有期雇用法制を審議している厚生労働省労働政策審議会労働条件分科会が、2月3日に開かれました。
審議の模様を、働く女性の全国センター(ACW2)が、HP上で公開されています。ぜひご覧ください。
傍聴記を見る限り、経営側の抵抗の強さが目につきます。(以下、一部意訳を含みます)
「有期雇用は良好な雇用形態として活用されている」
「通常は雇い止めを考えているわけではないが、非常事態の際に雇用調整できる」
「労働側が提出した労働相談の事例は現行法に抵触しているような事例で特別な事例」
「契約更新を重ねている事例が多いのは雇用の安定ということ。待遇の改善は求めていても正社員になりたいという声は少ない」
「安定雇用、正社員採用へのステップとして有期雇用は役割を果たしている」
「有期雇用でも、豊かな人生があると見出す意識を持たないと、だめ」
働くものの生活や健康をどこまで軽く見たら気がすむのか、怒りがこみあげてきます。
また、審議会前に学者の研究会で提案された、無期雇用でも正社員とは別の「勤務地限定正社員」。正社員という名を使いながら、さらに格差を持ち込もうとするものとしか思えないこの提案にも、経営側は「多様な正社員の議論重要」と、歓迎しています。
「雇用は無期契約である」ことを前提とする法制化でなければ意味はありません。逆に、有期雇用にお墨付きを与え、劣悪な雇用、賃金、労働条件を固定化させてしまう危険性のほうが多いと思います。
審議会を見守るのではなく、有期雇用で働いている当事者の声を、もっともっとぶつけていきたいです。