YOSHIの果てしない旅(人々との出会い、そして別れ)

ソ連、西欧列車の旅、英国滞在、欧州横断ヒッチ、イスラエルのキブツ生活、シルクロード、インド、豪州大陸横断ヒッチの旅の話。

テルアビブの様子~テルアビブの旅

2021-12-12 08:31:39 | 「YOSHIの果てしない旅」 第8章 イスラエルの旅
・昭和43年12月11日(水)曇り(テルアビブの様子)
 昨日は私の誕生日、長倉とレストランでお喋りしたり、午後ボーリング場へ行って過ごしたりした。遊ぶ程の金がある訳ではなかったが、誕生日なので彼に付き合った。 
 今日キブツへ行く予定であったが、取り止めて明日にする事にした。長倉もHaifa(ハイファ)へ旅立予定であったが、明日行くことになった。
 テルアビブはイスラエルの首都であるが、イスラエル人の雰囲気として、或は心情として、Jerusalem(エルサレム)を首都にしたいらしい。テルアビブの建物は、建国してから建てたから、殆んど新しかった。個人の住宅は皆、高床式になっていたのが特徴的であった。6日戦争でテルアビブの街が攻撃させた様な痕は、ロッド空港を除いて私の見た範囲内で全く無かった。                                                                                                                                                                                                 
 イスラエルに入国した時の乗合タクシー(シェルート)運転手以外、イスラエルの人々は概ね親切、友好的であった。そしてテルアビブは明るく、住み良い感じがする街であった。それでは街の様子が全く平和そのもの、と言う訳ではなかった。街の至る所でやたらと銃を肩から提げ、迷彩服を着た兵士達の姿が目に付いた。彼等はレストランで食事中でも、ショッピング ストアで買物中でも、通りを歩いている時でも、乗用車を運転中でも、皆兵士は片時も銃を放していなかった。彼等は、一般生活をしながらいつでも臨戦態勢の状態であり、「平和になった」と言う状態ではなかった。
 しかも兵士は、何も男性だけでなかった。街の至る所で多くの女性兵士も目に付いた。綺麗な女性も迷彩服を着て、銃を肩から提げていた。女性が銃を担いだ姿を、「格好良い」と言うだけでは済まされない一面がこの国にはある、と思った。「自分達が戦い、独立を成し遂げたこの国を守らなければならない」と言う、彼らの強い意識を感じた。そして人口が少ないこの国は、女性も兵力として国防の一端を担わなければならなかった。そんな理由からであろうか、この国は、男女問わず皆、徴兵制であった。