Nの目線

箏弾き菊地奈緒子の360°に向けられた眼差し

シンプルだからこそ..

2007-07-21 20:18:46 | Weblog
今日は所属している沢井箏曲院の講師免許資格のための試験のお手伝いをしてきました.
沢井箏曲院の場合、筆記、ソルフェージュ、の他、実技で課題の古典曲(歌もの)、三弦、現代曲とあり、さらに自由曲、とさまざまな事をこなさなくてはいけないので大変なのですが、教える資格を得る事になると思うと、やはりそのくらいの壁は乗り越えないといけないとは感じます.
私の担当は調弦(チューニング)室の監督だったのですが、自由曲の調弦は決められた時間内にしなければいけないので、やはり受験生の方は緊張しているせいか、様々なハプニングもあり、監督とは言え、内心ハラハラしながら見守っていました.
箏の場合、調弦はとても重要な要素を持ち、それを経験や訓練で養う事で、楽器と本当の意味で向合って演奏出来るのではないかと考えています.箏は単純なつくりのせいか、気温や室温の変化などのコンディションで、演奏中に絃の調子が狂う事も多々あり、それに機敏に対応していかなくてはならず、また、機械(チューニングメーター)ではどうしてもきれいに響かない音を自分で調整していくなど、やはり耳を鍛えていく事は本当に重要な事です.でもなかなか、演奏技術に目先が向いて、核にある自分が出している音を聴いていくという事になかなか時間を割く事をしていないというのが今の現状です.
この楽器を演奏する事を選んだ時点で調弦はついて回る事なので、やはりじっくりと向合う時間が必要なのでは、、、としみじみ感じた1日でした.