6月12日(火)
前回の続きを書きます。当時の日記にはあまり細かく書いていないので、思い出しながらになり詳しく書けてませんが・・・
18年9月15日(金)朝6:40。寝ているお姉ちゃんをじいじばあばにお願いし、パパの実家を出発しました 行っている間に、なっちゃんが急変しない事を祈りながら・・・。
病院は予約なしで外来として来て欲しいというので、早めに着くようにしました。
そして朝8:20 名古屋市立大学病院着。
初診受付を済ませ、小児科に向かいました。さすが大学病院、小児科でも色んな分野に分かれて診察科がありました。何人かの診察を待った後、夏希の名前が呼ばれました。
50才代くらいの男の先生でした。
私たちは主治医が書いてくれた診断書を渡し、医師はそれに目を通しました。そして「主治医から電話でお聞きしています。」と言われ、私たちからは何も説明する必要もなく手術の話になりました。
簡単に言ってしまうと、動脈管を絞ることによって心臓は楽になるがその分、肺がしんどくなってしまうということだった。どうも、なっちゃんは心臓と肺が微妙なバランスをとっていて(天秤のように)、どちらかが良くなったら(上がったら)、もう一方は悪くなる(下がってしまう)ということらしい。
手術自体はそれほど難しくないが、なっちゃんの場合、今の時点で体重が1285gと少なく、術中や術後のリスクはかなり高いと言われました。
そしてその医師は続けて言いました。「ご両親が手術を望まれるなら致しますが、私は18トリソミーでなくてもお子さん(夏希)に手術はお勧めできません。しんどくなるだけですよ。」
そのような事を言われたと思います。
またその医師は、主治医の事を知っているらしく、「主治医から、はっきり手術は無理だとなかなか言いにくいものなんですよ。」と言ってました。
30分ほどで終わったでしょうか・・・私も主人も納得して診察室を出ました。
病院では初診料のみをお支払いしました。何だか変ですが、ちゃんと夏希の名前が書かれた診察券がもらえて、少し嬉しく感じました。
病院の外に出ると、とても良いお天気でした。
手術は無理だと言われた事・・・それはとってもとっても残念なことではありました。
でもこんな言い方おかしいかもしれないけど・・・私もパパも何故か心の中がすっきりしていました。
なっちゃんが生まれてから、絶望、悲しみ、迷い、困惑・・・それはずっとずっと心の中にあった黒い黒いぶ厚い雲のようでした・・・それが一気になくなった感じがしました。
「よし、なっちゃん!パパママは決めたよ!なっちゃんもわかってくれるよね!!これから○○先生(主治医)の下で一緒に頑張ろうね!!」
帰る前になっちゃんがいる病院に電話しました。もちろん、私達の決断を伝えるためです。 先生と夕方にお話しする約束をし、大学病院を後にしました
16:00 先生に報告
先生は「今日、来てくれると思ってました。」と言いました。 この日の事は、後から先生に頂いたお手紙に書かれていたのですが、
“大学病院から戻られたお父さん・お母さんのお顔を見た瞬間というのは忘れることが出来ません”
とありました。 先生に映った私達はどんな表情してたのだろう・・・。
「手術はせず、今の病院で頑張る決断をしました」とお話しました。そして先生と、担当看護師さん一人と、今後の治療方法を話し、また私達がしたいことを聞いて下さいました。そして私達の為に出来る限りの事をして下さると言ってくれました。
話が終わってから、なっちゃんに面会に行きました
なっちゃんは落ち着いていました。パパママがなっちゃんに話しかけると、ちゃんと聞いているかのように見えました。
・・・こうして長い長い一日は終わりました。
ママの気持ち・・・
そして今。この決断をしたことに後悔はありません。
でも正直な気持ち、「手術をしていればもっと長く一緒にいられたのではないか。なっちゃんをもっと楽にしてあげることが出来たんじゃないか。もしかして他の病院を訪ねていたら出来たのではないのだろうか・・・・・・。」書ききれないほどの想いが溢れて、「なっちゃん。本当に良かったのかな。」そう聞いてしまうこともあります。
でも手術出来なくても、他に出来たことはたくさんあった。私たちもいっぱいいっぱい愛情を注いだ。幸せな時間を過ごせた。それでいい。それで十分。なっちゃんも絶対分かってくれる。
そしてこの病院に残って良かった。先生はなっちゃんが18トリソミーだからと差別することなく、諦めないで必死に頑張ってくれた、なっちゃんやパパママの一番を考えてくれた。そして看護師さん達もとっても可愛がってくれた。
本当に本当にみんなありがとう。
手術という大きな問題に対して、私は偉そうなことはいえません。
手術するから、しないから・・・だからどうだってことはないと思います。私は、「手術しない=延命しない」ことだとずっと心のどこかで自分を責めていました。でもあるママさんが言ってくれました。「手術しない=延命する」って思ってもいいんじゃないかって。
上手く書けないけど・・・手術しないほうがいい、というわけではないんです。
もちろん、18トリソミーだから、短命だからと頭から決め付けてしまう医師なんかに負けないで欲しい。諦めないで欲しい。しっかりと話をして、聞いてくれる医師に出会って、その上で後悔ない決断をして欲しい。
でも、情報が得られなかったり、少なかったりして困っているパパママはたくさんいると思います。これからはそんなパパママの力になりたい、そう思っています。
ついつい感情が入りすぎて書いてしまいました・・・。読んで下さる方、それぞれに色んな感想を持たれたと思います。
でもこれが今の私の素直な気持ちです。最後まで読んでくださって本当にありがとうございました
写真は生後12日目のなっちゃんです。一時は危険な状態でしたが、少しずつ落ち着いて来ました。
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伝わってきました。
いろんな人がいるように、いろんな考えがあると思います。
手術をするという決断も、そしてしないという決断も、苦渋の選択だと思います。
でも私はどちらの選択をしても親は後悔しなくていいと思います。
自分の子供のことを一番考えているのは親だと思うし、その結果でた答えはその子供にとって最善だと思います。
セカンドオピニオンでパパとママが納得する答えが出て、良かったね。なっちゃんもきっと納得しただろうね。
ウチはさら生まれてすぐの頃、パパと手術はしない。と決めたの。
麻酔がどう影響してくるかもわからないし。
これ以上痛い・つらい思いはさせたくない。ってゆうのが一番だったかな。手術しても染色体異常が治るわけぢゃないし。。。
それにさらは今の(手術していない)状態が、絶妙なバランスでいいらしい。
手術に関しては、どうするべきだ!
って決め付ける事は、無理だと思うんだ。
かずママ同様、親が一生懸命考えて出した結論が一番なんだよね。手術したから絶対延命するって事も言い切れないだろうし。逆もあるだろうし。
最近、さらもここまで頑張ってこれたなら、もっと早い段階で手術してあげていたら…。
なんて思ったりもするけど、でも手術しなかったからここまで頑張ってるのかも。って思う。
一番いいのは、手術で染色体異常が治ればいいんだけどね~。それは無理だわね( ̄▽ ̄;)
伝わってきて涙が出ちゃいました。
手術をする事、しない事、どっちも正しくて、そしてそれを
選ぶ事は自分の人生を決めるよりも苦しくて、本当にこんな
選択を強いられる事はこれから先ないんじゃないかって
思えるぐらいパワーが必要ですよね。
私もみらいちゃんの時、無事生まれてたら何か想いも
違ったかもしれないけど、延命にしかならないなら手術しないって
決めました。でも、手術=延命ではないんですね。
この記事でそう思いました。
情報、本当に足りないです。
妊娠中とにかく、何でもいいから情報が欲しかった。
生きてる子がいるって情報、どんな病気なのかって情報、
可能性の情報。。。
何もかも足りなくて、辛かったです。
これからは、そんな人達に少しでも情報を提供できたら
いいですよね。それがなっちゃんの生きた証でもあるんですよね。。
私も「手術」に関してどうのこうの言えないのですが、
前にあーこが入院した時に、私もあーこのことについて
選択を迫られることがありました。
長く悩みました。どうしたらいいのかわからなくて
泣いたりもしました。でも結局、私達は「しない」
選択をしました。
決めた時はこれでいいんだ・・と思い込みましたが、
やっぱり迷いはあります。
でも、その時に看護師さんが言ってくれました。
「お母さん達が、子供のためを思って、真剣に考え、
出した答えに、間違いはないんですよ。」って。
なっちゃんも、きっと納得して満足していると思います。
本当に人生で一番辛い選択でした。かずママさんの言うとおり、考えて考えて出した答えはなっちゃんにとっての最善だと思います。
後悔はないけど、心のどこかで自信がなかったんだと思います・・・。でも自信がつきましたどうもありがとうございます
さらちゃんの手術の決断、以前ブログで読みました。
さらちゃんは手術しなくても、頑張ってこんなに素敵な笑顔を見せてくれてるんだってとても心強く思ってましたさらちゃんも絶妙なバランスをとっていたんだね。。。
私もこれ以上痛い辛い思いをさせたくなかった。それが一番でした。
親が一生懸命考えて納得して出した答えが一番だと思います。それでいいのかなんて子供には聞けないけど、絶対わかってくれる。そう信じてます
本当に手術で染色体異常が治ればいいのに・・・
18トリソミーといってもみんなそれぞれ症状や状態が違うので一概に手術が出来ると言ったわけではないし、また親の想いもそれぞれ違うと思います。私はなっちゃんを見ていて、手術で苦しみながら長く生きるより、幸せな時間を過ごして欲しかった・・・という想いでした。
探しても探しても情報が得られない・・・特にPCが出来ないと更に不安でいっぱいだと思います。
これから先、私たちと同じように苦しい思いをしているパパママがいるなら、力になってあげたいと思います。
ミナモさんが言ってくれたように、なっちゃんの生きた証として・・・
だから大学病院に行った時も何故手術は出来ないのか、詳しく聞くことは出来ませんでした。今だったら突っ込んで話せたのに・・・と残念です
医師でさえ詳しく知っている人も少ないのではないのでしょうか・・・。
なないろさんが言ってくれたように、私も担当医に同じような事を言われました。
「なっちゃんの一番は、大好きなパパママが決めたことなんですよ。だからとても苦しい事だけど、私が決めるのではなく、パパママが決めてあげて下さい。」
あーこちゃんもなっちゃんもパパママが決めた答え、納得して満足してますよね