ここのオランダ人の婦長さんは独身で、日本の兵隊と仲が良いといううわさがあった。なんでも作業に行った兵隊とキスをしたということも聞いた。私達と一緒に行っていた兵長を彼氏に指定して専属にしたそうだ。指定された兵長は毎日通っていたが、昼食は向こうで用意するし、ご馳走を作っては土産に持たせるので、同じ幕舎の者は大喜びだったそうだ。
指定されるのはいろいろの仕事もせねばならぬので、精力をつけさせる為にご馳走するのだと言う者もいたが、その兵長さんはおとなしい物静かな人で私よりチョッと年のいったような気がした。
それからは、後産の始末、ゴミの取り集め、庭の清掃などやらされたが、後産なんか、暑い気温なのですぐ腐って容器に蓋はしてあったが、いやな臭いがしたし、時には嬰児の死体が放り込んであったりしたそうだ。これらは病院の一定の場所に集められ、作業隊員の乗ったゴミ運搬車で焼却場に運ばれたいた。
これが暫く続いたが、ある日、赤旗を巻いて病院からすごすごと出て行く現地人の姿を見たが、その翌日、ストライキの指導幹部級の者と話したが、
「日本の兵隊がいるから、ストライキをしても負ける。我々は非常に困る」と言う。そこで
「我々日本の兵隊がここにいる間は、君たちが何回ストライキをしても勝つことは出来ない。いつも負けだ。」
「それではどうすれば良いのか」
「我々を一刻も早く日本に返す運動をしなければ駄目だ。我々がここに来て仕事をしているのは英軍の命令だから仕方がないのだ。」 と説明したが、分かったような分からないような顔をして、その痩せぎすの男は帰って行った。それでこのストライキは現地人従業員の負けに終わり、元通り作業することになったので、私達の病院作業も終わった。
指定されるのはいろいろの仕事もせねばならぬので、精力をつけさせる為にご馳走するのだと言う者もいたが、その兵長さんはおとなしい物静かな人で私よりチョッと年のいったような気がした。
それからは、後産の始末、ゴミの取り集め、庭の清掃などやらされたが、後産なんか、暑い気温なのですぐ腐って容器に蓋はしてあったが、いやな臭いがしたし、時には嬰児の死体が放り込んであったりしたそうだ。これらは病院の一定の場所に集められ、作業隊員の乗ったゴミ運搬車で焼却場に運ばれたいた。
これが暫く続いたが、ある日、赤旗を巻いて病院からすごすごと出て行く現地人の姿を見たが、その翌日、ストライキの指導幹部級の者と話したが、
「日本の兵隊がいるから、ストライキをしても負ける。我々は非常に困る」と言う。そこで
「我々日本の兵隊がここにいる間は、君たちが何回ストライキをしても勝つことは出来ない。いつも負けだ。」
「それではどうすれば良いのか」
「我々を一刻も早く日本に返す運動をしなければ駄目だ。我々がここに来て仕事をしているのは英軍の命令だから仕方がないのだ。」 と説明したが、分かったような分からないような顔をして、その痩せぎすの男は帰って行った。それでこのストライキは現地人従業員の負けに終わり、元通り作業することになったので、私達の病院作業も終わった。