直木三十五記念館の日々

直木賞にその名を残す直木三十五の記念館は市民参加型のミュージアム。運営の悪戦苦闘をストレートにお伝えします。

43歳という年齢

2006年12月11日 | Weblog
 私事ながら先日43歳になった。普通の人にとっては何の意味も持たない43歳という年齢であるが、私にとってはある大きな分水嶺のような年齢である。
 実に恥ずかしいことであるが20歳の時分に書いた日記めいたものをたまたま先日部屋の整理をしていて発見した。そのには「本物の詩人は24歳で死に、ロックスターは27歳で死ぬ。ついでながら作家は43歳で死に、映画監督は60歳で死ぬ。」と書いてある。24歳で死ぬ詩人とはホイットマン、ロートレアモンで、27歳のロックスターはジミヘンドリックス、ジムモリソン、ブライアンジョーンズ、ジャニスジョプリンのことで(余談ながらニルバーナのカートコバーンも27歳で死んでいる。)、43歳の小説家はスコットフィッツジェラルドで、60歳の映画監督は小津安二郎である。偶然であるが直木三十五も43歳で生涯を閉じた。そして私も43歳になった。
 20歳の頃には死んでもいいから世の中に影響力を与えたいと真剣に思った。24歳も27歳もずっと向こうのことと思っていた。
 24歳の私は小林一三や堤康次郎みたいな実業家になることを考えて詩人にはなれないと思った。
 27歳を過ぎる頃には自分がミュージシャンであるはずがない現実は、当たり前として受け入れていた。その代わり長生きさせてもらうのだと思った。
 そして今43歳になった。私は小説家でない。直木三十五の唯の熱烈な信仰者でせめて伝導師たらんと思っている。まだまだ長生きできそうである。