モフモフモフ~

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『持たない幸福論』(京大卒・日本一有名なニート、phaさん著)の感想

2017-07-12 12:05:50 | 
京大卒・日本一有名なニート、phaさんの『持たない幸福論』を読んだ。



柔らかい人柄からにじみ出る、わかりやすく肩の力の抜けた文章。
押しつけがましさがなく、あくまでも自分はこう思うんだ、という一意見としての考えを吐露するスタンスに、phaさんの他者に対する思いやり、というか寛容さが伺える。

私がこの本を読んで最も「なるほど~」と食いついたのは、以下の箇所だ。

(P.74-75)
「1人暮らしが寂しいならシェアハウスじゃなくて結婚とか家族とかで共同生活をするというルートももちろんあるけど、僕は基本的に怠惰で貧乏なので、結婚とか家族とかはなんだかんだでお金かかるしあれはお金に余裕のある人向けの贅沢品だな、という感じがしている。

あと、結婚とか家族とかいう仕組みは、若干今の時代に合っていないというか、少し効力が切れてきているんじゃないかということも思う。


(中略)

恋愛感情や性欲を満たす相手も、同じ家で一緒に生活をする相手も、子どもや病人や老人の世話も、家が持っている資産や家業の運営管理も、自分の病気や死を看取る人も、全部一つのグループの中だけでやっていこうという理想を持った、盛りだくさんなシステムが「結婚」と「家族」だ。

だけど、こんなに多くの機能を「結婚」と「家族」という一つの仕組みだけで全部満たしていこうとするのは無理があるのだと思う。


その理想と現実のズレが社会のいろんな問題を生んでいるんじゃないだろうか。」




確かに、「一つのグループ」、つまり「家族」の中だけで、子育、介護、仕事に家事など何でもこなしていくのって、改めて大変なことだと思う。

phaさんの言うように、あまり血縁にこだわらずに、シェアハウスに住んだり、助け合える人たちとご近所に住んだりして、みんなで助け合ってやっていく方がラクになれるし、心強い。

誰の子供かなどもあまり気にせずに、たとえば家でゴロゴロしているphaさんが一時子供の面倒を見るのもいいではないかと言っており、
「あ、そうだな、そういうのいいな」と思った。

以前、川上未映子さんが「社会で子育て、という言葉の意味がわからない」とウェブかなにかで書いていたが、先のようなことが「社会で子育て」の一つなんじゃないかと思う。

私もシェアハウスに住んでいた時のことを思い出すと、むしろ血縁じゃない方が、切ってもきれない関係であるがゆえの息苦しさもなく、他人同士ということで適度な遠慮があったりして、人間関係もうまくいくように思う。なによりも楽しかった。

思い出話をすれば、私が住んでいたシェアハウスに、栄養士をしている女子がいたのだが、私がちぎっただけのレタスを「サラダ」と称して食べようとしていたところ、「わ~!栄養がないですねぇ。私のかぼちゃ、あげますよ~」と言って、冷蔵庫から出して乗せてくれたことがあった。

黄緑一色の味気ないレタスに、マッシュ状にされた、黄色が鮮やかなかぼちゃが足されたことで、こんなにも豪華な感じがするものなのかと感動したものだ。彼女はそうやって、時々料理したものを分け与えてくれた。

かといって、「お返ししなきゃ!」と気を遣い過ぎることもなく、タイミングがあえばワインを一緒に飲んでみたり、ゆるい感じでやりとりしていた。

シェアハウスで出会った人たちは、友達でも家族でもなかったが、とても大切な存在となったことは間違いない。
将来また一緒に住みたいくらいだ。

phaさんが、生きるにおいて大事なことは「一人で孤立せずに社会や他人とのつながりを持ち続けること」と「自分がなにをしているときに一番充実や幸せを感じられるかとちゃんと把握すること」と指摘しているが、シェアハウスは前者においてかなり有効だと思っている。

映画『シチズンフォー スノーデンの暴露』を観た

2017-07-11 15:59:59 | 映画
映画『シチズンフォー スノーデンの暴露』を観た。



「これは、SFではない。現実だ。」
私の中で衝撃が走った。

9.11以降のアメリカ。

対テロ対策を大義名分に、なんの権限もない、誰のチェックもなされない中で、全世界の個人情報にアクセスしまくりやりたい放題のアメリカ国家に対したった一人で「NO!」を唱えたスノーデン。

告発時のスノーデンは、29歳。(現在34歳)

NSAやCIA局員というスーパーエリートの地位に就きたくさん稼いでいたであろうし、素敵なパートナーにも恵まれ、きっとなに不自由のない生活をしていたはず。そんな中全てをかなぐり捨てて、アメリカの不正を暴露し、告発したその正義感と勇気に心底感動した。

おとなしく国家の手先をやっていれば一生安泰であったのに、「誰もやらないなら、僕がやる」。

検索ワードに、クレジットカード情報、メールの内容からネットショッピングに至るまで、あらゆる情報を、私たちは国家によって監視されている。

スノーデンは言う。「これは、僕個人の問題ではない。全国民の問題だ」。

プライバシー、つまり自由がないがために知的好奇心が制限されることが問題。
国家の前に萎縮し、あれをやっちゃいけない、これをやっちゃいけないと自由を享受できなくなる。

人は国家から極力自由であるべきだと私も思う。

今や、人のために存在していたはずの国家から、逆に支配されつつある私たち。
国家といっても、それを操っているのは人なわけで、つまりは、国家権力を利用して特定の人間たちによって支配されている状態になっているということ。

政治学者の栗原康氏が雑誌の記事かなにかで、「G7サミットとは、「金持ちいいね!」というための集まりだ」と斬り捨てていたのが思い出される。なんてわかりやすい説明なんだと驚いたことがあったっけ。。

今日から共謀罪が施行される。

スノーデンの告発は、私たちの自由を守るために大変重要なドキュメンタリー映画。

「いいね!」、「素晴らしいね!」で終わらせるのではなく、これからも生きていくであろうスノーデンを心から応援し続けるとともに、彼が教えてくれた現実から目をそむけることなく、元気よくいきたいと思います。

『持たない幸福論』(pha・著)を買ってきた

2017-07-05 11:00:27 | 
テレビ番組「ザ・ノンフィクション」の放送を観て以来、phaさんが気になり始めた。

今、一番会ってみたい人が、phaさんとエドワード・スノーデン。(ドキュメンタリー映画『シチズンフォー スノーデンの暴露』
トークイベントがあれば、ぜひ伺いたいと思っている。

phaさんの『ひきこもらない』という新刊が出たとのことだったので、池袋ジュンク堂に行き、探したところ1階の新刊コーナーで発見。

他の著書も気になっていたので、5階に上ったところ『持たない幸福論』という本を見つけた。
この本の「はじめに」を立ち読みして、以下にビビっときた。




「じゃあ生きるにおいて本当に大事なことは何かというと、「一人で孤立せずに社会や他人との繫がりを持ち続けること」と「自分が何を好きか、何をしているときに一番充実や幸せを感じられるかとちゃんと把握すること」の二つだと僕は思う。」

まさにその通りと共感し、ひとまずこちらを購入。
今日はゆっくりできるので、読んでみようと思う。

ほか、昨日は朝からびっくりすることが。。

去年ある映画を観てめちゃんこ感動し、当時運営していたブログに感想をアップしていたのだが、その監督さんからツイッターでメッセージが届いていたことが昨日になって判明。

私はツイッターの使い方がわからずずっと放置していたのだが、ひっさしぶりにログインしてみたところ、「監督より」と
お返事する機会を逸し、申し訳ない&残念ではありましたが、ツイッターのすごさを痛感した次第。

このブログも一応連携させ始めたのだが、少しずつ勉強していきたいところ