ねここねこの家

アモクロノス~旅の戦い(battle of the journey)~ 42話 「赤い閃光」

42話 「赤い閃光」


守里剣に父親のことを話すことは控えた方が良いと考えたセイナ。


察したかのようにマイールは話し出した。


「Dのことは残念だった。だけどね、アベルトの考えに賛同している人間を放置できない」


セイナは珍しく感情を露わにして怒った。


「そのために殺すことが正しいとは思わないし。アベルトは気にもしないのに!」


マイールは悲しい表情になり言った。


「すまなかった…。俺も殺すことは避けたかった…」


悲しい表情を見たセイナは普通に戻って、戦いの怖さを改めて知った。

13歳のセイナにとって初めてではなかったはずなのに、アベルトに怒りも感じていた。

病院襲撃事件を思い起こして、アベルトの残虐性に恐怖した。


同時に不思議とマイールに親近感も覚えていた。

なんだか不思議な感情に戸惑っていると、目の前で戦闘が繰り広げられていた。


「ジャイワナーゾは弱いやつをやるんだよ、邪魔だから…」


まで笑って言いかけたとき、ベラーナがアサルトで接近戦を挑んできた。


「お前だけは!許せないんだよ!!」


カイリは笑顔から一転、体制をベラーナ機の後ろに周り表情を変えて言った。


「1対2は卑怯じゃないかなぁ」


若干の焦りを感じた守里だったが、ベラーナはジャイワナーゾから離れない。

危ない瞬間だったがカイリは再び笑って言った。


「そんで?どうすんのさ?」


ベラーナがマシンガンやアサルトで遠距離や近距離で無我夢中で戦っている。

我を忘れたように狙いを定めないで攻撃をしていることを感じた守里。


「ベラーナ!!離れろ!!」


ベラーナのアサルトが少しだけ右腕の関節に当たって火花が散る。

タイミングの問題だった。


「頼む!!ベラーナ!!離れろ!!」


体制を崩したベラーナ機が離れたときだった。


Gビャクヤがジャイワナーゾの目の前に行く。


「お前なんだよ!邪魔してさぁ!!」


カイリが怒りを込めて、Gビャクヤにアサルトに似た武器で近距離攻撃をしてきた。

腕をかすめて鈍い音がした。


「お前が!ベラーナの家族たちを!!」


守里が怒った。


それと同時に片方の左の刀が、アサルトに似た武器で攻撃を受け宙を舞う。

ベラーナが体制を整えた瞬間だった。


Gビャクヤから離れ、宙を舞ったはずの刀が赤く光った。

ジャイワナーゾが前向きになったとき、右の刀も赤い閃光が走った。


あっという間の出来事だった。

舞ったはずの刀が勢いよくジャイワナーゾの背中の厚い装甲を無視して刺さった。

同時に右の刀も前からコックピットの部分を貫く。


「あ、わーーーーーーっ!!」


カイリの悲鳴とともに勢いよくジャイワナーゾが大爆発した。

その勢いでGビャクヤは飛ばされ、ベラーナも体制を崩した。


そのあとにカイリの声を聞いた者も、ジャイワナーゾの姿を見た人もいなかった。


「はぁ…はぁ…はぁ…」


大きな爆発のあと、Gビャクヤに乗った守里の息遣いだけが聞こえた。


優しく頼もしい主人とねここねこ。猫ちゃんず(しまちゃん♀おおちゃん♂さきちゃん♀)と生活中。

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