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都道府県庁所在市別「りんご、みかん、バナナ」の消費(購入数量、支出金額)について(その3)

2016年11月06日 16時16分08秒 | 社会・経済

バナナの消費について続けます。

バナナは、国内では鹿児島県、沖縄県、宮崎県で150トン程度収穫することができますが、輸入量は100万トン近くありることから、普通に購入できるバナナは輸入物ということになります。
輸入物のうち約8割はフィリピン産、1割はエクアドル産、残りはグアテマラ産、メキシコ産などとなっています。

◇都道府県庁所在市別「バナナ」の消費(購入数量、支出金額)について

バナナの購入数量1位は広島市の21,828g、2位は和歌山市の21,750g、3位は奈良市の21,364gとなっています。
支出金額1位は広島市の5,424円、2位は鳥取市の5,293円、3位は神戸市の5,164円となっています。
他の果物の購入数量が多いため、バナナの購入数量が少ないなどの理由が見つからず、地域的な特徴を見出しにくい商品です。


(グラフをクリックすると拡大したグラフを見ることができます。以下のグラフについても同じです。)

広島市の購入数量は平均(17,903g)の約1.2倍、最下位の那覇市(13,907g)の約1.6倍となっており、他の果物に比べ都市間の格差が少なく、購入単価も平均は25.01円/100gですが、最高値は那覇市で29.96円/100g、最安値は長野市の21.40円/100gと、差は少ない方です。
流通しているバナナは、ほとんどが輸入物のフィリピン産の「ジャイアント・キャベンディッシュ」という単一品種ということで、差が生じないものと思われます。

◇バナナの実購入頻度の推移(二人以上の世帯)について

分析期間におけるバナナの実購入頻度の推移は、2006年1月の3.0回/月から2009年3月の3.6回/月まで増加した後、いったん2010年2月の3.3回/月まで減少し、以降は2016年8月の3.5回/月まで緩やかな増加傾向となっています。



平均的には9日から10日に1回の割合で購入していることになっています。

◇バナナの購入1回当り購入数量の推移(二人以上の世帯)について

バナナの購入1回当り購入数量の推移は、2006年1月の530円/回から、一時的な2007年12月から2009年2月(550円/回)の増加期間を含み、2016年8月の420円/回までは減少傾向での推移となっています。



○りんご、みかん、バナナの購入数量の季節変動(二人以上の世帯)について

今まで見てきた、りんご、みかん、バナナの購入数量の季節変動を見ると、下のグラフのようにバナナはりんごやみかんと異なり季節変動の振幅が少なく、年中購入することが可能な果物となっていることがわかると思います。



◇バナナの購入1回当り支出金額の推移(二人以上の世帯)について

分析期間におけるバナナの購入1回当り支出金額の推移は、2006年1月の110円/回から2009年1月の130円/回まで増加し、その後は2013年1月の100円/回まで減少しています。
2013年2月の100円/回から2016年8月の120円/回までは増加基調の推移となっています。



何回も述べてきましたが、支出金額は、先の購入数量と後の購入単価の結果として決まる数値で、直接的には消費の動向には関連しませんが、行動パターンとして、財布の中身との相談ということもあり、購入単価からの判断で購入数量を決める、支出金額優先ということも考えられます。

◇バナナの購入単価の推移(二人以上の世帯)について

分析期間におけるバナナの購入単価の推移は、2006年1月の20円/100gから2008年10月の24円/100gまで値上がりした後、2012年4月の21円/100gまで緩やかに値下がりで推移し、その後は2012年5月の21円/100gから2016年8月の28円/100gへと急速に値上がりしています。


物価の優等生であったバナナの2012年以降の価格上昇は、輸入品の大半を占めるフィリピンが2012年12月の巨大台風の影響を受け、生産量が4%以上減少しその影響が今でも残り、現地価格が3、4割上昇したためと思われます。

◇バナナの購入世帯割合の推移(二人以上の世帯)について

分析期間におけるバナナの購入世帯割合の推移は、2006年1月の65.5%から2009年2月の74.2%まで増加した後、2016年8月の64.2%まで緩やかな減少傾向が続いています。



分析期間における購入世帯割合は、平均的には67.0%±2.6%と、上のグラフでの見かけより変動の振幅はそれほど大きくなく、購入世帯の変化は少ないものと思われます。

 


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