ナカナカピエロ おきらくごくらく

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

空中ブランコ

2012-09-19 00:14:12 | 日記
空中ブランコ

何か暗闇の中にいるのに、やけに騒々しいな。何か寝ぼけているのか、頭が回らない。目を開けようとしたら、外がまぶしすぎて、目がなかなか開けない。光を避けながら、下を見たら地上の高み。Meは空中ブランコのお立ち台に。皆の愉快そうな笑いと喝采の中、サーカスの団長が鞭を振るった。

さあ、みんなが待ちに待った空中ブランコだ!今日は特別だよ。ピエロの空中ブランコだ!さあ拍手だ、拍手。今日のフィナーレを飾ってくれる、上のお立ち台にいるのはピエロだ!

観衆の視線を浴び、スポットライトが当たった 。まだ外気になれない目で周りの様子を伺う。手を振ろうとしたら、後ろ手にまわされて縄で縛られていた。そして両足にも縄が。Meは身動きできなかったが、せめてもの笑顔を観衆に送った。

観衆がどっとざわめく。生死の境を歩く心境を如何に面白く観衆に見せるかがピエロの役目。さあ、Meにブランコがやってきた。しかしそこには坐るべき台の代わりに丸い輪に縛られた縄があった。

さあ、フィナーレだ!空中ブランコだ。今夜のお客さんはついているよ!このショーは滅多やたらににやらないよ!さあ、ご覧に見せよう!空中ブランコで ピエロの首吊りだ!

そうすると、劇団員が無理やり、Meの頭に麻袋をかぶせて、縄の輪っかを首にかけた。そしてMeの背中を劇団員の一人が押した。

どうやらMeの首は半分ちぎれたらしい。血が麻袋の中で飛び散った。意識が薄れていく中、観衆の喝采と嘲笑だけが聞こえた。

これを幸福として捉えるか不幸として捉えるかは観衆の自由だ。とにかくMeの人生は終わった。どんな形であれ。

FINITE.
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする