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ドイツ緑の党、おめでとう40歳!/ Herzliche Glückwünsche zum Geburtstag! Grüne in Deutschland wird 40 Jahre alt.

2020-01-12 02:16:00 | 日記
40 Jahre Grüne Deutschland, wie hast du dich vereinigt
ドイツ緑の党40歳、君はどうして統一を実現したの?
Die Wiedervereinigung war nicht nur für die Nation ein Glücksfall, sondern auch für die Partei der Grünen. Ein Kommentar 
再統一は国にとっての幸運だけではなく、緑の党にとっても僥倖だった。
https://www.tagesspiegel.de/politik/40-jahre-gruene-deutschland-wie-hast-du-dich-vereinigt/25420808.html
Stephan-Andreas Casdorff 

I.1980年1月10日、ドイツ緑の党結党
緑の党が結党されたとき、私はハンブルク大学でドイツ文学を学んでいた。日本で68年に入学72年卒業の私は文字通り激動の時代を大学で過ごし、ベトナム戦争反対デモから始まり日米安全保障条約に反対するデモ、水俣水銀中毒支援運動から瀬戸内海水質調査など環境保護運動と毎日のように動き回っていたが、ドイツに来るとその延長のように反戦デモや反原発デモが私を誘ってくれ、何の違和感もなくその運動に加わった。ハンブルクの近くのブロックドルフに原発建設の計画が出るとそれを止めるためにドイツ人の仲間と一緒に冬の畑を越え建設現場に向かったが、数十機の機動隊ヘリコプターが次々と舞い降り、蹴散らされた。
そんな時、この反原発運動や、草の根民主主主義、毛沢東主義者を含む新左翼、ヒッピー自然主義、キリスト教系平和運動などのグループが集まり、1980年緑の党を結成した。私はこの生き生きとして活発なオルタナティーヴ運動が既成政党のようになり市民運動が潰されると悲観、失望した。
II.結党三年で国会進出、5年目ヘッセン州連立政権参加
ところが、私の予感とは逆に次々と地方議会で議席を獲得、結党して三年の1983年国会に進出するという、快挙を成し遂げた。その後、1985年にはヘッセン州で社民党と連立政権を組み、後の外務大臣ヨシュカ・フィッシャーが環境大臣に任命され、ジーパンとスポーツシューズを履いて就任の誓いを立てた。1990年ドイツ再統一後の統一選挙で西ドイツの緑の党は5パーセント条項にひっかり一度国会の議席を失ったが、東ドイツの市民運動グループ"Bündnis 90"に加わっていた東の緑の党が議席を獲得、何とか首の皮をつなげた。
III.1998年社民党と連邦政府連立政権、2016年、オーストリアで緑の党出身大統領誕生
90年代になると、西ドイツでも再び環境保護運動が活発になり、次々と州単位で連立政権を組み、ついには1998年の連邦国会選挙後社民党と連立で連邦政府に参加、元タクシードライバーのヨシュカ・フィッシャーが外務大臣に就任、今ではバーデン・ビュレンデンベルク州というベンツの本社がある有力州で首相を出している。
ここにきて地球温暖化による気候変動が顕著となり、Friday for Futureの運動が後押し、次期国会選挙では第一党に躍り出ることも予想されている。そうなると、もちろんドイツの首相は緑の党が務めることになる。
お隣のオーストリアではすでに2016年から緑の党のアレキサンダ-・ファン・デァ・ベレンが大統領となり、先の総選挙ではオーストリア国民党の33歳首相セバスティアン・クルツと緑の党が連立政権を組んでいる。
IV.日本の現状を憂う
翻って日本の現状を思うと憂いのみがある。気候変動による自然災害がフィリピンに次ぎ世界第2位の日本では先のFriday for Future のデモに東京で600人、全国でも2000人と、他人事のような反応。因みにわが町のお隣ハンブルクでは5万人ちょっとが参加したが、ヨーロッパに来るまでもなく、南の海のすぐ向こうオーストラリアでは既に山火事で九州と四国をあ合わせたほどの地域が焼け野原となり5億匹を超える動物が焼死している。ところが、わが環境大臣はグレタ・トゥンベルクの活動をセクシーと呼び、大人を敵にするな、全企業が悪いわけではない、日本の火力発電に理解を求める、などとチンプンカンプンの話ばかりしている。そんな折も折「桜を見る会」とかでヤクザや芸人と写真を撮って喜んでいる首相は税金を自分の金とでも思っているのか、環境保護やデジタル化による未来社会への準備より東京オリンピックに予算の倍以上1兆円をはるかに超える散財。それでもなにも言わない国民は自民党と心中するつもりなのでしょうか?
V.日本人にもある環境意識
上の私の学生時代の経験からお分かりかと思うが、日本人はそうなんだとは思わない。70年代初頭には日本の町を流れる川は真っ黒で、夏にはメタンガスがポコポコ浮き上がり、悪臭を放って横を通ると鼻が潰れると言われ、大都市では大気汚染のため光化学スモッグが発生、生徒が次々と倒れ、四日市や尼崎など重化学工業都市では大気汚染のためぜんそく患者が急増、国民もマスコミの報道を待つまでもなく、目の前、鼻の先でその惨状を体験、環境保護の声を上げた。そして1972年世界で最も厳しい公害対策基本法ができ、徐々に澄んだ大気、魚の泳ぐ川を取り戻した。今、緊急に日本の国民に思い出してほしいのはそんな歴史だ。自民党が一人勝ちのように思われているが、全有権者の20数パーセントで国会の議席の3分の2近くを取っている事実を思い起こし、まずは全員選挙に行って、利権にたかる後援会のオッサン・オバサンが周りを固める政治的才能ゼロの漢字もまともに読めない自民党世襲政治家の支配を崩しましょう。


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