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今、自分が出来ること。やれること。それを精一杯やっていかなくちゃ!!

コラム備忘録【8/11】

2020年08月13日 07時26分27秒 | マリーンズ2020
≪2020/8/11≫

【千葉魂】安田、マーティンの助言胸に 打席で堂々と自らを疑わず

 背筋をピンと伸ばす。一つ深呼吸をしてマウンドのピッチャーを睨(にら)む。自分を信じて、自分を決して疑わない。安田尚憲内野手が打席の中で大事にしていることだ。心がけるようになったのにはキッカケがある。あれは6月27日のバファローズ戦(ZOZOマリンスタジアム)。試合は1-1の同点のまま延長十回を迎える。前の打者が敬遠で歩かされ1死一、二塁で代打として登場。この試合初めて出番を迎えたが、空振り三振に倒れた。試合は続くルーキーの佐藤都志也捕手の右越えのサヨナラヒットで勝利したものの、安田にとっては、自身の不甲斐(ふがい)なさに悔しさが残る一日となった。

 試合後、居残り特打を行うべく室内練習場に向かった。室内にはレオネス・マーティン外野手もいた。深くため息をつき、首を傾げながらバットを振る若者を助っ人はじっと見つめていた。そして一息ついたところで声を掛けてくれた。「打席で自信のない姿だけは絶対に見せるな」。メジャーリーグで770試合の出場経験を持つ男の言葉にハッとさせられた。そしてこの日の自分の打席を振り返った。2ストライクと追い込まれた後の自分の心境を思い返した。それは決して誇れるものではなかった。マウンドにいる投手も、きっと気が付いていたはずだった。フルカウントから外角145キロストレートに力負けの空振り三振に倒れ、肩を落としながらベンチに戻る背中が小さく見えた。

 「マーティンさんに指摘してもらって、確かにそうやなと。その通りだなと思いました。打席の雰囲気は大事。オドオドして打席に入ると相手投手に余裕が出てしまう。自分に自信を持って、どっしりと入らなくてはいけないと思いました」

     □    ■    □

 それからだった。打席では自信を持って臨むように心がけた。弱い自分を押さえ込み、強気の安田がそこに立っていた。相手を見下ろすように堂々と足を踏み入れる姿があった。すると不思議と結果もついてくるようになった。

 その誇り高き立ち振る舞いに、助言を送ったマーティンは嬉(うれ)しそうに見つめた。「打席での雰囲気は大事だよ。自信なさそうに打席に立っていると、どうしても投手は分かってしまう。そうすると投手も余裕を持って投げることができるようになる。それを彼には教えてあげたかった。だって、彼は4番になる選手だからね!」。井口資仁監督も「打席での立ち方も貫禄が出てきた。どっしりとしている」と目を細める。

     □    ■    □

 背番号「5」の背中にはオーラが漂う。スタンドから見守るファンからすれば、なにかやってくれそうな予感である。マウンドの投手からすれば、打たれそうな感じとなる。輝くためにありとあらゆる努力を繰り返し、失敗することを怖がらず、自分に自信を持ち、不可能なことなどないのだと言わんばかりに呑(の)んでかかることの大切さを知ったことで安田の視界は大きく広がった。21歳の夏のこと。その先には限りない可能性が待っている。

(千葉ロッテマリーンズ広報・梶原紀章)

(千葉日報)

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≪2020/8/11≫

増田大輝&和田康士朗の盗塁進化歴。
週刊セパ好成績&珍記録まとめ。


 今週は月曜日も試合がある。DeNA、阪神、広島、中日は9連戦の真っただ中で、過酷な夏の日程だ。

【今週の“ぴかイチ選手” 巨人:増田大輝、ロッテ:和田康士朗】

 セイバーメトリクスでは「盗塁」は推奨される作戦ではない。成功すればチャンスは広がるが、失敗すれば一瞬で走者はなくなりアウトカウントも増えるからだ。これもあって盗塁は「成功率」が重視されるようになっている。

 昔に比べてバッテリーの盗塁阻止技術は向上している。クイックができない投手はほとんどいないし、弱肩の正捕手も見られなくなった。そんな「盗塁のハードルが高い」時代に、足だけで立身出世しようという有望株が出てきた。

 巨人・増田大輝は27歳。近畿大を中退し、独立リーグ徳島インディゴソックスから育成で巨人に入って5年目。ロッテ和田康士朗は21歳、これも独立リーグ富山から育成でロッテに入団して3年目である。

 独立リーグ出身で育成といえば、ほとんどが支配下登録もされないままに3年ほどで消えていくものだ。しかし2人は「足」だけでそこから這い上がり、スポットライトを浴びようとしている。

緊急登板で話題、増田の盗塁歴。

 2人の一軍、二軍の盗塁記録を見ると、彼らの進化が端的にわかる。

<増田大輝>
2016年 二軍
3盗塁3盗塁死 成功率.500
2017年 二軍
5盗塁4盗塁死 成功率.555
2018年 二軍
11盗塁1盗塁死 成功率.917
2019年 一軍 
15盗塁2盗塁死 成功率.882
二軍
16盗塁5盗塁死 成功率.762
2020年 一軍
9盗塁2盗塁死 成功率.818 

 筆者は2014年、独立リーグ徳島時代の増田を見ている。172cmと小柄で塁に出れば走ろうとしていた。当時の徳島の島田直也監督は「とにかく足が速い。化けるかもしれない」と言っていた。

 しかし徳島での2年間、増田の打率は.263と.206。それでもスカウトの目に留まって育成で巨人に入ったのだ。スカウトの慧眼おそるべし。

 ファームでは当初、よく刺されていた。しかし3年目から見違えるように成功率がアップした。そして、その盗塁の精度は一軍でも通用したのだ。

 8月6日の「緊急登板」で増田の名前は全国区になったが、4日には1安打1盗塁をマーク。彼の魅力が「足」であるのは変わらない。

和田はまさに“長足の進歩”。

<和田康士朗>
2018年 二軍
6盗塁7盗塁死 成功率.462
2019年 二軍
23盗塁8盗塁死 成功率.742
2020年 一軍
7盗塁1盗塁死 成功率.875

 こちらは185cmの大型で、独立リーグ富山時代は中軸を打っていたが、ロッテ入団後は足を磨いた。1年目は刺される方が多かったが、昨年、文字通り「長足の進歩」をした。

 筆者は先週の公式戦で見たが、彼の走塁は全く躊躇がない。すっと走り出すと大きなストライドで二塁に飛び込んでいく。実に軽やかだ。そしてこの週も4、6日にそれぞれ盗塁を決めている。

 昨年にはやはり育成上がりのソフトバンク周東佑京が足のスペシャリストとして注目されると、プレミア12の侍ジャパンにも選ばれ、抜群の走塁センスで優勝に貢献した。

 リスクが高いとされる盗塁だが、「成功すれば文句を言われる筋合いはない」のだ。非エリートからのし上がる韋駄天たちを、今後も応援したい。

オリックス、17安打で3得点……。

<8月3日から8月9日までの1週間の成績>

【パ・リーグ】
○チーム成績
1 日本ハム6試合5勝1敗0分 率.833
打率.286 防率3.67
2 ロッテ6試合4勝1敗1分 率.800
打率.292 防率2.17
3 楽天6試合4勝2敗0分 率.667
打率.255 防率3.00
4 ソフトバンク6試合2勝4敗0分 率.333
打率.209 防率3.96
5 オリックス6試合1勝4敗1分 率.200
打率.264 防率5.73
6 西武6試合1勝5敗0分 率.167
打率.236 防率5.14

 日本ハムが西武に、ロッテがオリックスに大きく勝ち越している。打撃成績を見てみると日本ハムは近藤、大田ら打線が好調だった。対照的に西武は自慢の打線が湿っている。オリックスは8月7日には17安打で3得点と非効率な攻撃が目立った。ソフトバンクは柳田悠岐以外の打者の不振が深刻だ。

スタメン増加の周東が3盗塁。

○打撃成績
<最多安打>
10安打:近藤健介(日)、中村奨吾(ロ)

<最多本塁打>
3本塁打:ロメロ(楽)、マーティン(ロ)

<最多打点>
8打点:大田泰示(日)

<最多盗塁>
3盗塁:周東佑京(ソ)

<打率5傑(規定打席以上)>
1 近藤健介(日).455
2 ロメロ(楽).421
3 中村奨吾(ロ).400
4 西川遥輝(日).391
4 井上晴哉(ロ).391

<RC(打撃総合指標)5傑>
1 ロメロ(楽)7.78
2 近藤健介(日)7.58
3 マーティン(ロ)7.09
4 井上晴哉(ロ)7.05
5 藤岡裕大(ロ)6.57

 楽天はロメロが19打数8安打2二塁打3本塁打と引き続き絶好調だ。日本ハムの近藤は22打数10安打に加え6四球と選球眼の良さを発揮している。冒頭の増田と和田の項で触れたソフトバンク周東は今季、スタメン出場が増えた一方で盗塁が少なかった印象だが、今週3盗塁をマークした。

今季初の「週間2勝」。その名は……。

○投手成績
<最多勝利>
2勝:板東湧梧(ソ)

<最多セーブ>
2セーブ:ブセニッツ(楽)、秋吉亮(日)

<最多ホールド>
3ホールド:堀瑞輝(日)、宮西尚生(日)

<最多奪三振>
10奪三振:バーヘイゲン(日)

<防御率(規定投球回数以上)上位>
1 涌井秀章(楽)0.00
1 杉浦稔大(日)0.00
1 板東湧梧(ソ)0.00
1 塩見貴洋(楽)0.00
1 山崎福也(オ)0.00
1 中村稔弥(ロ)0.00

<PR(投手総合指標)上位>
1 涌井秀章(楽)3.93
2 杉浦稔大(日)3.06
2 板東湧梧(ソ)3.06
4 塩見貴洋(楽)2.65
5 山﨑福也(オ)2.62
5 中村稔弥(ロ)2.62

 最近の先発投手は「週1」で登板する。週間2勝はめったにないが、今週はソフトバンクの2年目・坂東が8月6日に3回、9日に4回とロングリリーフをして2勝。なお6日の勝利がプロ初勝利だった。いずれも零封と優秀な成績だった。

 先週のコラムで触れた通り、楽天の涌井は9回1死までノーヒットノーランの快投を見せた。救援では日本ハムの堀、宮西がともに3ホールドを挙げて中継ぎの役割を果たしている。

巨人、中日の打線が湿っている。

【セ・リーグ】
○チーム成績
1 DeNA6試合5勝1敗0分 率.833
打率.294 防率1.87
2 広島6試合4勝2敗0分 率.667
打率.264 防率3.74
3 巨人6試合2勝3敗1分 率.400
打率.155 防率4.33
3 中日6試合2勝3敗1分 率.400
打率.177 防率2.94
5 ヤクルト6試合2勝4敗0分 率.333
打率.268 防率4.33
5 阪神6試合2勝4敗0分 率.333
打率.229 防率2.94

 DeNAが投打ともに好調。巨人は負け越しこそ1だが8月5日から5試合連続で5安打以下、打線の不振は深刻だ。中日も6試合中5試合で3得点以下と貧打に泣いている。

DeNA打線好調、特に神里と中井。

○打撃成績
<最多安打>
12安打:神里和毅(De)

<最多本塁打>
3本塁打:長野久義(広)

<最多打点>
8打点:長野久義(広)

<最多盗塁>
3盗塁:塩見泰隆(ヤ)

<打率5傑(規定打席以上)>
1 神里和毅(De).480
2 塩見泰隆(ヤ).429
2 佐野恵太(De).429
4 近本光司(神).370
5 村上宗隆(ヤ).353

<RC(打撃総合指標)5傑>
1 神里和毅(De)8.01
2 佐野恵太(De)6.91
3 塩見泰隆(ヤ)6.30
4 村上宗隆(ヤ)5.92
5 長野久義(広)5.41

 DeNAの神里は7月5日に一軍昇格し、8月4日からスタメン出場したが25打数12安打2二塁打1本塁打2盗塁と大当たり。同じくDeNAの中井大介もわずか7打席で7打数5安打1二塁打2本塁打と驚異の活躍を見せた。

 広島は8月から長野久義が左翼でスタメン出場している。この週は3本塁打8打点と“リーグ2冠”の活躍を見せた。

虎・高橋、竜・大野の巨人斬り。

○投手成績
<最多勝利>
1勝:大野雄大・福敬登(中)、菅野智之・戸郷翔征(巨)、井納翔一・大貫晋一・平良拳太郎・今永昇太・濱口遥大(De)、高橋遥人・秋山拓巳(神)、大瀬良大地・森下暢仁・塹江敦哉・野村祐輔(広)、吉田大喜・マクガフ(ヤ)

<最多セーブ>
3セーブ:フランスア(広)

<最多ホールド>
2ホールド:高梨雄平・大竹寛(巨)、塹江敦哉(広)、石田健大(De)

<最多奪三振>
11奪三振:高橋遥人(神)

<防御率(規定投球回数以上)5傑>
1 高橋遥人(神)0.00
1 平良拳太郎(De)0.00
1 大貫晋一(De)0.00
1 井納翔一(De)0.00
5 大野雄大(中)1.00

<PR(投手総合指標)5傑>
1 高橋遥人(神)3.06
1 平良拳太郎(De)3.06
1 大貫晋一(De)3.06
1 井納翔一(De)3.06
5 大野雄大(中)2.93

 阪神の高橋遥人が7回零封、11奪三振の快投で巨人に勝利した。中日・大野も9回自責点1で完投。DeNAの平良、大貫、井納も7回零封。DeNAの先発陣は優秀で、救援でもDeNAは石田が2ホールド、三嶋一輝が2セーブを挙げている。

ロッテ益田の偉大な100S&100H。

【まとめ&記録備考】
 メジャーリーグのように両リーグ、打投の週間MVPを選出するとすれば、以下のようになるだろう。

打:ロメロ(楽)
投:涌井秀章(楽)

打:長野久義(広)
投:高橋遥人(神)

 8月6日、ロッテの益田直也が史上33人目の100セーブを達成した。益田は142ホールドを記録している。100セーブ100ホールドを同時に記録したのは史上5人目の快挙だ。

 阪神はDeNA戦後、高校野球の交流試合の期間ということで、京セラドーム大阪で主催試合を実施することになる(広島との3連戦)。かつては「死のロード」と言われた夏場の戦いだが、空調の利いたドーム球場で、阪神ナインは一息つけるかもしれない。

文=広尾晃

(Number)

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