最近のニュースの紹介です。
長く開催されてきた、柔道の小学生の部での全国大会が廃止になるそうです。
『小学生の柔道全国大会廃止 「行き過ぎた勝利至上主義が散見される」(朝日新聞) - goo ニュース』
「行き過ぎた勝利至上主義が散見される」という事がその理由だそうです。
以前にこのブログでも似たような話をしたことがあります。
『フランス柔道会の魅力 - 武の道へのこころざし』
私自身は、「さもありなん・・」という気持ちですが、どのスポーツ競技の中でもそうした問題は数多く散見されているのが今の世の実情です。
ましてや、相手を傷つける危険性のある武道競技や格闘競技で、過度な競技偏狭に陥ることで、子供たちの心にどのような影響を与えるものか、各競技団体の関係者の方々にはぜひご一考いただきたい。
また親御さんが、我が子の試合での勝敗に加熱するあまり、武道団体としての良識が大きく欠如した雰囲気が、大会の中で散見されているのは、見ていて余りあるものがあります。
私は今回の柔道の理事会で発表されたこの内容に、そしてこの英断に、全日本柔道連盟の山下泰裕会長に心から敬意を表したい気持ちです。
柔道界ほどの大きな組織で、歴史的に回を重ねてきた一つの団体競技を廃止するということは、どれだけの大きな出来音であり、難しいことであったかと思うと、頭が下がる思いです。
以前、柔道などの武道が公立中学校の必修化になる時期に、柔道をどのように教えたいかという質問に答えていた関係者の方が、「勝負に勝つ楽しさを伝えたい・・」 と話をしていたのを何かの媒体で読んだことがあります。
「勝負に勝つ楽しさ」は、他のスポーツでも味わえることであり、「勝つことがうれしい」という思いは、教えなくとも子供の心には自然とわいてくるものです。
競技スポーツで勝ち続けて成績を残してきた一流のアスリートは、勝つ喜びが前面にでてくるものですが、そうした才能のある、選ばれた一流のアスリートの喜びの感覚は、果たして万人が学ぶべき公教育の武道教育の中では、正しい答えなのであろうかといえばどうであろうか。
私は子供の心配をする一保護者の方が、より適切な判断が下せるような気がしています。
もし我が子が空手や柔道を学ぶとしたら、どんなことを身に付けて貰いたいでしょうか?
礼儀を身に付け、体力をつけて、心身ともに健やかに育ってほしいと願うはず。
精神的に強くなりつつも、他者への配慮ができ、我慢強さとともに優しい気持ちを持つ子に育ってもらいたいと思うはず。
協調性を養い、楽しく元気に道場で学んでもらいたいと思い、その先に、試合での勝ち負けが付いてくるものです。
その勝負の勝ち負けは、あくまでもその、学びの延長線上での話であり、逆にこの勝敗が過熱してくると、保護者共々、他者への配慮はなおざりになってくるもので、そのあたりから、しっかりとした精神的な物事の考え方の支柱ができてこなければならないはず。
果たしてその年齢は幾つ頃が適切かと考えると、やはり、中高生あたりからではないかと・・・。
できれば私としては、全国規模の大会は15歳以上くらいが最適なのではないかと考えています。
体の発育が十分でない状況で、子供たちに競技偏重の格闘競技をさせることは、どれだけのリスクがあるものかといえば、今では多くの必要なデータも出てきていると思います。
『柔道で児童死亡 フランスでは死亡事故0 武道の危険性 安全な格闘技は? - 本日の解説クラブ』
しっかりと怪我をしないための稽古を行わないで、発育が未成熟なこの体に、必要以上の競技に向けての負担をかけることがどれだけ危険なことであるかということを、多くの方に認識していただきたいと感じています。
我が道場の幼少年部のクラスでは、組技系の稽古の時は、投げ技よりも受身を重視し、これでもかというくらい何度も基礎的な受け身などの稽古を、楽しみながら長い年月をかけてこなし、組手も激しい稽古をほとんど行わない中で、基礎練習となる約束組手などを中心に行っているのは、こうした理由によるものです。
こうした教育方法は、実力の向上には実に時間がかかり、見る人にとってはとてもじれったく感じるものです。
しかしそれでも、そうした基礎稽古を中心にこなしてきた子たちのその後の成長の経過は、支部に所属する高校生や大学生の実力を見ていただければお分かりいただけると思います。
一人一人が非常に我慢強く、心身ともに強く逞しくなり、技術があり、そして何よりも優しく言葉掛けをしながら、分かり易く丁寧に下級生への稽古指導ができる力がついているのが、指導者としてもうれしい限りです。
独りよがりの思い込みもあるとは思いますが、私自身としてはみなとても純粋で、確かな成長がでいているように感じてます。
子供を大切に思う親の心。
健全に発育して、心身ともに健康で、良識のある人間に育ってもらいたいと思う心。
皆で力を合わせて団体を盛り上げて、より良い場でより良い経験を積ませてあげたいと願う心。
これは皆さん共通の想いだと思います。
競技偏重の果てに、子供の心に傷を負わせることの無きよう、大人は常に気を引き締めて、しっかりと子供たちを見守っていきたいものです。
長く開催されてきた、柔道の小学生の部での全国大会が廃止になるそうです。
『小学生の柔道全国大会廃止 「行き過ぎた勝利至上主義が散見される」(朝日新聞) - goo ニュース』
「行き過ぎた勝利至上主義が散見される」という事がその理由だそうです。
以前にこのブログでも似たような話をしたことがあります。
『フランス柔道会の魅力 - 武の道へのこころざし』
私自身は、「さもありなん・・」という気持ちですが、どのスポーツ競技の中でもそうした問題は数多く散見されているのが今の世の実情です。
ましてや、相手を傷つける危険性のある武道競技や格闘競技で、過度な競技偏狭に陥ることで、子供たちの心にどのような影響を与えるものか、各競技団体の関係者の方々にはぜひご一考いただきたい。
また親御さんが、我が子の試合での勝敗に加熱するあまり、武道団体としての良識が大きく欠如した雰囲気が、大会の中で散見されているのは、見ていて余りあるものがあります。
私は今回の柔道の理事会で発表されたこの内容に、そしてこの英断に、全日本柔道連盟の山下泰裕会長に心から敬意を表したい気持ちです。
柔道界ほどの大きな組織で、歴史的に回を重ねてきた一つの団体競技を廃止するということは、どれだけの大きな出来音であり、難しいことであったかと思うと、頭が下がる思いです。
以前、柔道などの武道が公立中学校の必修化になる時期に、柔道をどのように教えたいかという質問に答えていた関係者の方が、「勝負に勝つ楽しさを伝えたい・・」 と話をしていたのを何かの媒体で読んだことがあります。
「勝負に勝つ楽しさ」は、他のスポーツでも味わえることであり、「勝つことがうれしい」という思いは、教えなくとも子供の心には自然とわいてくるものです。
競技スポーツで勝ち続けて成績を残してきた一流のアスリートは、勝つ喜びが前面にでてくるものですが、そうした才能のある、選ばれた一流のアスリートの喜びの感覚は、果たして万人が学ぶべき公教育の武道教育の中では、正しい答えなのであろうかといえばどうであろうか。
私は子供の心配をする一保護者の方が、より適切な判断が下せるような気がしています。
もし我が子が空手や柔道を学ぶとしたら、どんなことを身に付けて貰いたいでしょうか?
礼儀を身に付け、体力をつけて、心身ともに健やかに育ってほしいと願うはず。
精神的に強くなりつつも、他者への配慮ができ、我慢強さとともに優しい気持ちを持つ子に育ってもらいたいと思うはず。
協調性を養い、楽しく元気に道場で学んでもらいたいと思い、その先に、試合での勝ち負けが付いてくるものです。
その勝負の勝ち負けは、あくまでもその、学びの延長線上での話であり、逆にこの勝敗が過熱してくると、保護者共々、他者への配慮はなおざりになってくるもので、そのあたりから、しっかりとした精神的な物事の考え方の支柱ができてこなければならないはず。
果たしてその年齢は幾つ頃が適切かと考えると、やはり、中高生あたりからではないかと・・・。
できれば私としては、全国規模の大会は15歳以上くらいが最適なのではないかと考えています。
体の発育が十分でない状況で、子供たちに競技偏重の格闘競技をさせることは、どれだけのリスクがあるものかといえば、今では多くの必要なデータも出てきていると思います。
『柔道で児童死亡 フランスでは死亡事故0 武道の危険性 安全な格闘技は? - 本日の解説クラブ』
しっかりと怪我をしないための稽古を行わないで、発育が未成熟なこの体に、必要以上の競技に向けての負担をかけることがどれだけ危険なことであるかということを、多くの方に認識していただきたいと感じています。
我が道場の幼少年部のクラスでは、組技系の稽古の時は、投げ技よりも受身を重視し、これでもかというくらい何度も基礎的な受け身などの稽古を、楽しみながら長い年月をかけてこなし、組手も激しい稽古をほとんど行わない中で、基礎練習となる約束組手などを中心に行っているのは、こうした理由によるものです。
こうした教育方法は、実力の向上には実に時間がかかり、見る人にとってはとてもじれったく感じるものです。
しかしそれでも、そうした基礎稽古を中心にこなしてきた子たちのその後の成長の経過は、支部に所属する高校生や大学生の実力を見ていただければお分かりいただけると思います。
一人一人が非常に我慢強く、心身ともに強く逞しくなり、技術があり、そして何よりも優しく言葉掛けをしながら、分かり易く丁寧に下級生への稽古指導ができる力がついているのが、指導者としてもうれしい限りです。
独りよがりの思い込みもあるとは思いますが、私自身としてはみなとても純粋で、確かな成長がでいているように感じてます。
子供を大切に思う親の心。
健全に発育して、心身ともに健康で、良識のある人間に育ってもらいたいと思う心。
皆で力を合わせて団体を盛り上げて、より良い場でより良い経験を積ませてあげたいと願う心。
これは皆さん共通の想いだと思います。
競技偏重の果てに、子供の心に傷を負わせることの無きよう、大人は常に気を引き締めて、しっかりと子供たちを見守っていきたいものです。
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