未知との遭遇・見えないイメージの探索

主人公ロイは、日常生活に見え隠れする奇妙なイメージを追い求め、ついに未知のターゲットに遭遇する

ウーマン・イン・ホワイト

2007-06-17 19:02:27 | Weblog
先週の続き
日本版公演は、前回ブログに書くために調べて知った。タイトルは、ウーマン・イン・ホワイト なんだ・・・関西では、普通に暮らしていると(テレビ・新聞だけでは)、関東公演の情報は入らない。

3年前、アンドリュー・ロイド・ウェッバーの新作ということで、CDをゲットして、
すぐにウィルキー・コリンズの原作「白衣の女」を図書館で探して読んでみたわけだけど、
感想を書くのに、CD を聞きなおして、というよりブックレットの歌詞を再度追ってみて、改めて気が付いたこと、原作の方が、断然抜きん出て面白い。

ミュージカルのCDは、寝物語に聞いていると、ミステリアスな導入部から、会話をベースにした展開に入って、うとうとし始めて、しばらくすると、悲鳴とドラマチックな音楽で盛り上がってきて、目がさめてしまう、という繰り返しになる。

原作は、文庫本で3巻あり、とても2時間のミュージカルに圧縮できない。特に前に書いたけど、原作では、秘密結社の陰謀が絡んでいて、抹殺された戸籍の調査や、マリアンとフォスコの駆け引きなど、手に汗握る展開で、ミュージカルでは、多くがばっさりと切り捨てられている。このあたり、ダ・ヴィンチ・コードと比べてみると面白い。ダ・ヴィンチ・コードの映画では、できる限り原作の内容を盛り込むために、圧縮されたレヴュー という印象になってしまった。ミュージカルではそうはいかない。シーンとして採用すれば、その場面での感情の動きなどを、長々と歌い上げないといけない。

ミュージカルでは、当然音楽が主役だし、歌い手ののりがその公演の成否を決める。
しかし、そののりを決めるのは、観客ののりであって、観客が乗って役者も乗れる。

オリジナル・ロンドン・キャストのCDは、初演のレコーディングで、いくつか観客の拍手や歓声などで曲が聞き取りにくいところだけ、後で録音しなおしたという。
CDの最後に、オリジナルの舞台のレコーディングも捨てられない、という見本がボーナストラックとして入っている。これを聞いてみると、このすばらしいパフォーマンスは、CDの本編のどこに再録されているのか、と聞きなおしてみたくなる。そして、のりの違いでここまで曲想が変わるのか、と感心することになる。


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