失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「どうぞこのまま」 川越美和 1991年

2017-06-13 | アイドル系
川越美和の8thシングル。

7th「涙くんさよなら」はパッとしないカヴァーだけどドラマタイアップできっと売れたんだろう。

続いてリリースされたのは70年代女性SSWのカヴァー。カヴァー2連発だけど前作とはかなり趣きが異なり、ジャケどおりのアダルト路線へ。

①どうぞこのまま
作詞・作曲:丸山圭子、編曲:安藤高弘
オリジナルは丸山圭子、1976年。私がイメージする「ニューアダルトミュージック」にすっぽりはまる作品。「雨都物語」で完成されたスモーキー唱法はハマクラよりも昭和お色気歌謡にフィットするだろうと考えた人えらい。荒井由実「あの日にかえりたい」(1975)に影響を受けたと思われるオリジナルのボッサテイストとはまた別の70年代感があるラテンアレンジにのせ、雨の風景がじっとり湿度高めに歌われる。明示はされないが、不倫関係を匂わせる内容。そりゃ丸山圭子に比べれば不安定だし、アダルトな世界観を表現するには幼いのは仕方ない。しかしゴエさんが「ただ ひたむきに」とため息まじりに歌うとき、本物のアダルトには真似のできない切迫感があるのは確か。18歳にして影を背負った歌声を聴かせる表現者・川越美和のひとつの到達点。
3rdアルバム『ジェーン・バーキンのように泣けばいい』(1991)にはリミックスヴァージョンを収録。

②心はいつだって
作詞:小杉幸代、作曲:立花瞳、編曲:安藤高弘
もうゴエ'sシングルの定番ともいえる「明るい曲調だとかえって寂しい」シリーズ。高めの音域で斉藤由貴に似てるところがあるな。
完全アルバム未収録作。

③①のカラオケ

定価900円、レンタル落ち100円。
髪をアップにまとめ、顔の左半分が陰になったジャケは次作「さよならという殺意」と共通。真っ赤な口紅と大人メイクで脱少女をアピールする18歳。どことなく疲れたようにも見えるのは、内容に合わせて作った表情なのか。



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