山形大会が無事に終わった。
と言っても、私は今回も応援団。
自営業ゆえお客様中心の毎日。
試合に出場したくてもままならない。
それにしても、山形大会は素晴らしいといつも誇らしく思う。
実行委員の皆さんが手慣れていて、進行もスムーズ。
会場も綺麗で音響も良く、選手たちに気持良く踊っていただけたのではないだろうか。
本当に感謝!ですね。
Sさんが初めて私の前に現れたのは10年くらい前。
私の師匠のサークルに、ダンスを習いに来たのだ。
Sさんは背骨の大手術をしたばかりで、少し足を引きずり手は小刻みに震えていた。
「冥土の土産にダンスを習いに来ました」
そう言って笑うSさんに心を打たれ、私もダンスでリハビリするお手伝いをした。
彼はだんだんに健康を取り戻していった。
「冥土の土産に競技に挑戦したいんです。」
70歳近くなったSさんは、一昨年から初心者パートナーと組んで出場しはじめた。
だが何度アドバイスしても、背中が丸まって首が前に出て、不器用そうな踊りになる。
そう簡単に勝てるわけがなく、毎回出ると負けの状態だった。
ある大会で出番前に二人が練習していると、そばにいた他県の選手たちが
「見て、あれで試合に出るんだって」
と指さして笑っているのを目にし、私は怒りで頭に血が上った。
師匠と私は決意した。
絶対に二人を表彰台に乗せると。
音楽と姿勢とPPからのフットワーク。
注意点をこの3点のみに絞った。
二人は一生懸命練習し、ジャッジはこの二人の努力を認めてくださった。
そしてSさん達は、3級戦の表彰台の1番高い所に立ってメダルをいただいた。
師匠と私は顔を見合わせてガッツポーズした。
お祝いの握手をしながら、私はSさんにたずねた。
「どう?冥土の土産になった?」
するとSさんは朗らかに答えた。
「いや~、ダンス最高だから、とうぶん冥土に行かないことにします」
そうね、Sさん。冥土の土産を準備するには早すぎます。
でも、この感動は私の冥土の土産になりますよ。
ありがとう。
by.柴田敦子
と言っても、私は今回も応援団。
自営業ゆえお客様中心の毎日。
試合に出場したくてもままならない。
それにしても、山形大会は素晴らしいといつも誇らしく思う。
実行委員の皆さんが手慣れていて、進行もスムーズ。
会場も綺麗で音響も良く、選手たちに気持良く踊っていただけたのではないだろうか。
本当に感謝!ですね。
Sさんが初めて私の前に現れたのは10年くらい前。
私の師匠のサークルに、ダンスを習いに来たのだ。
Sさんは背骨の大手術をしたばかりで、少し足を引きずり手は小刻みに震えていた。
「冥土の土産にダンスを習いに来ました」
そう言って笑うSさんに心を打たれ、私もダンスでリハビリするお手伝いをした。
彼はだんだんに健康を取り戻していった。
「冥土の土産に競技に挑戦したいんです。」
70歳近くなったSさんは、一昨年から初心者パートナーと組んで出場しはじめた。
だが何度アドバイスしても、背中が丸まって首が前に出て、不器用そうな踊りになる。
そう簡単に勝てるわけがなく、毎回出ると負けの状態だった。
ある大会で出番前に二人が練習していると、そばにいた他県の選手たちが
「見て、あれで試合に出るんだって」
と指さして笑っているのを目にし、私は怒りで頭に血が上った。
師匠と私は決意した。
絶対に二人を表彰台に乗せると。
音楽と姿勢とPPからのフットワーク。
注意点をこの3点のみに絞った。
二人は一生懸命練習し、ジャッジはこの二人の努力を認めてくださった。
そしてSさん達は、3級戦の表彰台の1番高い所に立ってメダルをいただいた。
師匠と私は顔を見合わせてガッツポーズした。
お祝いの握手をしながら、私はSさんにたずねた。
「どう?冥土の土産になった?」
するとSさんは朗らかに答えた。
「いや~、ダンス最高だから、とうぶん冥土に行かないことにします」
そうね、Sさん。冥土の土産を準備するには早すぎます。
でも、この感動は私の冥土の土産になりますよ。
ありがとう。
by.柴田敦子