「私の従軍記」 子供たちへ

平成元年父の誕生日に贈ってくれた本、応召されて帰還するまでの4年間の従軍記を今感謝を込めてブログに載せてみたいと思います

英軍のレーション

2006-09-12 10:55:19 | Weblog
 この頃だったか、英軍のレーションなるものが各自1個づつ配給された。13,5cm×14,3cm、厚さ4,3cm青緑色のアルミ製で密封されて上面には銀色の英字の印刷があった。
 「何だ。オイこれは何て書いてあるんだ?」と読めるものに聞くと
 「これは英軍の携帯食糧だ。朝、昼、晩の3種類があるそうだ」と分かった。
 付けてあった缶きりで空けて見ると、ビスケット、チーズ、チョコレート、肉の缶詰が2種類、タバコ、安全かみそりの刃、菓子などがぎっしり詰まっていた
 「ヘエー、これが1食分かい、大したもんだなあ、我々日本軍の乾麺炮と比べると贅沢なもんだ」
 輸送船の南瓜汁とは雲泥の差だ。こんなのを食っておれば体力の消耗は無かろう、戦闘も充分出来ようと話し合った。
 レーションの種類によっては、釣り糸の入ったのや、黒人用とか言って18cm×12cm、厚さ5,7cmの大型のもの、これは少し、質は落ちたが3食分入っていたと思う。
 レーションの配給は5,6回あったが、ジュロンに移ってからの分は内地に帰ってからの食糧にするんだと言って、誰も開けずにしまって置いた。