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小学生授業数の1日6こま「充実せず」

2024-01-28 15:42:12 | 新聞記事から

 1月27日の京都新聞に、東京学芸大の大森教授(教育史)の調査に関する記事が載っていました。小学校が週6日制だった1990年代と週5日制になった2000年代、高学年(小学校5,6学年)では、どちらも週授業時数は29時間です。週6日での29時間の授業と週5日での29時間の授業を子どもたちの「学習の充実」と「生活との適合性」などの視点から比較調査をしています。

 週6日制では、一般的に土曜日が3時間授業、水曜日が4時間授業で、後の4日は、5時間授業が2日、6時間授業が2日というような時間割になっていたようです。これに対し、週5日制では、水曜日が5時間授業でその他の4日は6時間授業という時間割になります。

 週5日制と週6日制では、子どもに対しても、先生に対してもかなりの負担になっていることは想像に難くありませんが、この実態を大森教授が調査を通して明らかにしています。興味深い調査ですので、以下に、記事と転載し、紹介いたします。

 

小学生授業数の1日6こま「充実せず」

  2024年1月27日 京都新聞

 小学校高学年の授業数について、週6日制の1990年代と、週5日制で1日6こまが一般的となった現代の双方を知るベテラン教員に尋ねたところ、77%が週あたりの総数が同じでも現代の方が「子どもの学習が充実しない」と考えているとの調査結果を東京学芸大の大森直樹教授(教育史)がこのほど、公表した。大森教授は「授業数が多すぎて子どもの生活や学習に合っていない」と述べ、削減が必要だと説明した。

 標準の授業数は学習指導要領改定に合わせ、約10年ごとに見直す。小学校6年間の総数は80年度~2001年度が5785こまで、02年度に減ったが「ゆとり教育」批判で増加し、現在は5785こまに戻った。90年代ごろと比べると、総数は同じでも週休2日が原則となったため、高学年で連日6こまが当たり前の状況だ。

 調査は、授業数が「子どもの生活に合っていたか」と「子どもの学習は充実していたか」を尋ねた。「高学年でおおむね週に6日間、29こまの授業」(92年度~01年度)と「高学年でおおむね週に5日間、29こまの授業」(現在)の両方を知る教員487人の回答を中心に分析した。

 90年代の授業数が「生活に合わない」は23%にとどまったが、現在の授業数では90%に上った。「学習が充実しない」も90年代は9%で現在の77%と差がついた。