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「源氏物語」は伝え方が10割

「理系学生が読む古典和歌」
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(注770065):いそのかみ ふるから小野の「もとかしは」

2021-01-14 05:04:15 | <皇統断絶>

 

(注770065):いそのかみ ふるから小野の「もとかしは」


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(古今和歌集886 よみ人知らず).
いそのかみ ふるから小野の「もとかしは」 本の心は わすられんくに (雑歌、上)
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「いそのかみ(五十の神)」<五十代の天皇><仲哀天皇>
「古幹」<古い茎><枯れた幹>

「もとかしは」<応神天皇への代替わり(大嘗祭)に際して、生贄として捧げられた仲哀天皇>

「小野」「篠竹」<不義の子><応神天皇>

 

「もとかしは」は、「もどかし」を連想させます。

「もどかし」(シク活用形容詞)<動詞「もどく」の形容詞形><非難すべきだ><気に食わない><良くない><思い通りにいかない><もどかしい><はがゆい><じれったい><いらだたしい>


****参照:(注456786)b:「終止形」<体言相当の働き>b

 

「わする(忘る)」ラ行四段他動詞<忘れる><うっかり忘れる><忘れようとする><意識して忘れる><強いて思い出さないよう努める>

「忘られなくに」<打消助動詞「ず」のク語法><~ないのに><~ないものを><~ないのだなあ>
「忘られんくに」は音便形。

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(古今和歌集909 藤原おきかぜ).
たれをかも しる人にせん たかさごの まつもむかしの 友ならなくに
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「なくに」の「くに」が「くに(国)」を連想させることも興味を引きます。


この和歌に、上記の連想イメージを重ねて、あえて訳出してみましょう。


石上            本柏
いそのかみ ふるから小野の もとかしは 本の心は わすられんくに (雑歌、上)
五十の神          もどかし


(古今和歌集886 よみ人知らず).<鎮魂><読み替え>
「いそのかみ(五十の神)」<五十代の天皇><仲哀天皇>の、
「古幹」<古い茎><枯れた幹>が、
小野の「篠竹」<不義の子><応神天皇>への代替わり(大嘗祭)に際して、生贄として捧げられた「もとかしは」のようであり、
(「もどかし」<(然るべき皇統でなく)非難すべき>だと思われるのは)、
本来の皇統たる仲哀天皇の心が忘れられないからだ。


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(注747461):源氏物語因縁の「紫」の歌:天智天皇、天武天皇、額田王の三角関係

2021-01-12 09:41:55 | <皇統断絶>


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(注747461):源氏物語因縁の「紫」の歌:天智天皇、天武天皇、額田王の三角関係


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天智天皇、天武天皇、額田王の三角関係を暗示するとも言われる次の歌は、源氏物語因縁の「紫」の歌でもあります。
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(万葉集1-20).茜さす 紫野行き 標野行き 野守は見ずや 君が袖振る (額田王)
(万葉集1-21).紫草の にほへる妹を 憎くあらば 人妻故に 我恋ひめやも (大海人皇子=天武天皇)
@(万葉集1-21)A.紫草のように美しいあなた(額田王)を憎く思うはずはない。でも、あなたは人妻だから、私が恋することが出来ようか(出来ない)。
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額田王の夫となった天智天皇の前で、大海人皇子(のちの天武天皇)が堂々と詠んだといわれる歌です。


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