ねここねこの家

アモクロノス~旅の戦い(battle of the journey)~2 第29話 「アストラーダの伝言」

 

第29話 「アストラーダの伝言」


「なーんかさ、久しぶりに眠れるって感じがするな」


ベラーナの言葉を守里はおぼろげに聞いていた。

束の間の休息になるかもしれない。

この戦いの中、ジャンク屋時代のことを振り返る。

ある意味本当に休息だったかもしれないが、守里はどこか緊張していた。


「…あいつら…元気かな」


守里が鏡俊一や安藤成のことをふと考え、旅の途中だったことを振り返る。

イタリアに行ってから、本来守里はアメリカで暮らす予定だった。

日本ではなくアメリカには理由があったが、かなり将来のこと。

守里にはジャンク屋から離れて、初恋の相手に会いに行きたかったからだった。

手紙が1度あったことを思い出し、20歳の誕生日は一緒に過ごそうと約束をしていた。

身体が弱かった初恋の相手は、セイナを少し成長させた感じだった。

セイナに初めて会った時にも、どこか懐かしさがあったことを思い出す。

その名はラライナ。

生きてさえいれば会えると守里は信じていた。


「…ちょっとさ!剣!食べて寝ないと全部食っちゃうぞ?構わず寝るぞ?」


守里はベラーナの言葉で食堂にいたことを思い出して、慌てて食べ始める。

その勢いにベラーナが笑っている。

和やかな時だった。


「食べさせてたまるかよ!」


守里は頬張りながら真剣に、取られまいと必死になって食べていた。

ベラーナも感じていた。

こんな時が長く続かないことは分かっているからこそ笑えたかもしれない。


「んじゃま、寝ますんで」


ベラーナが両手を上げてあくびをしながら言いつつ自室へと向かう。

守里はベラーナの後を追に続き自室へ向かった。

途中で通信が入ってベラーナを含め緊張が走る。


「はああ…休ませてもらえないってわけか」


あくびをしながらベラーナが言うと、守里は緊張しながらデッキに急ぐ。


「自室に戻って大丈夫だ」


なぜかアル・レレン艦長は落ち着いて言った。


「操縦士が寝不足では困る」


ベラーナが自室へ戻りつつ気にしているが、守里はデッキにいた。

アル・レレン艦長が言う前に、守里は話し出した。


「入電ですよね?すぐ自室に帰るんで内容だけでも」


アル・レレン艦長は少し強めの口調で告げた。


「帰るんだ」


守里は驚きつつ、自室へと向かう。

アル・レレン艦長の顔は厳しかったからだ。

守里がいなくなると広報のライが話し出した。


「どう言う意味でしょうね。この入電は罠かな…」


入電はアストラーダからだった。

伝言のように残っている内容にアル・レレン艦長の顔が曇る。


「アゼラの成功は見込めない。後退するため進路を塞がないよう」


アル・レレン艦長は感じていた。

アゼラが諦めたのではなく、新たな攻撃をすると。

アストラーダではなく、おそらくDの仕業ではないかとも感じていた。

守里やベラーナにはまだ伝えない。

広報のライにアル・レレン艦長は告げた。


「1時間時間の猶予が欲しい。と伝えるんだ」


少しでも守里たちを休息させる必要がある。

他にもアル・レレン艦長は作戦を立てることにした。


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