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「はい!」
なんでも仙人は言葉を大切に扱うように、ゆっくりと話しだした。
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「全体に!」
私は息をのんだ。
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全体によいエネルギーの渦が巻いたかどうか?が、魅力に関わってくるわけじゃ。
みなは魅力的な人とは、特別な人を思い描こうが、
全体によいエネルギーの渦を巻くことは、実は誰にでもできる。」
「誰にでも?」
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なんでも仙人は力強く頷いた。
「どうやったら全体によいエネルギーの渦が巻けるんですか?」
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先ほども申したが、人は自己重要感を渇望しておろう?
誰しも人から感謝されたいと思うておる。
ゆえ、お互いの足りないところや、苦手なところを補い合い、
その際感謝の言葉を心から伝え合えた時、そこにはお互いが喜ぶ愛のエネルギーが満ちるのじゃ。
これが全体によいエネルギーの渦が巻くということのひとつの例でもある。」
「なるほど!」
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誰かが感動する話をしていたとする。
その話を聴いている者は、うんうんとうなずきながら熱心に話を聴こう?」
「はい。」
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「えっ?話し手が与えているんじゃなくて?」
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「見えます。」
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話し手の自己重要感をグンとアップさせているのじゃよ。
つまり話し手は、聴き手からエネルギーをもらっているということじゃな。」
「なんと!」
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「はい、気付きません。」
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「そうですね。」
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『今日はこんなに熱心に話をきいてもらって、本当にありがとうございました!嬉しかったです。
わたしもみなさんからエネルギーをいっぱいいただきました。』と伝えたら、聴き手はどう感じるかな?」
「そりゃぁ嬉しいですよ!
素敵な話をしてくださった方からそんな言葉をいただいたら、
きっとすごく嬉しくなると思います!それだけで、今日一日、いい笑顔でいられると思います。」
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これが全体によきエネルギーの渦が巻くということじゃな。」
「なるほど!」
私は深くうなった。
魅力的な人って、誰でもなれるんだ。
特別なことじゃないんだ。
上手く話せなくても、うんうんと聴いてるだけでも、魅力的な人になれるんだ。
なんでも仙人はそんな私の心の動きを、ニコニコしながら見守ってくれている。
とても嬉しそうだ。
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しかし至らない自分でも、魅力的な人になれるんだと知った者の心が、どれくらい救われるか・・・。
分るかね?」
「はい、分かります!」
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「はい!」
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世の中によきエネルギーの渦が巻こう?」
「はい!」
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「!!」
なんでも仙人と話していると不思議だ。
今まで見ていた世界が、全く違った輝きに満ちた世界に見えてくる。
世の中は何も変わっていないのに、見ている景色や、人の輝きまで違って見えてきてしまう。
まさにパラダイムシフトだ。
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「はい。今まで自分の体の弱さを責めていたのが、なんだか少しゆるんだような気がします。
いい子いい子してあげたい気分になってきました。」
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なんでも仙人は嬉しそうにほほ笑んだ。
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「そうですね。」
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「はい。」
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『わたしの体はみんなのおかげで、どんどん元気になっていく』
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ゆえ、最初からこの言葉を使ってもよいのじゃが、
それだと欠点を最大の魅力に変える域にまでたどりつかぬのじゃよ。」
「!!」
深い!深すぎるなんでも仙人!
わたしは心の中でうなった。
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どれだけ自分を許してあげられたか?どれだけ相手を許してあげられたか?
それを学ぶために、人は何度も生まれ変わっては人生の続きを生きている。
欠点は最大の魅力になる輝きを含んでいるのじゃ。
そのことをみなが知った時、多くの者が救われる。この世が天国へと変わるのじゃ。」
「はい!」
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