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NICE CHOICE

ファイナンシャルプランナーの日常生活での気づきをコメントするブログです。FP実務で役立つ知識も日々入手して発表してます。

宅地の評価

2005-08-18 08:06:24 | 相続
前回までで評価単位の判定まで終わったので、今回は地目が宅地の場合の評価について書いてみます。

宅地は、1画地の宅地(利用の単位となっている 1区画の宅地をいう。以下同じ。)を評価単位とす る。

1画地の宅地とは、利用の単位(自用、貸付の用、貸家の用)となっている1区画の宅地のことをいい、必ずしも一筆の宅地からなるとは限りません。1筆の宅地が2画地となることもあり、2筆の土地が1画地となることもあります。

次に宅地の評価には、路線価方式と倍率方式があります。

宅地の評価は、原則として、次に掲げる区分に従い、それぞれ次に掲げる方式によって行う。(昭41直資3-19改正)
(1)  市街地的形態を形成する地域にある宅地 路線価方式
(2)  (1)以外の宅地 倍率方式


路線価方式か倍率方式のどちらで評価するかは、毎年各国税局長が財産評価基準として定めて公表しています。

では、具体的な算式を簡単に紹介します。

路線価方式
路線価×画地調整率×地積

画地調整率とは、その評価しようとする土地の形や道路への接し方による影響を加味するための率です。ここでは細かいので取り上げません。興味のある方は、財通
15から20-5までを参考にしてください。

倍率方式
固定資産税評価額×評価倍率

倍率方式には、画地調整率はありません。既に固定資産税評価額にその分が加味されているからです。

以上が宅地の評価の基本になります。

土地の評価の手順

2005-08-14 17:37:38 | 相続
相続税の財産評価について勉強する必要がでてきたので、相続税法、財産評価基本通達、図解財産評価平成17年度版を元に勉強したことを忘れないように書いていきます。

相続、遺贈又は贈与により土地を取得した場合には、取得した時の時価により評価し、その価額を課税標準として相続税又は贈与税が課税されます。(相22条)

(評価の原則)
第二十二条  この章で特別の定めのあるものを除くほか、相続、遺贈又は贈与により取得した財産の価額は、当該財産の取得の時における時価により、当該財産の価額から控除すべき債務の金額は、その時の現況による。

つまり時価課税ということです。となると土地の時価を算定するのが大変になってきますが、財産評価基本通達によって、土地の時価の算定方法の大まかなところが明らかにされています。

以下に土地の評価(時価の算定)の手順についてまとめてみました。

1.評価物件の特定

まずは、当たり前ですが、評価の対象となる物件を特定します。固定資産税評価証明書や登記簿謄本により、土地の所在地等を確認します。

2.資料の収集

(1)固定資産税評価証明書
市役所(23区内は都税事務所)で固定資産税証明書を入手します。

(2)登記簿謄本
土地を管轄する法務局で入手します。

(3)実測図、公図、地積図
公図、地積図は、(2)と同じ法務局で入手します。実測図はその土地を今後売却する場合は、用意しておいた方(無ければ測量費を支払って測量してもらう)がいいですが、実務では登記簿謄本の面積で申告してしまっているようです。

(4)財産評価基準書
いわゆる路線価といわれているものです。今は国税庁のHPで簡単に調べることができます。

相続のシムレーションをすろるのであれば、土地をたくさん持っている人を除き、固定資産税の通知書だけで充分です。路線価はネットで簡単に確認できます。

3.地積の確定(評基通8)

地積は、課税時期における実際の面積による。

登記簿上の地積と異なる場合は、実際の面積となります。ここで実測図が役に立ちますが、上でも書きましたが、実務上は登記簿上の地積で申告しているようです。

4.地目の判定(評基通7)

地目は、課税時期の現況によって判定する。

地目は登記簿謄本の地目ではなく、実際の地目となります。謄本で地目の変更登記を行っていない場合が多々ありますので要注意です。

5.評価単位の判定(評基通7)

土地の価額は、次に掲げる地目の別に評価する。ただし、一体として利用されている一団の土地が2以上 の地目からなる場合には、その一団の土地は、そのうちの主たる地目からなるものとして、その一団の土地 ごとに評価するものとする。

土地は、宅地、農地、山林、原野、牧場、池沼、鉱泉地、雑種地に分け、宅地なら1画地、山林なら一筆などのようにそれぞれの地目ごとに定められた評価単位ごとに評価します。

例えば、ファミリーレストラン(宅地)とその駐車場(雑種地)のように一体として利用されている場合には、2以上の地目のうち主たるものからなるとして評価します。この場合はファミリーレストランが主なので、宅地として評価します。

今回は以上です。

貸宅地割合

2005-08-03 18:17:02 | 相続
財産評価基本通達の一部改正通達が7月20日に発表されて、貸宅地(いわゆる家が建っている借地)の評価について、改正がありました。

従来は、普通借地権の目的となっている宅地は「自用地価額×(1-借地権割合)」で評価していました。各地域の借地権割合というのを国税局長が決めていました。

ところが、国税局長が新たに貸宅地割合を決めた地域では、「自用地価額×貸宅地割合」で評価することになりました。

8月1日に路線価が発表されましたが、なかなか貸宅地割合を見ることができませんでした。それもそのはずです。今回は、沖縄国税事務所管内に限られて適用されることになったそうです。

早速沖縄をみてみると、那覇市の首里大名町一丁目では、借地権割合は40%ですが、貸宅地割合は30%となっていました。この場合、従来の方法では自用地の1-40%=60%評価だったのが、30%評価になったことになります。30%評価額が下がったことになります。

なぜ今回沖縄だけになったのでしょうか?

では。

路線価

2005-08-02 18:12:26 | 相続
平成17年の路線価が発表されました。

今年から貸宅地割合というのができたのですが、それはまた別の機会で。とりあえず、自分の家の路線価を調べて見ました。

昨年度より、10%UPしていました。昨年度は、まだマンション自体が完成してなかったので、そのせいだと思います。周辺の路線価は昨年度と変わりありませんでした。

自分の住んでいる地域の路線価を見てみるといろいろと発見がありますよ。

相続放棄した者の相続税の課税関係

2005-07-15 18:53:20 | 相続
相続放棄をした者の相続税の申告では、いろいろと注意をする点があります。

例えば、被相続人(父)、相続人が子2人の場合で兄が相続放棄をした場合を例に説明します。

まず、基礎控除ですが、5,000万円+1,000万円×法定相続人となります。この場合、相続放棄した兄も相続放棄をしなかったものとみなして法定相続人に含まれます。従って、この例では、5,000万円+1,000万円×2=7,000万円が基礎控除額となります。

次に相続放棄をした人にも認められる特典と認められない特典がありますので、それについて説明します。

まずは、認められる特典について。
相続放棄した兄が葬式費用を負担していた場合は、その遺贈財産(相続放棄をしても取得できた生命保険や退職金)から控除することができます。また、今回は該当しませんが、相続放棄をした者が配偶者であれば、配偶者に対する相続税の軽減の規定を適用することができます。

次に、認められない特典について。
生命保険金、退職金については、500万×法定相続人まで相続税がかからない非課税限度額があります。(生命保険、退職金それぞれに)この例では500万×2=1,000万です。この非課税限度額は、相続を放棄した人が取得した保険金や退職金については、適用されないことになります。しかし、相続を放棄していない弟が保険金や退職金を取得している場合、1,000万円の非課税限度額すべてを弟が使うことができます。

以上になります。相続放棄をしても、相続税の申告には注意をしましょう。

相続放棄

2005-07-06 13:05:54 | 相続
お兄ちゃんが相続放棄をしたことがNice choiceのように語られていますが、お兄ちゃんは相撲同様すごい策士なのではと思えてきました。

相続放棄とは、相続人が相続のあったこと知った日から3ヶ月以内にその旨を家庭裁判所に申し出る民法上の手続きをいいます。

相続放棄をすると、相続人は、親方の財産を相続することができなくなります。これによって、お兄ちゃんは争続を避けることをしたので偉いと思われているようです。

しかし、相続放棄をしても、もらえる財産があります。それは、生命保険の保険金です。生命保険の受取人がお兄ちゃんになっていた場合、それは相続放棄の対象外になります。

難しい話ですが、生命保険の保険金は、民法上相続財産に含まれません。相続税法で相続財産とみなしています。

つまり、お兄ちゃんは相続放棄で世間のイメージを回復すると共に、保険金を受取っている可能性があります。親方が相続税対策を事前に行っていた場合、受け取る生命保険の金額は多額なものになっている可能性すらあります。

そう考えるとお兄ちゃんの相続放棄は素直に賞賛できません。

相続放棄した者の相続税の課税関係


内緒で贈与

2005-06-03 13:05:25 | 相続
ご年配の方で、子供や孫に内緒で口座を作り、そこに毎年送金(贈与)して相続税対策をしている人は注意が必要です。それは贈与にはならないからです。

110万までは贈与税がかからないというのは、知識として知っているのですが、贈与とはどういうものかを理解していないとこういうことが起こります。

贈与は、あげる人が「あげます。」もらう人が「もらいます。」といって初めて成立します。上記のケースでは、もらう人は知らないわけです。

また、あげたのであれば、もらった人は自由に使えなければおかしいので、通帳、印鑑、カードなどはもらった人が管理していなければなりません。贈与契約を公正証書で一生懸命作っていても、実態をみますので、あげる人が管理していては、ダメです。

内緒で贈与というのは、ありえないのです。

親子間の貸し借り

2005-05-29 07:35:09 | 相続
住宅の取得のために、両親からお金を借りる方は結構いると思います。その場合は、この借入が贈与とみなされないように注意してください。

まずは、借入は返済可能な金額であることが必要です。子供の収入が少ないのに、多額の借入をするのは、不自然だからです。例えば、年収300万円の人が5000万円の家を親からの借入で全てまかなっている場合、仮に金利2.5%で35年で返済にすると1年間の返済額は210万円になります。これでは、収入のほとんどを借入の返済となり、不自然です。このような場合には、贈与と認定される恐れがあります。

次に、ある時払いの督促なしにしない。銀行との通常の借入であれば、ある時払いというのは、不可能です。一度返済方法と金額を定めた場合、それを必ず守るようにしましょう。ちなみに、あえて契約書を作る必要はないですが、契約(約束)通りに返済を行い、返済は銀行振込等により、証拠を残しておきましょう。

最後に、上記の例のような場合親が子供にお金を貸すのではなく、家を共有名義(例えば、親4子1の割合で)にするというのも、1つの策として使えます。この場合、親が亡くなった時に持分を相続すれば、家は子供の物になります。

土地の使用貸借と相続税評価額

2005-05-28 11:21:24 | 相続
尊敬しているある先輩FPから質問を受けたので、ここに回答を書きます。

Q.今度親の土地を無償で借りて家を建てますが何か問題はありますか?

A.土地を無償で借りる契約のことを使用貸借契約といいます。使用貸借で借りた場合、借地借家法の適用はないので、借りている人の権利は非常に弱くなります。出て行けっ!と言われたら、立退料ももらわずに、直ぐに出ていかなければなりません。通常の親子であれば、その辺は問題ないと思いますが、相続があった場合、若干問題がありますので注意して下さい。

まずは、相続財産がその土地しかなかった場合で、相続人が複数いる場合、もめる可能性があります。法定相続分で相続した場合、そこに住み続けるには他の相続人に地代を払わなければならなくなります。仮に無償(使用貸借)で借り続けた場合でも、いつ出て行けと言われるかわかりません。

次に、使用貸借の場合、土地の相続税評価額は、更地価額(土地の上に何も建っていない評価額)となります。借地契約で他人に貸していた場合は、貸宅地評価と言って更地価額×(1-借地権割合(90%~30%))で評価されますので、相続税額が安くなります。

とはいっても、親子でも使用貸借はよくあるケースで、上記のような点に注意すれば、借地契約にするよりは、使用貸借の方で借りる方がいいと思います。