ハーモニー・オブ・ザ・デッド
原題のextinctionはこの映画の場合は死滅、
という意味が適切か。
突如ハーモニーという街を襲った疫病により、
人類は化物に変貌し、死滅寸前に追いやられる。
という冒頭のバスシーンから9年後が舞台。
9歳のルーと父親ジャック、ジャックの親友の
パトリックの3人が主人公。
世界は雪に覆われ、人類は死滅寸前。
ジャックとルーの親子とパトリックは、
たった3人しかいないのに、別々の家に住み、
ルーはパトリックのことを「お隣さん」
と呼ぶ。ジャックは何やらパトリックを嫌い、
娘にはお隣さんには近づくな、と言っている。
パトリックは積極的に外に出て、鹿などの獣を
殺して肉を食べるが、ジャックは滅多に外に
出ない。パトリックの友だちは飼い犬だけ。
異常な世界での、父と娘の日常風景。
この辺りの人間関係がこの映画の見どころ。
ゾンビ映画を期待している人は諦めよう。
これはいわゆるゾンビ映画のパニックはなく、
ジワジワと「得体の知れないモノ」が忍び寄り、
ジリジリとした恐怖を体感する映画だ。
そして化物のディテールが素晴らしい。
純粋に「怖い」と思える見た目と、
恐怖心を煽る演出は一流映画をも超越している。
オチが素晴らしいなんて映画は殆どないけれど、
この映画はオチもそんなに悪くないし、
最後まで安心して怖がれる映画。
クラウンに90点付けたから、比較すると、
やはりクラウンの方が微差で勝ってるので、
89点という得点にしたけれど、
このハーモニー・オブ・ザ・デッドも、
かなり秀作であるので、お勧めには違いない。
ちなみに主人公(?)のパトリックは、
LOSTの主人公ジャック・シェパード役の
マシュー・フォックス。個性が強くて良い。
ワールドウォーZに出ていたらしいけれど、
全然覚えていない...。あまり映画は出ていない
みたいなので、こうやって見ると嬉しい。
「恐怖」に飢えている人は是非観てください。