第49話 「それぞれの願い」
守里、ベラーナ、アストラーダの活躍に期待を込めたまま、リリアンは考えていた。
裏で活躍しているメンバーのことを。
トキノはロロナとともにAIであることを活用して、アゼラの位置を探っていた。
バミューダのどこなのか、大体の場所が判明してきている。
カンナは調整のためにセイナとGビャクヤとララ機、ベラーナ機、アストラーダ機のチェックに励んでいる。
セイナは麻生と一緒に武器の強化を終えようとしていた。
それぞれが最終局面にあることを認識していた。
セイナはアル・レレン艦長の元に行って話す。
「多分ですけど…キーラ隊の数はアストラーダ兄が聞いているより多いんじゃないかなって…トキノさんの話だと大きな「存在」が空を覆っているとか…」
そこにトキノがロロナである機械を連れて現れた。
アル・レレン艦長はロロナを初めて見て驚く。
「ロロナです〜姿はこんなです〜」
セイナが照れたように説明する。
「あ、頭だけに見えますよね?実は…好きなのを選んだらこうなって…」
そこにいたのは機械ではあるものの、頭だけのウサギだった。
しかもなぜか赤とピンクになっている。
セイナがアル・レレン艦長の顔を覗き込む。
思わず笑いが起こって周りが振り向く。
アル・レレン艦長は「すまない」と言いながら話す。
「いや…トキノさんが人間みたいでロロナは機械だって聞いていたからね。まさかウサギの頭がそうだとは思わなかった。しかもセイナちゃんらしい」
そこに守里とベラーナ、アストラーダが現れた。
「あ、そっか。見たことないんだ。そりゃ俺だって初めはギョッとしたよ」
ベラーナが話すと守里は平然と答える。
「俺は最初からセイナらしいから、AIってこんな感じなのかって思ったんで意識していませんでしたね」
アストラーダは頭をぽりぽりさせながら一言。
「初めてみるのは俺も同じだけど…セイナらしい…」
するとトキノがリリアンと急いで現れた。
「大まかな場所は分かったわ。浮上させるのよね?シークル艦は…だったらかなり上空がいいわ!」
セイナはその場にいなかったカンナの代わりに話し出す。
「えっと…Gビャクヤじゃない、アストラーダ機にララ機はドッキングさせるようになるの。剣の機体は他にたくさん武器を搭載させているから…」
アル・レレン艦長や守里、ベラーナ、アストラーダは了解した。
セイナが続ける。
「アストラーダ機には最初からドッキングさせているの。だから重量は変わるんだけど、速度は変わらないの」
アストラーダ機は連射機能しかない。
ララ機にはミサイルもレーザーも搭載させてある。
みんなが納得していると、カンナから連絡があった。
「Gビャクヤ!ベラーナ機!アストラーダ機全部武器はOKよ!」
カンナの言葉とともにララからも連絡が入る。
「こっちは兄貴のところにいるから!」
アル・レレン艦長はみんなに告げた。
「シークル艦!浮上してバミューダ近くまで向かって待機!」
アル・レレン艦長はさらに言う。
「Gビャクヤ!ベラーナ機!アストラーダ機はアメリカ上空まで来たら発進!」
いよいよシークル艦が浮上し始めた。
狙いはアゼラ…それぞれが想いを込めて怪しい雲の内部に向かおうとしていた。
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