身、国民的出身、居住地域、言語、歴史的被差別集団、家系、婚内子婚外子の別、社会的出身、社会的地位、宗教、政治的意見、思想、信条、教育、財産、収入、遺伝的要素、体の特徴、病気、心身の状況、性的少数者か否か、その他不合理な理由、によって誰からも差別も虐待(ぎゃくたい)もされない権利をもつ。
(2)公権力(こうけんりょく)によっても私人の間においても、差別および虐待はあってはならず、差別および虐待の防止のため、十分な法律を定める。
(3)男女は平等であり、(イ)求人、(ロ)就職、(ハ)公務員への就任、(ニ)同一価値の労働に対する賃金および昇進、(ホ)退職制度、ならびに、(ヘ)公的年金制度、においても差があってはならない。セクシャルハラスメント(性的嫌がらせ)および家庭内暴力はなくさなければならない。本規定は、比率の少ない性別に対する特別な措置の保持または導入を妨げない。
(4)高年齢者について、同一価値の労働に対する賃金および昇進に差があってはならず、実際の退職年齢と公的年金の受給開始年齢のギャップは小さくなければならない。
(5)従来差別された地区および地域の人々を含む、日本社会におけるすべての少数者集団を、差別から完全に解放しなければならない。集団のもつどのような文化、言語、方言、宗教も制限されない。
(6)国、国の機関および公務員は、(イ)差別の原因となる貧困の解消を図り、(ロ)差別の原因、解決方法および予防方法に関する正しい知識を普及し、(ハ)住宅、教育、就業教育、就職、賃金、昇進、配置転換、結婚、犯罪捜査、言論、その他あらゆる場面における意識的差別および無意識的差別による人権侵害を、徹底的に解決し予防しなければならない。

第25条【階級・特権の否定】
 被差別階級または奴隷(どれい)は、名目上でも実質上でも存在してはならず、その制度は無効である。
(2)(イ)王族(おうぞく)、(ロ)天皇および皇族(こうぞく)、(ハ)華族(かぞく)、(ニ)貴族(きぞく)、ならびに、(ホ)その他特権階級もしくは国民象徴機関、は、名目上でも実質上でも存在してはならず、その制度は無効である。
(3)前項のいずれかに属していた人は、他の国民と平等であって、自由ですべての基本的人権をもち、特権、特別待遇、補償金、特別な減税または特別な年金等が与えられることはなく、差別されることもない。
(4)国内外からのどのような栄誉(えいよ)、勲章(くんしょう)の授賞(じゅしょう)にも、またはどのような選別にも、特権を伴ってはならない。
(5)国内外からのどのような栄誉、勲章の授賞も、受賞者本人の寿命を越えて、子孫または一族に継承させることはできない。

第26条【居住権、通行権】
 全国民に、居住、住居移転および国内の通行の自由を保障する。
(2)全国民に、(イ)外国に移動、(ロ)外国に移住、および、(ハ)外国から帰国、をする自由を保障する。
(3)全国民は、国外追放されることはない。
(4)全国民は、(イ)死刑執行の可能性の高い国、または、(ロ)拷問その他非人道的取扱いもしくは刑罰を受ける可能性のある国、へ引き渡されることはない。
(5)全国民に、無国籍もしくは重国籍にならない限りにおいて、日本国籍を自ら離脱する自由を保障する。
(6)全外国人に、日本の法に違反しない限り、出国する自由を保障する。

第27条【環境権、日照権、静穏権、景観権、眺望権、清浄権、環境保全義務、災害対策義務、衣食住の安全】
 全国民は、災害被害が少なく、かつ健康で安全な生活を営める環境に生きる権利をもつ。
(2)国民は、住環境における、(イ)安全性、(ロ)日照、(ハ)静穏(せいおん)、(ニ)景観、(ホ)眺望、ならびに、(ヘ)空気および水の清浄性、について、個別の事情および他の国民の人権を斟酌した上で一定以上の質を保つ権利がある。
(3)国は、法律の定めにより、(イ)住環境、労働環境、地域環境、地球環境、および歴史遺産を悪化から守り、また、(ロ)国民が心身とも健康に生活できる環境を保全する、義務を負う。
(4)国は、(イ)過去の災害の原因と対応を分析し、(ロ)将来の災害に備えて対策を研究し準備を積み重ねる、義務を負う。
(5)国は、国際社会と連携して、「現代の世代が、将来の世代の利益や欲求を充足する能力を損なわない範囲内で環境を利用し、欲求を満たしていく」という「持続可能な開発(サステイナブルディベロップメント)」を追求し実現しなければならない。
(6)国は、国際社会と連携して、地球温暖化対策を精力的に進めなければならない。
(7)国は、環境対策として、(イ)地球環境を悪化させる物質、人体に有害な物質および排熱の排出量削減、ならびに、(ロ)大気からの原因物質の固定化、を推進しなければならない。
(8)国は、消費者を保護し、特に、衣食住、医療、交通および取引の安全を確保し、把握した問題はすぐに公開して迅速に対応しなければならない。

第28条【財産権】
 日本の経済の基本は自由主義である。全国民に、合法的に取得した財産の(イ)所有、(ロ)使用、(ハ)行使、および、(ニ)遺産としての相続、を保障する。財産権には知的財産権(ちてきざいさんけん)を含む。財産権および所有権は誰も侵してはならない。財産権および所有権の内容は、他の人権と調和するように法律で定める。
(2)国および国の機関は、貧困者の生存権を守り、貧困から脱却できる施策を講じ、また、貧困者が増えないための施策を実施しなくてはならない。
(3)国および国の機関は、高額所得層があまりにも財を独占して階級的格差を生じさせ、または貧困者が貧困から脱却するのを困難にしないよう、国政において、格差係数を監視しつつ再配分を図らなくてはならない。
(4)私有財産は、法律が慎重に定めるところにより、正当な補償のもとに、他の人権と調和させるために用いることができる。

第29条【結婚権】
 全国民は、二者の合意だけに基づいて結婚する権利をもつ。両者は平等であり同等の権利をもつ。
(2)(イ)配偶者の選択、(ロ)住居の選定、(ハ)姓の選択、(ニ)財産権、(ホ)相続、(ヘ)離婚、ならびに、(ト)その他結婚および家族に関する事項、に関して、法律は、個人の尊厳と男女平等、その他国民の平等に立脚して、制定しなければならない。
(3)思想、信仰にかかわらず、重婚(じゅうこん)を禁止する。
(4)離婚における児童に必要な保護は、法律の定めによりとられなければならない。
(5)全国民は、本人の結婚に関わる理由により解雇されることはない。

第30条【出産権】
 全国民は、子を出産し、子孫を繁栄させる権利をもつ。母性(ぼせい)は保護されなければらない。産前産後の合理的な期間は、母親を特別に保護する。産前産後の合理的な期間に、働いている母親には、有給休暇または相当な社会保障給付を伴う休暇を与える。全国民は、子の出産に関わる理由により解雇されることはない。
(2)国は、国民が子を産みやすい環境を保障し、子孫が幸福に生きられる希望に満ちた未来を、計画的に実現しなければならない。

第31条【人格権】
 全国民は、人間として不可侵(ふかしん)の尊厳として人格権が保障される。全国民に、尊厳を侵さず処遇され保護される権利を保障する。

第32条【心身不可侵権】
 全国民に、誰からも、(イ)正当な治療または研究の範囲を逸脱(いつだつ)し、(ロ)同意なく、(ハ)知らされることなく、または、(ニ)目的を偽って、身体、体内組織もしくは精神に関する侵害または実験、たとえば、(イ)加工、(ロ)変形、(ハ)装飾、(ニ)埋め込み、(ホ)コントロール、(ヘ)サブリミナル(subliminal)効果、(ト)モニター、(チ)位置追跡、(リ)催眠、(ヌ)マインドコントロール、(ル)鎮静(ちんせい)、(ヲ)抑制、(ワ)毒物、薬物にかかわらない物質もしくは生物の投与、(カ)細菌もしくはウイルスの感染、(ヨ)放射線照射、または、(タ)異物接着、をされないことを保障する。
(2)ヒトを人工的に作り出すこと、およびヒトを人工的に改変することは、法律の定めにより、慎重に規制する。

第33条【名誉権】
 全国民および国民の団体は、誰からも、(イ)真実でない誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)、(ロ)公益目的性は高いが事実と異なる事項、(ハ)公益目的性が低い事項、および、(ニ)差別的情報、のいずれによっても、公然と情報を提示され、もって社会的名誉、評価または信用を攻撃されることのない権利をもつ。

第34条【プライバシー権、通信の自由】
 全国民は、個人の私生活、持ち物、行動内容、居場所、家族生活、住居、通信および表現に関するプライバシーを誰からも侵されない権利をもつ。
(2)全国民に、誰からも、(イ)郵便、(ロ)信書運送、(ハ)電子メール、(ニ)電子文書アクセス、(ホ)チャット、(ヘ)メッセンジャー、(ト)掲示板アクセス、(チ)ウェブアクセス、および、(リ)ログイン、を含むどんな手段の通信であっても、次の各号のいずれを誰からもされない権利を保障する。
  1 通信者、通信相手、通信題名、通信内容、通信場所、通信時刻、通信理由等通信の秘密を侵すこと
  2 通信の改竄(かいざん)
  3 通信当事者でない人が通信当事者になりすますこと
  4 傍受(ぼうじゅ)
  5 暗号化されている情報の通信当事者以外による不正な復号化(ふくごうか)
  6 通信の検閲(けんえつ)(すなわち、公の機関が、国民の表現行為について、不適当と認めるときには発表を禁止することを目的にして、発表の前後に内容を調査すること)
ただし、企業または公企業が業務目的で企業構成員に与えた、(イ)フォーム、(ロ)識別子もしくはアカウント、(ハ)通信機器、または、(ニ)処理装置、を用いて構成者が行う通信を、その企業または公企業ががあらかじめその企業構成員の合意を得たうえ復号化、関知または制限することはできるが、検閲、改竄およびなりすましは禁止する。
(3)通信の自由に関して犯罪捜査または防止のため国が行う制限について、法律で定める条件は、人権を害することのないよう特に慎重、最小限かつ透明でなければならない。ただし、検閲、改竄およびなりすましは禁止する。
(4)肖像(しょうぞう)、容貌(ようぼう)、本籍地、家族情報、遺伝情報、疾病(しっぺい)情報、行動情報、生年月日、年齢、連絡方法、その他秘匿性(ひとくせい)の強い個人情報は、不当に保有、利用、流用、捏造(ねつぞう)または漏洩(ろうえい)してはならない。これらの情報は、信義と誠実に基づく明白な目的もしくは当事者の合意または他の法的に定められた正当な根拠に従って用いられる。
(5)公知(こうち)の情報または公益目的性の高い事実に関して、言論、出版、報道および電磁的手段による情報発信、その他一切の表現に保障されている自由を侵さない範囲で、肖像権、すなわち、(イ)肖像、容貌(ようぼう)および姿態の人格権、および、(ロ)肖像、容貌(ようぼう)および姿態の財産権、を保障する。
(6)個人情報がすでに広く漏洩したことをもってその個人情報が公知であるとは考えない。
(7)十分な公益性のある報道のために情報を提供した人のプライバシー権および情報ソース秘匿権は、他の人権との衡平を失わない限度で最大限守られる。
(8)十分な公益性のある報道のために情報を提供した公務員は、プライバシー権および情報ソース秘匿権のもとで、公務における情報秘匿義務は十分小さいものと見なされる。

第35条【犯罪被害者およびその家族の人権】
 犯罪被害者および犯罪被害者の家族は、誰からも、(イ)誹謗中傷、(ロ)根拠のない憶測(おくそく)、(ハ)脅迫(きょうはく)、(ニ)分量または方法が過度な取材、または、(ホ)その他、による、(イ)自由、ならびに、(ロ)プライバシー権、名誉権、静穏権、その他基本的人権、を侵害されないことを保障する。
(2)犯罪被害者および犯罪被害者の家族が被告人について知る権利を尊重する。犯罪被害者および犯罪被害者の家族は、法律の定めにより、(イ)被告人に書面で質問し回答を受領すること、(ロ)裁判の傍聴すること、(ハ)少年審判の模様の記録を閲覧すること、(ニ)釈放(しゃくほう)、死刑執行命令、死刑執行、その他被告人に関する異動の連絡を受けること、ができる。
(3)犯罪の被害者および犯罪被害者の家族が被った損害は、容易な手続で加害者に賠償(ばいしょう)を請求できる。裁判により被告人がこの賠償を行うべきと判決されれば、その賠償金には、(イ)被告人の財産、(ロ)被告人から納付される、または納付された、その事件の罰金、科料(かりょう)、その被告の保釈料(ほしゃくりょう)、そして、(ハ)被告が将来働いて返すべき債権(さいけん)、をこの順位で充当して救済する。
(4)犯罪被害者および犯罪被害者の家族は、法律の定めのある場合、犯罪予防責任のある国または地方公共団体に、被害のうち責任分の補償金もしくは見舞金のいずれか、またはその両方を求めることができる。きわめて重大な業務上過失(ぎょうむじょうかしつ)による被害はこれに準じる。

第6章 国民の権利 その2

2006-02-16 00:51:50 | 第6章 国民の権利

第36条【思想、信条の自由】
 全国民に、(イ)どのような思想、信条および政治的意見をもって表明してもよい自由、および、(ロ)思想、信条または政治的意見を変更してよい自由、を保障する。この自由に対しては、法律で定める制限であって(イ)国の安全のため、(ロ)公の秩序のため、または、(ハ)他の人の人権および自由の保護のため、民主的社会において必要なもの以外には、どのような制限も課すことはできない。
(2)全国民は、干渉されることなく意見を持つ権利をもつ。

第37条【信教の自由と政教分離】
 全国民および団体に、(イ)どのような宗教を信じてもよい自由、(ロ)そのような信仰を告白してもよい自由、(ハ)どのような宗教の布教活動をしてもよい自由、および、(ニ)信じる宗教を変更する自由、を保障する。
(2)父母および法定保護者は、自己の信念に従って、児童の宗教的および道徳的教育を確保する自由をもつ。
(3)全国民は、宗教上の(イ)行事、(ロ)祝典、(ハ)儀式、または、(ニ)その他の宗教行為、に参加することを誰からも強制されない。
(4)(イ)国、(ロ)国の機関、(ハ)地方公共団体、および、(ニ)地方公共団体の機関は、宗教教育、その他どのような宗教的活動もしてはならない。
(5)国教を決めてはならない。
(6)国葬または国の追悼行事に、宗教色を与えてはならない。
(7)宗教団体が、(イ)国から特権を受けること、(ロ)政治上の権力を行使すること、(ハ)組織的に特定の代議員、政党もしくは派への投票を推奨すること、(ニ)特定の代議員、政党もしくは派に金銭を払うこと、および、(ホ)特定の代議員、政党もしくは派から収入を得ること、を禁止する。
(8)(イ)内閣総理大臣およびその他の国務大臣、(ロ)国会議員、(ハ)地方公共団第の首長(しゅちょう)、または、(ニ)儀礼官、が、(イ)宗教施設で、または、(ロ)宗教団体もしくは宗教者に係る催しで、(イ)婚礼または披露宴(ひろうえん)の参加、(ロ)死去2か月以内の葬儀出席、(ハ)5親等以内の家族親戚の葬儀その他法事への出席、および、(ニ)子または孫の学校の宗教行事への出席、を除き、(イ)参拝、(ロ)宗教的祭事(さいじ)、(ハ)旧皇室の祭事、または、(ニ)慰霊(いれい)、を行うことは、公私によらず禁止する。

第38条【情報発信権、表現権、反論権】
 全国民に、言論、出版、報道、放送、芸術、電磁的(でんじてき)手段による情報発信、その他一切の表現および反論の自由を保障する。煽動罪(せんどうざい)は設けない。この自由の行使に対しては、法律で定める制限であって(イ)国の安全のため、(ロ)公の秩序のため、(ハ)公衆の健康のため、(ニ)公衆の道徳の保護のため、(ホ)他の人の権利信用の尊重、または、(ヘ)他の人の人権および自由の保護のため、民主的社会において必要なもの以外には、どのような制限も課すことはできない。
(2)言論、出版、報道、放送、芸術、電磁的手段による情報発信、その他一切の表現の事前の抑制は、禁止する。ただし、(イ)司法による判決および仮処分、ならびに、(ロ)人権救済局による措置、による個別の差し止めは該当しない。
(3)全国民は、(イ)口頭、(ロ)手書き、(ハ)印刷、(ニ)芸術の形態、または、(ホ)自ら選択する他の方法、により、国境とのかかわりなく、あらゆる種類の情報および考えを求め、受けおよび伝える自由をもつ。
(4)戦争に導くためのどのような宣伝も、法律で禁止する。
(5)差別、敵意または暴力に導く、国民的憎悪、人種的憎悪または宗教的憎悪を主張する運動は、法律で禁止する。

第39条【憲法議論権】
 全公務員を含む全国民に、いつでも憲法について意見を発表し議論し報道する権利を保障する。ただし、公務員の憲法順守義務を免除するものではない。

第40条【集会、結社(けっしゃ)、結党(けっとう)の自由】
 全国民に、集会、結社、および結党の自由を保障する。この自由の行使に対しては、法律で定める制限であって(イ)国の安全のため、(ロ)公の秩序のため、(ハ)公衆の健康のため、(ニ)公衆の道徳の保護のため、(ホ)他の人の権利信用の尊重、または、(ヘ)他の人の人権および自由の保護のため、民主的社会において必要なもの以外には、どのような制限も課すことはできない。

第41条【知る権利、知らせる義務】
 国政の最終決定権をもっているのは国民であって、全国民は、国内外の政治状況、経済状況、社会状況、言論、文化、歴史および学術情報を、誰からも統制されることなく正確にかつタイムリーに知る権利をもつ。
(2)全国民は、国および地方公共団体がその国民自分に関してもっている情報を、(イ)作成時に求めにより開示させること、(ロ)求めにより開示させること、(ハ)誤りを訂正させること、および、(ニ)不当に保有または利用された情報を削除させそれによる被害を補償させること、ができる。
(3)全国民は、国および地方公共団体の行う行政、立法、司法に関する情報を正確にかつタイムリーに知る権利をもつ。この権利に基づき、国、地方公共団体および公務員は、法律の定めにより、(イ)行政、立法、司法に係る情報、ならびに、(ロ)維持、収集または管理する情報の属性および内容、について、プライバシー権または国家機密を損なう等重要な支障をきたす範囲に属すると証明できない限り、ただちにまたは法定の一定期間経過後、求めに応じまたは自主的に、情報開示する義務を負う。
(4)国は、人権を守るために法律の定めにより行っている、(イ)プライバシー権、(ロ)財産権、(ハ)所有権、(ニ)居住、(ホ)国内の通行、(ヘ)報道の自由、(ト)その他基本的人権または自由、の制限について、その(イ)範囲、(ロ)方法、(ハ)状況、および、(ニ)理由、を、国民に知らせる義務を負う。
(5)内閣総理大臣およびその他の国務大臣、内閣官房長官、最高裁判所長官ならびに会計検査院長は、国の運営に関する情報を正確、詳細かつ即時に知る権利をもつ。この権利に基づき、国、地方公共団体および公務員は、(イ)業務活動に係る情報、ならびに、(ロ)維持、収集または管理する情報の属性および内容について、ただちに求めに応じまたは自主的に、情報開示する義務を負う。
(6)内閣総理大臣、機密費(きみつひ)の予算をもつ省庁の国務大臣、内閣官房長官、最高裁判所長官および会計検査院長は、行政機関に予算が与えられ国益のためにその使途を詳細には開示しない機密費について、証憑(しょうひょう)を含むすべての経理データをいくらでも詳細に、かつ遅滞(ちたい)なく知り検査する権利をもち、発見した問題を解決する義務を負い、また機密費の適法かつ適正な使用および予算に関して国民に対して責任を負う。

第42条【学問と創作活動の自由】
 全国民に、学問、科学研究および創作活動について、学び、研究し、発表し、討論し、そして教える自由を保障する。
(2)全国民は、科学の進歩および科学の利用で利益を享受する権利をもつ。
(3)全国民は、自己の科学的、文学的または芸術的作品により生じる、精神的および物質的利益が保護されることを享受する権利をもつ。
(4)国は、科学および文化の保存、発展および普及を図る。

第43条【教育権】
 全国民は、発育段階および適性に応じて、家庭と学校と社会で教育または躾け(しつけ)を受け勉強する権利をもつ。
(2)全国民は、自分の子を(イ)保護し、(ロ)育て、(ハ)家庭教育を行い、(ニ)守り、そして、(ホ)学校教育を受けさせる、権利をもつ。家庭と学校と社会は協力して、子供達の安全で健全な環境を守り、子供達に知恵と力と希望を授け、立派な人間に育てる権利をもつ。
(3)国は、全国民に教育を行う義務を負う。国は初等教育を行う義務がある。公立および私立の学校における義務教育では、少なくとも授業、教科書および給食を必ず無償とする。
(4)国民は公立学校または私立学校を自由に選択する自由をもつ。国民は私立学校を設置する自由をもつ。
(5)国および国民は協力して青少年を健全な環境に置いて、(イ)健全な心身、(ロ)人格、および、(ハ)人格の尊厳についての十分な意識、を備えるよう育てなければならない。
(6)本憲法の理念は、発育段階に応じて、教育で伝えられなければならない。
(7)教育内容は基本的に、本憲法の理念に合致していなければならない。非民主的主義的教育、暴力肯定教育、犯罪方法の教育、人権侵害肯定教育、軍国(ぐんこく)主義教育、過度に民族主義的な教育、過度に宗教的な教育、他国の敵意を煽(あお)る教育、過去の勅語を用いる教育、神話を歴史的事実と教える教育、体罰を伴う教育、思想・信条・政治的意見の自由を侵害する教育、その他、本憲法に反する教育をしてはならない。
(8)一般教育の教科書について、国は原稿の査読(さどく)を行い誤りを指摘することができる。しかし、査読結果によって教科書の著作および出版、ならびに学校による教科書選択の自由を侵すことはできない。

第44条【職業選択等の自由、営業の自由】
 全国民に、(イ)職業選択の自由、ならびに、(ロ)起業、営業および廃業の自由、を保障する。

第45条【労働権】
 全国民は、公正で、健康で、安全で、かつ尊厳ある労働条件を享受する権利をもつ。
(2)国は、労働者を過酷な労働から明確に保護するため、(イ)賃金、(ロ)就業時間、(ハ)休憩、(ニ)定期的な有給休暇(ゆうきゅうきゅうか)、(ホ)安全かつ健康的な作業条件、および、(ホ)その他の労働条件、に関する基準を法律で定める。
(3)本条は、日本に居住する外国人にも保障される。

第46条【搾取(さくしゅ)の禁止】
 児童、幼児、女性(男性)、高齢者、患者、障害者、外国人等、あらゆる人からの、(イ)性的搾取、(ロ)強制労働、(ハ)人身売買、(ニ)強制奉仕、(ホ)奴隷化、(ヘ)臓器摘出、および、(ホ)その他、の、(イ)経済的搾取、または、(ロ)社会的搾取、は、誰によるものもあってはならない。特に、児童および幼児の商業的性的搾取は、絶対にあってはならない。
(2)18歳未満の児童等を、(イ)精神もしくは健康に有害な、またはそれらの正常な発育を妨げるおそれのある労働、または、(ロ)生命に危険がある労働、に使うことは、処罰する法律を定めて厳重に禁止する。
(3)一定の年齢に達しない児童に賃金を支払って使用することは、処罰する法律を定めて厳重に禁止する。

第47条【団結権】
 労働者の団結する権利を保障する。労働者が団体交渉、適切な段階における労働協約交渉、ストライキ(同盟罷業(どうめいひぎょう))、その他団体行動をする権利を保障する。
(2)全国民は、労働組合を結成する権利をもつ。全国民は、その労働組合の規則にのみ従うことを条件として、自分の意思で選択する労働組合に加入する権利をもつ。労働組合は自由に活動する権利をもつ。これら3権利の行使に対しては、法律で定める制限であって(イ)国の安全のため、(ロ)公の秩序のため、または、(ハ)他の人の人権および自由の保護のため、民主的社会において必要なもの以外には、どのような制限も課すことはできない。
(3)前条の規定は、公務員によるこれらの権利の行使について妥当かつ合法的な制限を課することを妨げない。
(4)全労働組合は、国内の連合または総連合を設立し、またはこれに加入する権利をもつ。これらの連合または総連合は、国際的な労働組合団体を結成し、またはこれに加入する権利をもつ。
(5)労働組合の構成員の切り崩しを計ること、および、労働組合員を差別的に取り扱うことを禁止する。

第48条【選挙権、国民投票権、参政権】
 公務員を直接または間接に選び、また、罷免(ひめん)することは、国民の不可侵の権利である。
(2)公務員の直接選挙および国民投票について、満18歳以上の男女の日本国民全員、および18年間以上日本に居住している男女の外国人全員に、選挙権、投票権をそれぞれ保障する。
(3)国民のもつ選挙権に関して、性別、人種、民族的出身、国民的出身、居住地域、言語、歴史的被差別集団、家系、婚内子婚外子の別、社会的出身、社会的地位、宗教、政治的意見、思想、信条、教育、財産、収入、遺伝的要素、体の特徴、病気、心身の状況、性的少数者か否か、その他不合理な理由、によって差別してはならない。
(4)全国民に、公務員の直接選挙および国民投票において、「該当(がいとう)なし」、と表明する権利を保障する。
(5)選挙および国民投票での投票の秘密は、侵してはならない。投票の統計の詳細度は、投票の秘密を侵さない程度に粗いことを必要とする。
(6)選挙管理委員会は、投票結果をすみやかに公表する。その際、「該当なし」の統計も公表しなければならない。
(7)投票者は、投票で行った選択に関して、公的にも私的にも、誰からも責任を問われることはない。

第49条【被選挙権、参政権】
 衆議院議員には、法律の定めにより、満23歳以上の男女の日本国民、および23年間以上日本に居住している男女の外国人が立候補できる。国会議員であった人は、初当選から50年を経過していない人だけが立候補できる。
(2)参議院議員には、法律の定めにより、満30歳以上の男女の日本国民、および30年間以上日本に居住している男女の外国人が立候補できる。国会議員であった人は、初当選から50年を経過していない人だけが立候補できる。
(3)国民のもつ被選挙権に関して、性別、人種、民族的出身、国民的出身、居住地域、言語、歴史的被差別集団、家系、婚内子婚外子の別、社会的出身、社会的地位、宗教、政治的意見、思想、信条、教育、財産、収入、遺伝的要素、体の特徴、病気、心身の状況、性的少数者か否か、その他不合理な理由、によって差別してはならない。

第50条【要望権、請願(せいがん)権】
 全国民は、(イ)法律、政令、命令もしくは規則の、制定、廃止もしくは改正、(ロ)国家もしくは公務員の不法行為の停止、(ハ)公務員の罷免、または、(ニ)その他の問題、に関し、議院または地方議会に平和的に要望する権利をもつ。
(2)全国民は、そのような要望を発しまたは支持したからといって、どのような不利を被ることも、誰から差別待遇を受けることもない。
(3)要望には署名を添付することができる。
(4)要望を受けた議院もしくは地方議会は、署名の量と質を考慮してすみやかにかつ誠実に審議し、採択した要望は実現の手続をする。

第51条【人権救済局】
 差別または虐待の被害者は、被害者の社会的立場、子供あるいは高齢者であるなどその年齢、加害者との社会的関係、加害者との力関係、公権力を相手とする力関係、証拠収集負担、手続の負担、被害者意識の薄さ等の弱点等が原因となって被害の届出あるいは裁判が困難な傾向になるので、最大限救済されなければならない。
(2)国は、法務担当省、警察、および出入国管理当局から独立し公権力の干渉を受けない人権救済局を各地に設置し、国費で運営する。人権救済局は人権侵害の申立てを受け、独立捜査権をもち、(イ)知識の普及、(ロ)相談、(ハ)調査、(ニ)保護、(ホ)裁判・申請等諸手続の援助、(ト)弁護人の援助、(チ)通訳、および、(リ)救済効果確認、を行う。

第52条【個人通報制度(こじんつうほうせいど)】
 全国民は、生命、身体または精神の自由などの人権を侵害され、国内で救済される見込みのない個人は、直接、国際機関に人権侵害の救済を求めることができる。人権救済局は、国際的な個人通報を行う人を支援する。

第7章 人身の自由

2006-02-16 00:51:00 | 第7章 人身の自由

第53条【住居侵入、捜索および押収の要件】
 全国民は、その住居、作業場について、前条の場合を除いては、(イ)権限をもつ裁判所が正当な理由に基いて発し、かつ、(ロ)捜索する場所を明示する、捜索令状(そうさくれいじょう)が呈示されなければ、侵入または捜索を受けない自由を保障する。
(2)全国民は、その書類、著作物、電磁的記録物および所持品について、前条の場合を除いては、(イ)権限をもつ裁判所が正当な理由に基づいて発し、かつ、(ロ)押収する物を明示する、押収令状(おうしゅうれいじょう)がなければ、押収を受けない自由を保障する。

第54条【逮捕の要件】
 全国民は、現行犯として逮捕される場合を除いては、(イ)権限をもつ裁判所が発し、かつ、(ロ)理由となっている犯罪を明示する、逮捕令状(たいほれいじょう)が呈示されなければ、逮捕されない自由を保障する。
(2)全国民は、逮捕しようとする公務員に傷害罪に該当する程度に至らない抵抗をしたことによる公務執行妨害を唯一の理由に現行犯逮捕されることはない自由を保障する。

第55条【抑留および拘禁の要件】
 全国民は、(イ)逮捕の理由をその場で直ちに告げられない場合、(ロ)被疑事実を速やかに告げられない場合、(ハ)直ちに弁護人に弁護を依頼する権利を与えられない場合、(ニ)正当な理由がない場合、または、(ホ)契約上の義務を履行することができないことのみを理由の場合、は抑留(よくりゅう)(すなわち、逮捕に引き続く短期的身柄拘束)または拘禁(こうきん)(すなわち、逮捕に引き続く長期的身柄拘束)をされない自由を保障する。
(2)抑留もしくは拘禁された人またはその弁護人が求めれば、直ちに本人およびその弁護人の出席する公開の法廷で、その抑留または拘禁の理由が示されなければならない。

第56条【拷問、体罰等の禁止】
 全国民に、誰からも、どのような(イ)奴隷的拘束、(ロ)拷問(ごうもん)(すなわち、自白を強要するための暴行)、(ハ)リンチ(私刑)、(ニ)品位を傷つける取扱い、および、(ホ)その他の残虐な体罰および精神的暴行、も受けないことを保障する。
(2)公務員による(イ)奴隷的拘束、(ロ)拷問、(ハ)リンチ、(ニ)品位を傷つける取扱い、および、(ホ)その他の残虐な体罰および精神的暴行、を、法律を定めて厳重に禁止し処罰する。
(3)全国民に、犯罪による処罰の場合を除いては、(イ)不本意な苦役(くえき)に服(ふく)させられないこと、および、(ロ)学校、職場、病院その他どのような場所でも不本意な(イ)体罰、(ロ)精神的暴力、(ハ)品位を傷つける取扱い、および、(ニ)いじめ、を受けないことを保障する。

第57条【裁判を受ける権利】
 全国民は、裁判所を利用して裁判を受ける不可侵(ふかしん)の権利をもつ。

第58条【刑事被告人の諸権利】
 すべての刑事事件で、刑事被告人は、裁判所の公平で迅速な公開裁判を受ける権利をもつ。
(2)刑事被告人は、すべての証人に対して審問(しんもん)する機会を充分に与えられ、また、公費で自分のために強制的手続により証人を求める権利をもつ。
(3)刑事被告人は、どのような場合にも、資格をもつ弁護人を依頼することができる。被告人が自分で依頼することができないときは、国が選任した弁護人を付ける。

第59条【不利益な供述の強要禁止、自白の証拠能力】
 全国民は、被疑者(ひぎしゃ)もしくは被告人となったときに、(イ)氏名以外に自分に不利益な供述を強要されない自己帰罪拒否特権(じこきざいきょひとっけん)、および、(ロ)黙秘権(もくひけん)、をもつ。ただし、被疑者が無実であれば事実を積極的に供述してもよいにもかかわらず他に正当な理由なく供述しなかった点は、裁判上考慮材料となりうる。
(2)捜査および裁判において、被疑者もしくは被告人には、憲法に保障された自己帰罪拒否特権および黙秘権が事前に説明されなければならない。
(3)(イ)強制、(ロ)拷問、(ハ)暴力、(ニ)精神的暴力、または、(ホ)脅迫(きょうはく)、による自白、または不当に長く抑留もしくは拘禁された後の自白は、証拠とすることができない。
(4)捏造または改変を行った自白記録は、証拠とすることができない。自白記録の捏造、改変、または表現の変更を、厳重に罰する。
(5)全国民は、自分に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされることはなく、また、刑罰を科せられることはない。
(6)自白を証拠とするためには、今後の取調調書(とりしらべちょうしょ)には、文脈を失わない一連の質問と自白の明瞭な音声付き映像およびその文字記録を添付しなければならない。

第60条【公務員の不法行為の賠償、国家賠償請求権】
 全国民は、どのような公務員の不法行為によって損害を受けたときにも、法律の定めにより、国または地方公共団体に賠償を求めることができる。

第61条【刑事補償請求権】
 全国民は、逮捕または拘留(こうりゅう)された後、無罪判決が確定したときは、法律の定めにより、国にその補償、直接の謝罪および失われた名誉の回復を求めることができる。
(2)全国民は、刑罰に処せられたあと、再審その他の審判により無罪とされたときには、その人、またはその相続人によって、法律の定めにより、国にその補償、直接の謝罪および失われた名誉の回復を求めることができる。


第8章 戦争の防止

2006-02-16 00:50:00 | 第8章 戦争の防止

第62条【軍隊、軍備の禁止】
日本は軍拡競争に参加せず、自ら体験した悲惨な戦争の再発を厳重に防止するため、また、国際的緊張を緩和するため、人、機械、ロボットもしくはヒト以外の生物からなる軍隊、自衛隊またはこれらに類する武力保持部隊を持ってはならない。
(2)(イ)国民の徴兵(ちょうへい)制度および一時入隊制度、(ロ)民間または外国民による軍事力の保持、および、(ハ)民間、外国民または無国籍者への軍事の委託、は、あってはならない。
(3)国連により決議され構成された国連軍を除き、外国の軍隊、軍事設備および武器弾薬の、領海、領空を含む日本国内への移動および設置は、禁止する。これに反する同盟および条約を廃止および禁止する。
(4)日本は国際社会に、軍事力以外しか提供することはできない。これに反する同盟および条約を廃止および禁止する。
(5)日本は国際社会に対して、日本が締結(ていけつ)した条約および確立された国際法規にしたがって、たとえば、次の各号を特色とした貢献を率先して行う。
  1 国家間の対話および和平交渉の提案と仲介
  2 軍縮の呼びかけと推進
  3 本憲法のような平和憲法の研究と推奨
  4 暴力によらない紛争解決の呼びかけ
  5 災害救助、開発、生活環境改善、教育、疾病予防、疾病治療、リハビリテーション、地雷除去・汚染除去等戦争後始末、戦後復興、被災復興、防災、防犯、武装解除および戦争防止を支援するための人材、資金、物資および技術の提供
  6 寄付金および寄付物品の募集、管理、運搬および配布
  7 人権擁護と世界の協調を進めるための平和的国際機関活動および諸国との連帯(れんたい)
  8 人権活動
  9 平和のための教育、報道および情報発信

第63条【戦争禁止】
日本は戦争の生んだ悲劇をふまえて、暴力の不毛(ふもう)さと非暴力による平和の重要性を世界の人々そして次世代の子供達に常に訴え、世界の国々と人々の良識を信じて、暴力によらない紛争解決を率先垂範(そっせんすいはん)しなければならない。
(2)日本は、戦争およびテロを、理由と形態にかかわらず行ってはならない。
(3)日本は、たとえ、自衛、集団自衛、共同防衛、先制攻撃、先制防御、外国への協力、外国からの協力要請、外国の治安維持、多国籍軍(たこくせきぐん)、国連平和維持活動(PKO、Peacekeeping Operations)、国連平和維持軍(PKF、Peacekeeping Forces)、抑止、報復、対抗、懲罰(ちょうばつ)、局所的(きょくしょてき)事態、緊急事態または人道(じんどう)支援等という名分をもっても、次の各号を直接または間接に行ってはならない。
  1 戦争またはテロとしての武力行使
  2 武力による威嚇(いかく)
  3 戦争のための役務(えきむ)、物資、武器、資材、弾薬、燃料、食料、飲料、日用品または医薬品の提供、補給または運搬
  4 戦争のための情報処理および通信
  5 その他戦争の後方支援に属する活動
そして、国際紛争解決のための手段として、日本は次の各号の行為を直接または間接に行ってはならない。
  1 殺傷(さっしょう)
  2 逮捕監禁(たいほかんきん)
  3 爆撃
  4 自爆
  5 抑留および拘禁
  6 拷問
  7 虚偽の宣伝
  8 虚偽に基づく提訴
  9 精神的暴力
  10 マインドコントロール
  11 その他暴力
(4)国が国民の平和的生存権を犯す行為を行うとき、国民は、裁判所にその行為の差し止めを求めることができる。

第64条【警察の軍隊化の禁止】
 警察は、日本の内外の脅威(きょうい)から国民を守り安全を維持する。警察を、憲法の禁止している軍隊にしてはならない。警察には、国際法上も軍隊の条件を備えさせない。
(2)警察は、消防と協力して、国内外の災害救助、事故救助を行う。国外に派遣される警察は、護身(ごしん)を超えた殺傷(さっしょう)能力のある重火器(じゅうかき)等の武器または武器を内蔵する機器を持ち出さない。
(3)外国からの武力攻撃またはテロが生じたとき、国民を守る専管(せんかん)機構は、警察である。警察は、領空、領海を含む国内でのみ、犯罪者または攻撃勢力を鎮圧することができる。国民が外国において犯罪、テロまたは戦争により危険な状態になった場合の救助は、警察が、本憲法、日本の国内法規、確立した国際的な法規および批准した条約に基づき、当事国または国連と協力して、行う。
(4)警察が、外国軍隊、外国警察または国際機関の要員の保護または外国軍隊、外国警察または国際機関の要員への攻撃への報復のために、護身用武器を使用することは禁止する。
(5)警察庁は、警察を統括(とうかつ)する。警察庁は、国家公安委員会が管理する。国家公安委員会の委員長は、国務大臣が務める。警察の活動の最終責任は内閣総理大臣が負う。

第65条【武器所持、使用】
 武器または武器を内蔵する機器を所持または使用を許される公務員は、(イ)警察官、(ロ)海上保安官、(ハ)麻薬取締官、(ニ)麻薬取締員、(ホ)刑務官、(ヘ)入国警備官、(ト)入国審査官、(チ)税関職員、および、(チ)漁業監督官、に限られる。
(2)本条に記載した(イ)公務員機能の正式呼称、および、(ロ)許される所持および使用の詳細、は、法律で定める。

第66条【核、生物、化学兵器の禁止】
日本は悲惨な戦争やテロを自ら起こすことを厳重に防止するため、核兵器、生物兵器、および化学兵器を、(イ)持たず、(ロ)作らず、かつ、(ハ)外国から持ち込ませない。
(2)核兵器、生物兵器、化学兵器、およびその専用部品または専用材料を、外国からの航空機、船舶等により持ち込まれないため、日本自ら検査、取締りをしなければならない。

第67条【有事例外の禁止】
 本憲法を破る国家権力の行き過ぎの行使から国民の人権を守るため、たとえ国に武力攻撃、重大テロ、重大事故、重大災害、その他非常事態または非常事態につながる懸念のある事態が生じたとしても、本憲法にも本憲法下の法にも基づくことなく、本憲法および本憲法下の全部または一部の法の、(イ)効力停止、(ロ)廃止、(ハ)読み替え、または、(ニ)恣意的(しいてき)な解釈変更、をすることを、厳重に禁止し、それらは無効とする。