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8月23日(月曜)ナタマメ入門者の立場から、久々で大幅な改定をしました。
【ナタマメ豆知識】(なた豆予備知識)【8月23日4訂版】
(001) ナタマメは、世界各地で栽培され、食用、薬用、飼料用などに利用されている豆です。多くの種類をまとめた総称としてのナタマメという呼び名と、分類された中の1つの種類としての呼び名があります。ケンブリッジ大学出版の『穀類豆類』(Grain Legumes, 1990, Smartt,J.)によると、ナタマメは、Canavalia属Canavalia亜属のマメで、Canavalia属は4亜属51種から構成されます。
(002) 総称としてのナタマメをナタマメ類とここでは呼ぶことにします。
(003) 分類名としてのナタマメを(赤)ナタマメと呼ぶことにします。学問的にはナタマメと呼ばれますが、栽培や食用薬用の入門者の立場からは、色の濃淡の違いはあれ、赤い花をつける赤花種としてのナタマメを(赤)ナタマメと一目で区別できるようにしました。
(004) ナタマメ属には多くの種類がありますが、入門者にとては、次の5分類で十分と思われます。
(005)【1】シロナタマメ(Canavalia gladiata var. alba Makino)はサヤも豆も食用にふさわしいとされています。白い種子と白い花(白花種)が特徴です。
(006)【2】(赤)ナタマメ(Canavalia gladiata DC.)は若いサヤは食べられるが、豆は弱い毒性を持つので処理後利用します。赤い種子と赤い花(赤花種)が特徴です。
(007)【3】タチナタマメ(Canavalia ensiformis DC.)は若いサヤは食べられるが、豆は強めの毒性を持つので処理を正しくした後に薬用などに利用します。白い種子と淡い紫色の花(青花種)が特徴です。
(008)【4】ハマナタマメ(Canavalia maritima Thou.)は自生種でナタマメ類の知識を念頭に利用するようにしましょう。
(009)【5】タカナタマメ(Canavalia microcarpa Piper)など海外のナタマメ類には、完熟種子に強い毒性を持つものがあるので注意しましょう。
(010) 国内で栽培利用されるナタマメ類は【1】シロナタマメ、【2】(赤)ナタマメ、【3】タチナタマメが主な種類といわれています。
(011) 海外では、中国では【2】(赤)ナタマメが多く、アメリカでは【3】タチナタマメが多いようです。
(012)【2】(赤)ナタマメの海外の主な呼び名は、中国名は、刀豆(Daodou)、大刀豆(Dadaodou)など。英語名はSword Bean(剣豆の意味)など。
(013)【2】(赤)ナタマメの国内の主な呼び名は、ナタマメ、刀豆(なたまめ、とうず)、鉈豆(なたまめ)、タチハキ、帯刀(タテハキ)など。
(014)【3】タチナタマメの海外の主な呼び名は、中国名は、洋刀豆(YangDaodou)、英語名はJack Bean, Horse Bean など。国内では南洋ナタマメと呼ばれた時代もある。
(015) 英語名Jack Beanには、俗称"ジャックと豆の木"(カスタノスペルマム Castanospermum australe Beany)という鑑賞用の木を指すこともあり、成長すると40メートルに達し、やはり大きな莢(サヤ)に豆をつける。
(016) ナタマメ類の学名(Canavalia gladiata)や一般名称(ナタマメ一般、ジャックと豆の木など)は、表記や用法が不統一な場合もあるので、入門者は注意をして栽培試食するよう心がけたい。
(017) ナタマメ類のその他の学名表記例(赤花種と白花種の2分類の場合):赤花種はCanavalia gladiata var. gladiata、白花種はCanavalia gladiata var. albaなど。
(018) ナタマメ類のその他の学名表記例【2】(赤)ナタマメと推定される用例:Canavalia gladiata jacq. DC. 《注》中国福建省の健康医薬品メーカーのホームページ(http://www.fzrm.com/)
(019) ナタマメ類のその他の一般名称(中国名):刀豆子(Daodouzi)、大弋豆(Dayidou)、関刀豆(Guandaodou)、馬刀豆(Madaodou)、刀培豆(Daopeidou)、白刀豆(Baidaodou)など。
(020) ナタマメ類のその他の一般名称(英語名):【3】タチナタマメと推定される用例:One-eye Bean(西インド)、Feijao de Porco(ブラジル)、Horse Gram、Chickasaro Lima Bean、Overlockなど。
(021) ナタマメ類の特徴:熱帯原産の1年生豆科植物。春~初夏に蒔き、秋に収穫します。たくましい成長力が特徴で、2メートルから3メートルに蔓(つる)が伸び、30センチもの大きな莢(さや)に親指の先くらいの豆ができます。
(022) 【2】(赤)ナタマメを中心とするナタマメ類は、中国福建省などの南方で多く栽培され、国内では九州や中国地方の一部など商用栽培地域は限られています。園芸愛好家もときおり栽培している一方、入門者向けの栽培知識や食用知識はあまり普及しておらず、健康食品ブーム(ナタマメ茶など)で効用のみがクローズアップされる傾向があり、毒性や加工(料理方法)などの基本知識の普及がのぞまれます。
(023) 食用としてのナタマメ類は、若い莢(サヤ)をきざんで福神漬けに入れたり、味噌漬けにしたり、白餡(あん)の原料にしたりして利用されています。
(024) 薬用としては古くから漢方で利用されており、現代医学でも【3】タチナタマメのコンカナバリンAやその他の含有成分などを中心に試薬や新たな治療方法開発に研究利用されています。
(025) 伝統・商用栽培地としては、鹿児島県吉田町の「薩摩ナタマメ」、兵庫県春日町の「丹波のナタマメ」などが知られています。
(026) ナタマメ類の毒性と加工(料理方法など)については、→【ナタマメの毒性と調理加工(8月22日草稿2訂版)】を合わせて参照してください。
ナタマメの毒性と調理加工(草稿2訂版)
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8月23日(月曜)ナタマメ入門者の立場から、久々で大幅な改定をしました。
【ナタマメ豆知識】(なた豆予備知識)【8月23日4訂版】
(001) ナタマメは、世界各地で栽培され、食用、薬用、飼料用などに利用されている豆です。多くの種類をまとめた総称としてのナタマメという呼び名と、分類された中の1つの種類としての呼び名があります。ケンブリッジ大学出版の『穀類豆類』(Grain Legumes, 1990, Smartt,J.)によると、ナタマメは、Canavalia属Canavalia亜属のマメで、Canavalia属は4亜属51種から構成されます。
(002) 総称としてのナタマメをナタマメ類とここでは呼ぶことにします。
(003) 分類名としてのナタマメを(赤)ナタマメと呼ぶことにします。学問的にはナタマメと呼ばれますが、栽培や食用薬用の入門者の立場からは、色の濃淡の違いはあれ、赤い花をつける赤花種としてのナタマメを(赤)ナタマメと一目で区別できるようにしました。
(004) ナタマメ属には多くの種類がありますが、入門者にとては、次の5分類で十分と思われます。
(005)【1】シロナタマメ(Canavalia gladiata var. alba Makino)はサヤも豆も食用にふさわしいとされています。白い種子と白い花(白花種)が特徴です。
(006)【2】(赤)ナタマメ(Canavalia gladiata DC.)は若いサヤは食べられるが、豆は弱い毒性を持つので処理後利用します。赤い種子と赤い花(赤花種)が特徴です。
(007)【3】タチナタマメ(Canavalia ensiformis DC.)は若いサヤは食べられるが、豆は強めの毒性を持つので処理を正しくした後に薬用などに利用します。白い種子と淡い紫色の花(青花種)が特徴です。
(008)【4】ハマナタマメ(Canavalia maritima Thou.)は自生種でナタマメ類の知識を念頭に利用するようにしましょう。
(009)【5】タカナタマメ(Canavalia microcarpa Piper)など海外のナタマメ類には、完熟種子に強い毒性を持つものがあるので注意しましょう。
(010) 国内で栽培利用されるナタマメ類は【1】シロナタマメ、【2】(赤)ナタマメ、【3】タチナタマメが主な種類といわれています。
(011) 海外では、中国では【2】(赤)ナタマメが多く、アメリカでは【3】タチナタマメが多いようです。
(012)【2】(赤)ナタマメの海外の主な呼び名は、中国名は、刀豆(Daodou)、大刀豆(Dadaodou)など。英語名はSword Bean(剣豆の意味)など。
(013)【2】(赤)ナタマメの国内の主な呼び名は、ナタマメ、刀豆(なたまめ、とうず)、鉈豆(なたまめ)、タチハキ、帯刀(タテハキ)など。
(014)【3】タチナタマメの海外の主な呼び名は、中国名は、洋刀豆(YangDaodou)、英語名はJack Bean, Horse Bean など。国内では南洋ナタマメと呼ばれた時代もある。
(015) 英語名Jack Beanには、俗称"ジャックと豆の木"(カスタノスペルマム Castanospermum australe Beany)という鑑賞用の木を指すこともあり、成長すると40メートルに達し、やはり大きな莢(サヤ)に豆をつける。
(016) ナタマメ類の学名(Canavalia gladiata)や一般名称(ナタマメ一般、ジャックと豆の木など)は、表記や用法が不統一な場合もあるので、入門者は注意をして栽培試食するよう心がけたい。
(017) ナタマメ類のその他の学名表記例(赤花種と白花種の2分類の場合):赤花種はCanavalia gladiata var. gladiata、白花種はCanavalia gladiata var. albaなど。
(018) ナタマメ類のその他の学名表記例【2】(赤)ナタマメと推定される用例:Canavalia gladiata jacq. DC. 《注》中国福建省の健康医薬品メーカーのホームページ(http://www.fzrm.com/)
(019) ナタマメ類のその他の一般名称(中国名):刀豆子(Daodouzi)、大弋豆(Dayidou)、関刀豆(Guandaodou)、馬刀豆(Madaodou)、刀培豆(Daopeidou)、白刀豆(Baidaodou)など。
(020) ナタマメ類のその他の一般名称(英語名):【3】タチナタマメと推定される用例:One-eye Bean(西インド)、Feijao de Porco(ブラジル)、Horse Gram、Chickasaro Lima Bean、Overlockなど。
(021) ナタマメ類の特徴:熱帯原産の1年生豆科植物。春~初夏に蒔き、秋に収穫します。たくましい成長力が特徴で、2メートルから3メートルに蔓(つる)が伸び、30センチもの大きな莢(さや)に親指の先くらいの豆ができます。
(022) 【2】(赤)ナタマメを中心とするナタマメ類は、中国福建省などの南方で多く栽培され、国内では九州や中国地方の一部など商用栽培地域は限られています。園芸愛好家もときおり栽培している一方、入門者向けの栽培知識や食用知識はあまり普及しておらず、健康食品ブーム(ナタマメ茶など)で効用のみがクローズアップされる傾向があり、毒性や加工(料理方法)などの基本知識の普及がのぞまれます。
(023) 食用としてのナタマメ類は、若い莢(サヤ)をきざんで福神漬けに入れたり、味噌漬けにしたり、白餡(あん)の原料にしたりして利用されています。
(024) 薬用としては古くから漢方で利用されており、現代医学でも【3】タチナタマメのコンカナバリンAやその他の含有成分などを中心に試薬や新たな治療方法開発に研究利用されています。
(025) 伝統・商用栽培地としては、鹿児島県吉田町の「薩摩ナタマメ」、兵庫県春日町の「丹波のナタマメ」などが知られています。
(026) ナタマメ類の毒性と加工(料理方法など)については、→【ナタマメの毒性と調理加工(8月22日草稿2訂版)】を合わせて参照してください。
ナタマメの毒性と調理加工(草稿2訂版)
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