失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「春なのに」 柏原芳恵 1983年

2013-03-29 | ユーミンみゆき
柏原芳恵の14th&18thシングル。2曲とも1983年作品。

「FSリクエストSERIES」の一枚として1994年に8㎝化。ジャケに「中島みゆき=柏原芳恵コンビの2大スマッシュ・ヒット!」のコピーあり。

①春なのに 
作詞・作曲:中島みゆき、編曲:服部克久・J.サレッス
思いっきり昭和なムードで、ストリングスが情緒過剰気味に盛り上げるイントロ。卒業式のひとコマ「さみしくなるよ それだけですか」のあと「むこうで友だち 呼んでますね」の臨場感!みゆきさんのテクニックに唸る。つづくBメロ「流れる季節たちを 微笑みで~」のつなぎも見事。無理なくドラマチックなサビへとなだれ込む。芳恵さんも17歳とは思えぬ超高校級の表現力で、じっくり抑えた感情をサビで爆発させている。リアルタイムのヒット曲として聴いていた私にとっては、否定しようのない定番卒業ソングのひとつ。2年後、1985年の「卒業」ブーム(?)の斉藤由貴や菊池桃子の同世代感と比べると、芳恵さんはちょっと大人のお姉さんだった。誰もが認めるフェロモン系だしね。

②カム・フラージュ 
作詞・作曲:中島みゆき、編曲:萩田光雄
こちらはイントロからエレキギターが炸裂するアグレッシブなアレンジ。攻撃的なビートに乗せて、男の都合で本命の身代わりに連れ歩かれる女の悲哀が描かれる。「誰をかばってるの」「わたしは あなたの 偽物両思い」…みゆき節全開だな。高校卒業がテーマの①と同じ年にこんなの歌わされちゃうのだから、芸能界って恐ろしい。さすがに芳恵さんには荷が重かったのでは?この背伸び感に萌え、を狙ったなら成功してるのかも。

③春なのに(オリジナル・カラオケ)
デビュー30周年記念企画第2弾『Live&Rarities CD+DVD BOX』(2010)に収録された。

④カム・フラージュ(オリジナル・カラオケ)
こちらはおそらくこの8㎝でしか聴けないレアトラック。

定価1000円、中古で525円。
その後の妖艶熟女化を知っているせいか、妙にマニアックに見えてしまうセーラー服姿。当時リアル女子高生だから問題ないのだけど。

オリジナルアナログ7インチのジャケと微妙に違う、同じセッションのアウトテイク。わざわざこの再発8㎝のために、写真を新たに選んでいるわけだ。そんなにビジュアルに手間をかけているのに、クレジットが致命的に雑。表に「中島みゆき」の名前出したからって、作詞作曲編曲クレジット割愛するのはダメだろう。



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