なた豆入門(今年はアニメ『ジャックとナタマメ』に協力!予定?)

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「青刀豆」とか「フランス刀豆」ってご存知ですか?(『なた豆日記』『なた豆入門』共同投稿)

2005-11-20 15:29:48 | Weblog
ふとした偶然から中国の刀豆(なたまめ)に関する第2の成功物語を発見しました。

先に、中国の「魔豆(マジックビーン)」(中国名:Mo Dou)に関する第1の成功物語を紹介しました。これが日本の「マ・メール」に代表される缶入りメッセージ豆の起源だったわけでした。

第2の成功物語は、中国名称「法国細刀豆」(Fa Guo Xi Dao Dou)(日本語訳:フランス細刀豆)の栽培で貴州省の農民たちが潤うお話でした。

とても成功したらしく、国や地方政府の協力のもと、数年で世界各地に輸出するほどの産地に変貌を遂げた話は、農民の新規商品作物への取り組みを象徴する話として、中国各地に報道されました。

私たちは「赤なた豆」と「白なた豆」(特に前者)で、ずいぶんと労力を費やしたので、さらに「青なた豆」やら「フランスなた豆」が出現したことに驚きました!

いったい、この「フランス細刀豆」とは何なのでしょう?
「フランス青刀豆」とも呼ばれるらしく、どうやらこれらは同じ仲間と推測しました。

たくさん中国語の記事がホームページで報道されていたのですが、なかなか写真が見つかりません。

まだ本格栽培が始まってから7~8年しか経たないというフランス産?の刀豆って何なのだろう?疑問は強まるばかり。

なにしろ、貴州省の現地農民ですら「フランス細刀豆ってどんな豆なんだ?長年育ててきた大豆やイネに加えて、そんなものを育てて儲かるのだろうか?」と最初は半信半疑だったとのこと。本格栽培は21世紀に入ってからだというのです。

文献を探しに探しているうちに、ある学術論文の英訳名称が見つかりました。
"Thin French Bean"だそうです。
そこで、アメリカのYAHOO!の画像検索で"French Bean"を探したら、見覚えのある写真が表示されました。トマトと一緒のもあり、貴州省で「トマト」(中国名称:西紅柿[Xi Hong Shi])と一緒に栽培しているという記事と符号します。

そこで、日本のヤフー!で"French Bean"を探したら、「サヤインゲン」「インゲンマメ」であることが分かりました。各種英和辞典でも同じ訳語でした。

ということで、中国で新規商品作物として脚光を浴び、海外に缶入り加工などされて輸出されることとなった「フランス(細)刀豆」、「(フランス)青刀豆」とは、私たちが慣れ親しんできた身近な豆であることが分かりました。

「隠元さんが日本に持ってきたなら、中国が本場じゃないの?」という素朴な疑問が湧きますが、現代中国では一般庶民に普及する形では栽培はあまり行われていなかったのかもしれません。こちらのほうが、意外な事実ですね。

ということで、しばらく休みがちだった私たちのブログに、今回は写真を掲載することはしません。もし、中国の「刀豆」のいろんな写真をご覧になりたい方は、中国のヤフー!(中国名:雅虎[Ya Hu]!)の「図片」検索をすれば、一目瞭然かと存じます。

日本のヤフー!の画面の下に、各国のヤフー!へのリンクがあるので、中国をクリックなさるか、次のアドレスを入力なされば、たまには日本と違った雰囲気に新鮮さを覚えることでしょう:
http://www.yahoo.com.cn/

検索入力欄には「刀豆」と2文字入力なさるか、以下をクリックなさってみてください:
http://image.yahoo.com.cn//search?p=%E5%88%80%E8%B1%86&source=ysearch_www_hptab&ei=UTF-8
(注)ただし、上記画像検索表示は、本稿執筆時点(11月20日)のものです。

なた豆の生育時期と生育地域

2005-11-02 18:20:02 | Weblog
【なた豆は暑さを好む?】

『なた豆日記』に刀豆(なたまめ)の収穫時期を書きました。
生育時期はどうでしょう?

わが家は商業栽培ではありませんので、試行錯誤で育てています。
狭い経験ではありますが、ナタマメは5月のゴールデンウィーク頃から9月の晩夏まで旺盛に成長するようです。

マメールなどの観賞用の玩具は季節に関係なく、発芽さえすれば目的は達成するということらしく一年を通じて発芽はしそうです。
わが家では、1つの缶を購入し、室内で2月中旬に育て始めたと記憶していますが、移植後の生育は春の間はゆっくりでした。

やはり、夏の2~3ヶ月に、人間は汗をかき、刀(なた)豆は水を吸い、ぐんぐん新陳代謝を活発化させるようです。
まさに、ジャックと豆の木の毎日ですね。

【なた豆は植え時より”汗かき時”が大切?】

11月に入り、マメールから育った赤刀豆は、すでにカサカサに乾燥して黄色くなっています。
一方、6月頃に遅れて植えた昨年収穫組の白刀豆たちは、10月頃ようやく栄養満点のサヤがたわわに実り、今でも緑色をしています。
ただ、しっとり感はなくなり、こちらもサヤの表皮は硬くなってきています。

実家では、6月頃に最初に植えた白刀豆が、除草剤の影響で生育不良になりました。
母が7月になって、別の場所に植えた白刀豆が父の組んだ支柱をぐんぐん伝って伸びました。
こちらは、晩夏にたわわなサヤを実らせました。
やはり、今でも緑色をしています。
さすがに、11月に入ると盛んにナタマメの蜜を吸っていた蟻たちも姿を消してしまいました。
蟻が活動を終える頃、刀豆も収穫を迎えるという目安もあるかも知れません。
収穫時期については→『なた豆日記』をご参照ください

赤刀豆の3月から9月という半年くらいの生育期間の内、実際に毎朝びっくり大成長モードに移った期間は暑い2~3ヶ月だったと記憶しています。
ということで、刀豆は、どうやら炎暑の2~3ヶ月を経過すれば、蒔く時期が多少前後しても秋の収穫は期待できるということのようです。

【なた豆の若サヤは時間差栽培が効果的?】

もし、農家で商業栽培をするとしたら、3月の桃の節句あたりから5月のゴールデンウィークくらいまでの間に、数週間ずつずらして植えるとかなり長期間にわたって時間差の収穫が期待できるかも知れません。、

時間差の収穫についてですが、サヤは小指の先からせいぜい中指くらいの未成熟なサヤ自体をそっくり食用にする段階と、秋以降、完熟した豆を目的とする収穫の2つの区別があると思います。

有名な福神漬けに入れる刀豆のサヤのきざみ漬け(中国では醤油漬けともいうらしい)は、前者の収穫です。
成長速度の速い刀豆は、この幼いサヤの期間が短いので、時間差生育はきっと大切だと思います。

ある時期に集中して若いサヤを収穫するという方法もあるでしょうが、我が家の近郊農家などは、少しずつインゲン豆などと同じように販売をしているようです。
農家の説明によると、親指の太さくらいで10センチくらいの刀豆のサヤの片側にテンプラ粉をつけて、揚げて食べるとおいしいということでした。
(赤刀豆か白刀豆か確認していませんが、これくらいの大きさになると毒性には注意したほうがよいと思います)

わが家で白ナタマメのサヤを若いうちに食べたときも、あっという間にサヤが巨大化してしまったので、1週間か2週間で若サヤの試食はできなくなりました。
ということで、ゆでた(白)刀豆の若サヤを食用に使うなら、時間差栽培が有効と思われます。

【なた豆の完熟豆は秋から冬にのんびり収穫する?】

完熟豆を目的とするなら前述したように栽培時期はあまり神経質になる必要はなく、秋から冬にかけて、おいおい収穫すればよいでしょう。
あの忙しかった真夏の思い出をたどりながら。。。
これは趣味の園芸栽培や農家の小規模栽培を想定したお話であります。
大規模な商業栽培は、健康食品や加工商品の製造販売計画に従うのでしょうから、そんなのんびりした話ではないかも知れません。

【なた豆栽培の北限はどこか?】

次に、刀豆の生育地域についての感想です。
南方起源と思われる刀豆の仲間の生育北限はどこなのでしょう?
中国では、福建省などの南方が生育のメッカと思っていましたが、北京に近い河北省などの北方でも刀豆は栽培されていました。
日本では有名な薩摩刀豆などの九州や中国・関東・東海地域などの本州までやはり広い地域で栽培は可能なようです。
知人によると、寒暖の差が大きい諏訪湖周辺の山間部(傾斜地)でも大きな刀豆のサヤが収穫できたそうです。

ただ、北海道では巨大な刀豆のサヤがたくさん収穫できたという話をあまり聞きません。
わが家の白刀豆を札幌郊外の親戚にわけてあげたのですが、6月に植えたせいもあるのでしょうが、花は咲いたがサヤはできなかったということです。
北海道では本州と違い、真夏の炎暑期間が短いので、5月くらいまでには植えないとサヤの生育期間が確保できないのではないかと親戚は言っていました。
つまり、植える時期も大切ですが、一定の暑い期間が確保されないといけないようです。

たぶん、2ヶ月程度は、毎日、汗をかきかき人間が急成長する豆たちの根に水をやらねばいけないということでしょう。
おそらく、米も日照時間とかが大切な収穫の条件のひとつになるので、刀豆も似たことがいえるのかも知れません。

北海道で刀豆が大規模に収穫できれば、米の一大産地である北海道に新たな商品作物が加わることになるのではないでしょうか?
上手に育てれば、刀豆も北海道でぐんぐん育てられるのではないかと想像しています。
来年は、早めにわが家の白刀豆を親戚に送ってあげるつもりです。