ちょこっとGUM

今、自分が出来ること。やれること。それを精一杯やっていかなくちゃ!!

コラム備忘録【12/27~12/28】

2019年12月28日 21時02分59秒 | マリーンズ2019
≪2019/12/27≫

ロッテ今岡2軍監督、自身と欠点重なる茶谷に使命感

<ロッテ今岡2軍監督連載:第3回・茶谷健太>

ロッテの未来を築くのは安田や藤原、佐々木朗希らだけではない。今季は序盤からイースタン・リーグの首位を快走。66勝52敗7分けで2位に導いた今岡真訪2軍監督(45)は指揮2年目も、選手の個性を伸ばそうと心を砕いた。1月に育成枠で契約した前ソフトバンクの茶谷健太内野手(21)も手塩にかける1人だ。

-安田がチーム最多の122試合に出場した。茶谷も積極的に起用した

今岡 2軍では安田の次に出た。2割7分の6本塁打。ファームらしい選手でしょう。背番号3桁で。

-育成選手がチーム2番目の出場数。珍しい

今岡 あまりないですよね。能力を見て、試合に使ったということ。開幕直後は1軍から来た選手を優先して使うから一塁や外野を守った。1軍クラスの選手が2軍にいなくなって初めてショートに持っていったとき「いいプレー」をしました。肩も強いですね。

-具体的にどういうことか

今岡 エラーしないということです。彼は守備からですね。チームが勝つために、彼の守備が必要だったということです。

-常に「チームが勝つための言動」を求めている

今岡 選手に数字(成績)は一切、言ったことがありません。「数字を残したから育てた」と言う人はいっぱいいるでしょう。でも、僕は育成はそれだけだと思っていません。「勝て」とは言い続けますが「打て」とは言いません。たとえ無安打とか、結果が出なくても、いつ1軍に呼ばれてもいいようにしなさい、と伝えています。調子が悪い選手でも、1軍に上がる準備をしている。数字で判断しないということです。打てなくてもチームが勝てば「お前の三振、粘ったやろ。あれで次のバッター、打ったんや」と言う。

-茶谷は移籍1年目だ

今岡 茶谷の欠点は、自分の現役時代と一緒です。見栄えが悪い。凡打したときに、やる気がないように見える。「俺と同じタイプやな」と思いました。いままで、彼を評価するときは技術を見ないで、多分、見栄えで判断されてきた選手だろうなと。凡打やエラーのとき、ボーッとしているように映ってしまう。

-本人は、そんな意図はないはずだ

今岡 そう。だから、彼に対してはまっさらで見てあげないといけないのが自分の仕事だと思いました。持っているモノはスゴイ。見栄えじゃなく、それを引き出す作業を1年目にしてあげようということです。

-遊撃守備で結果を示した

今岡 打率も2割7分でしたが、もっと打てるでしょう。長く野球をしていく能力はあると思います。

この2年間、勝つための組織づくりに情熱を注いできた。寮生活、グラウンドでの気構え…。ただ純粋に勝つための姿勢を問うてきた。そういえば、1年前にこう話していた。「野手よりも投手の方が出てくるのが早いと思う」。その言葉どおり、今季4位の1軍には若き先発投手が台頭してきた。3年目21歳の種市はチーム最多タイの8勝。23歳の岩下が5勝を挙げ、序盤から2軍で主戦だったルーキー小島も終盤に1軍ローテーションに定着して3勝した。常勝マリーンズへの道を1歩ずつ刻んでいる。(敬称略)【酒井俊作】

(日刊)

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≪2019/12/28≫

理想は大学の先輩・和田毅の姿 ロッテ小島がプロ1年目を振り返る【後編】

自分の持ち味をぶつけた1年目を終えて…

 来季の飛躍が期待されるロッテの先発サウスポー・小島和哉投手。インタビュー後編ではプロ2年目になる来季の目標と、それを達成するために今自身に必要なこと、そして憧れの投手についても伺った。

 ロッテはシーズン最終盤まで楽天とのCS進出争いを繰り広げ、小島も大事な9月に3試合先発を任された。勝ち負けこそ1勝1敗だったが、6回2失点、7回3失点、5回1失点といずれも試合を壊すことはなかった。

「終盤3位4位争いのなかで、しっかり長いイニング投げることができたというのは少し自信になったというか、うれしい気持ちはありましたね。終盤はどうしても中継ぎの方の登板が多くなってくるので、そこで誰かが1イニングでも長く投げられれば負担も少なくなると思っていた。とりあえず長く、いけるところまでいこうと考えていました」

 チームは残念ながらAクラス入りを逃し、小島のプロ1年目は10試合登板、3勝5敗、54回1/3、45奪三振、28失点、防御率4.31で終えた。

左打者への被打率が.322、右打者への被打率は.224と課題も

「(手ごたえを感じたシーンは)あんまりここっていう場面は思い浮かばないですけど、試合を作るということに関しては、途中から上がってきてからは5イニングで終わることもありましたが、しっかり3点以内では抑えきれていて、それをずっと続けることがすごい大事なんだなと思っています。ゼロにこだわる場面もありますけど、“ここは1点は仕方ない”とか、“その次のランナーは返さないように考えよう”とかっていう風に考えられたので、大量失点とかも少なかったのかなと自分で分析はしています」

 左右打者別成績を見てみると、左打者への被打率.322、右打者への被打率.224だった。「左対左で被打率が少し高かったので、そこは自分の課題。結局今季の終盤にも左バッターに打たれる場面が多かったので、それは来年にもつながる課題だと自分では思っています」

 右打者については「大学、高校からずっと自分は右バッターのインコースを攻める投球を軸にずっと教わってきて、ずっとそれをやってきていたので、プロに入ったから特別インコースを攻めたというわけではなくて、そういう自分のスタイルなので、そこは自分の持ち味かなと思います」と自信を深めたようだった。

 対戦して印象に残ったバッターは「みんなすごかったですけど」と前置きしつつ、「近藤さん(日本ハム)とか、楽天戦のときは銀次さんが毎回2本ずつくらい打たれているな(10打数5安打1打点)というイメージがあった」と、左の巧打者を列挙した。

 辛酸をなめさせられた西武打線に対しては「4月4日の試合ともう1回西武に投げて、2試合投げて2試合負けているので、しっかり来年はそこに勝たないとダメだと思っています。日本一になったソフトバンクや、1番点を取っている西武打線を抑えてなんぼ。そのための体力だったり技術だったりというのは、この秋と春のキャンプがすごい大事になってくるなと思っています」。

新球挑戦、チームメイトと渡米… オフは飛躍への準備

 オフに入り、吉井理人1軍投手コーチの指導でツーシームを試している。小島は「少し手ごたえを感じているので、投げ込みというかしっかりと感覚をつかんで、試合で使えるようになったらいいかなと思っています」と新たな武器を手に入れようとしている。

 鴨川キャンプではツーシームの試投とともに体力作りも重視していた。

「上で1年間投げ続けたわけではないので、全てを分かったわけではないですけど、本当に夏場は疲れが出てくると思うので、そこでどれだけチームに貢献できるかはピッチャーでも一番大切なところ。体力の部分が上がってくれば、自然と技術の部分も上がってくると思っているので、ランニングだったり体幹だったり基本的なことを重点的にやろうと考えています」

 11月23日から12月4日までは成田翔投手、中村稔弥投手、種市篤暉投手、二木康太投手と、アメリカ・シアトルのトレーニング施設「ドライブライン・ベースボール」を訪れた。ここはメジャーリーガーも利用する注目の施設。出発前には「最近取り上げられている施設でもあって、知識も学べると思う。みんなでたくさん学んでこられればと思っています」と目を輝かせていた。鴨川とシアトルでの成果は、来春の石垣島で発揮されることだろう。

プロ2年目の目標は? 理想の投手はやはり大学の先輩!

 投球技術の向上に加えて、体力の強化について何度も言及していた小島。なぜなら「150イニング投げる」という来季の目標があるからだ。

「来年の目標としてイニング数をしっかり投げられるピッチャーになりたいと思っていて。150から160くらい投げられるように。吉井さんからも150イニングくらい投げられないとなあという話をされています。それを踏まえると、1年間ずっと投げ続けられること。それプラス、しっかりと長いイニングを投げ続けないとその数字にいかないと思うので、そのための体力の部分が1番重要なんじゃないかな」

 最後に理想の投手をたずねると、やはり早稲田大学出身、先発、サウスポーという共通点の多いソフトバンク・和田毅投手を挙げた。今季の和田は日本シリーズで自身16年ぶりの白星を挙げ、38歳になったいまも存在感が光る。まさに小島が目指す、タフで息の長い投手だ。

「大学のころからソフトバンクの和田投手はずっと見ていて。タイプも似ていると思うので、すごく参考にさせていただいてる部分もあったんですけど、プロの世界に来てから改めてそのすごさを感じました。和田さんの1年目は日本シリーズに投げて、完投数(8完投)も試合数(26登板)とか、イニング(189回)も結構えげつない数字を残している。少しでも長く、今でも投げ続けられるというのはランニングの量だったり、練習の量が土台となっているはず。その部分は見習わないといけないと思っています」

 177センチ、81キロと野球選手の中では決して大柄ではない小島投手。まだ線の細い印象もあるが、充実のオフを経て目標とするフィジカルの強い投手に進化となるか。チームで左腕が150イニング以上を投げたのは、2012年に200回2/3イニングの成瀬善久投手が最後。幕張の最強左腕の誕生を楽しみに待ちたい。

(「パ・リーグ インサイト」菊地綾子)

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≪2019/12/28≫

幻となった朗希vs横浜・及川/佐々木こぼれ話・上

<佐々木朗希こぼれ話(上)>

平成、令和と元号をまたいだ2019年。ロッテドラフト1位の大船渡・佐々木朗希投手(18)は高校野球界にとどまらず、日本球界の話題の中心にいた。国内高校生史上最速の163キロ右腕をめぐる「佐々木朗希フィーバー」を、これまで報道されていない新事実を交えながら、全3回でお届けする。

     ◇     ◇     ◇

10月2日、佐々木は正式に国内プロ希望を表明し、同17日のドラフト会議を待つことになった。

記者会見は、質疑応答の時間がかなり限られた。1つだけ質問した。

-この半年間、いろいろな試合で投げてきたと思いますが、一番佐々木君らしい投球ができたのはどの試合ですか

「3月末の作新学院戦です」

即答は、予想通りの答えでもあった。栃木の盟主を相手に、3回1安打6奪三振。日米18球団45人のスカウトを前に、今季初登板ながら156キロをマークした。スライダーも抜群で、この時以上の投球はまだ目撃できていない。

絶好調の時期だったからこそ、実現してほしかった。3月末、大船渡は春休みを利用して5泊6日の関東遠征を行った。土浦一(茨城)など公立校を中心に9試合を戦った。

実は関東遠征中にもう1試合、練習試合の予定が組まれていた。相手は横浜(神奈川)。東の横綱だ。

横浜には佐々木と同じく「高校四天王」と呼ばれる最速153キロ左腕・及川雅貴投手(18=阪神ドラフト3位)がいた。「佐々木朗希VS及川雅貴」がセッティングされていたのだ。

両校に接点はなかった。当時の横浜指導陣が関係者の糸をたどり、昨年末には水面下で話がまとまっていたという。「投げ合いで及川に刺激を与えたい」「佐々木君の対戦で打線にも刺激を与えたい」。そんな指導陣の思いがあった。

1月末、横浜の滑り込みでのセンバツ出場が決定した。練習試合もセンバツと同じ3月末。ほどなくして中止が決まると、大船渡ナインはガックリしたという。横浜ナインはその後「実は3月に大船渡との練習試合が組まれていた」と耳にしたという。

世代を代表する左右投手の投げ合い。実現していたら、どれだけの野球ファンが集まっていただろう。パニックを避けるため、試合日時や会場も含め、極秘裏に準備が進められていた。

そして、どんな投げ合いになっただろうか。佐々木は横浜打線を抑えられたのか。及川に触発され、もしかしたら3月に160キロを出してしまっていたのか。及川の快速球と高速スライダーを大船渡打線が体験していれば、夏の大会の結果は違ったのか-。

幻に終わった投げ合いを、佐々木も残念がったのだろうか。4月5日、U18高校日本代表候補合宿では「キャッチボールしようよ」と自ら及川に声をかけた。紅白戦で163キロを投げた相手も、くしくも横浜の主砲・内海貴斗内野手(18=法大進学予定)だった。

プロで投げ合うことも、きっとあるだろう。ただ「大船渡対横浜」だからこその価値も、そこにはあったはずだ。もう実現しない、幻の一戦への妄想は尽きない。【金子真仁】(つづく)

(日刊)

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≪2019/12/28≫

2019年冬、ロッテを去る人、来る人。
若手を鍛え上げる首脳陣の本気度。


 2019年12月19日。衝撃のニュースが届いた。

 千葉ロッテ投手陣の支柱として働いてきた涌井秀章の金銭トレードがこの日、発表されたのだ。行き先は東北楽天。11月にチームリーダー・鈴木大地がFA移籍をしたライバル球団。近年の千葉ロッテを最前線で支えてきた投打のリーダーの移籍。SNSでは千葉ロッテファンが騒然としていた。

 その余韻が醒めやらないその日の昼の内に、今度はFAで東北楽天から獲得した美馬学の人的補償として酒居知史の移籍が発表された。今季、54試合に登板し5勝、25ホールドポイントを記録した大事なセットアッパーの1人。これには悲憤慷慨(ひふんこうがい)するファンの声が圧倒的多数を占めた。

 翌日のインターネットや新聞などの報道を読むと「苦渋の決断」「若返り」「先を見据えたブロック」「選手ファースト」といった、幾つかのワードが並べられていた。

 2015年にリーグ最多勝を獲得し、その年のクライマックスシリーズファーストステージを始め、数々の男気あるピッチングを見せチームを救って来た大黒柱と、入団からの3年間で12勝をあげ、先発およびリリーフも任せられる貴重な右腕だった2人である。来季以降の結果がどうこうと考える前にまず気持ちの整理が付かないというのがファンの素直な気持ちなのではないだろうか。

21歳島の引退に心が痛む。

 寂しさと言えば、島孝明の突然の引退にも心が痛んだ。

 2016年ドラフト3位入団の高卒3年目、まだ21歳。仮にプロに向かわず大学に進学していたら今頃、来秋のドラフトに向けて胸を膨らませている、そんな時期ではなかったか。

 球団は当初、育成枠での契約を彼に提示したようだ。だが、自信を喪失してしまったのだろうか。島本人は大学進学を希望し、今後は別の道を歩んでいくという。

 彼で思い出すのは2018年のシーズン中、筆者にこぼしたこんなひと言だ。

「(高校と違って)今は野球だけじゃないですか。そうなると色々と考え込んじゃう自分がいると言うか、それしかなくなってしまうので……。以前なら学校もあったから気を紛らせたりも出来たんですけど、そういうところでもプロは難しい世界だなって」

 当時、19歳か20歳になったばかりの若者である。そんな彼にここまで悩ませてしまうプロの在り方とはなんだろう? と、そのときに考え込んだ。

期待の右腕を悩ませたイップス。

 2017年のシーズン終了後、彼がイップスではないかという噂が立った。

 台湾ウインターリーグで見せた彼の荒れた投球が、瞬く間にSNSを介して拡散され、一般のファンにも知れ渡り、たちまち千葉ロッテファンの多くが知る話になった。

 それでも筆者は、あえて本人にそのことを振らずに一部始終を見守ることにした。

 ロッテ浦和の室内練習場では、小野晋吾二軍ピッチングコーチと川越英隆現一軍ピッチングコーチ(当時は二軍ピッチングコーチ)が、必死になって彼の再生に取り組んでいた。2mのネットスローを繰り返しながら別メニューをこなす彼の姿が、どこかに隔離されたような空気も醸し出していて痛々しかった。彼は相当苦しんでいたに違いない。

 ある日、彼はずっと胸の内に溜めていた想いを吐き出すかのようにこう気持ちを吐露した。

「どうしようというかどうしようも出来なかったので。本当になす術がなかったと言うか苦しい毎日でした」

 目にはうっすら光るものが浮かんでいる。気持ちが昂るのを抑えあえて淡々と話しているようにも見えた。元々がトレーニング方法や練習方法、栄養学などを自ら進んで勉強するタイプだ。その生真面目さがより自分を深みに嵌めてしまったのかもしれない。

「メンタルの先生からは『以前の自分と比べるんじゃなくて、つい最近の自分と比較して今どうかを考えよう』とも言われました。『一番良い頃と比べたら、そのギャップで自分を苦しめてしまうからそうならないように』って」

井口監督の評価も上々。

 そこからは二歩進んで、一歩下がる、そんな毎日が続いた。

 そして2018年のみやざきフェニックスリーグ。文字どおり島は不死鳥のように復調する。このリーグで8試合に登板して防御率は0.00、その後の台湾遠征でも2試合無失点で結果を残した彼は、井口資仁監督からも高い評価を得ていた。そのときの気持ちを彼はこう話している。

「1年でここまで来れるとは自分自身も思っていなかったので今は凄くホッとしています」

「正直、この(プロの)世界で生きやすくなったところはあります。本当に迷って、迷って、『もう野球を辞めようかな』と思ったこともありましたし、そのときに比べたら今は全然、一日、一日の充実を感じるようになりました」

涙が止まらなかったの初マウンド。

 年が明けて3月、島はプロ入りしてから初めてZOZOマリンのマウンドに上がった。

 事情を知らない人から見たら、ただのオープン戦の一コマだったかもしれない。でも、泣けた。マウンドで躍動する彼の姿を見て、涙が止まらなかった。

 彼の名前が場内アナウンスでコールされる。スタンドから「しまーーっ」と叫びたい衝動に駆られた。いや、叫んでいた。

 そして見事、1イニングを無失点、しかも三者凡退。

 たった1イニングの登板とは言え、彼にしてみれば大きな大きな一歩だった。

 140キロ後半から150キロを計測したストレートに、たびたび相手のバッターは差し込まれていた。長いトンネルを抜けて、いよいよ彼の出番がやって来たかと、ホッと胸を撫でおろした。

 だから今年10月、千葉ロッテから彼の戦力外通告が発表されると「なんで?」の想いの方が強かった。彼と最後に言葉を交わしたのは、「おっ、髪切った?」とかそんな他愛もない話だ。今となってはそれも後悔。結局、いちライターの力じゃ何にもすることが出来なかった。だから一年の最後に描きたかったのは来年も記事に出来る選手のことではなく、むしろ彼の方だった。

種市は16番を、佐々木もやってくる。

 島はある日、今季一軍で8勝をあげた種市篤暉のことをこんな風に言っていた。

「(一軍に)先に行かれて多少の悔しさは勿論なくもないんですけど、同期で入って、いつも一緒に練習やって来た仲間なので頑張って欲しいなと思うし、一軍で良いピッチングをして、勝ってくれたら自分も嬉しいなって思います。励みにもなっています」

 同期入団で同学年の選手。入団1年目のときはいつも一緒にいたようなイメージもある。その種市が来季、涌井がかつて付けていた背番号16を付けてプレーする。これも時代の流れなのだろうか。だから別れを悲しんでばかりはいられない。

 来春には大船渡高からドラフト1位で佐々木朗希がやって来る。

 高校生としては日本人歴代最速の163キロを計測した超大型新人。ど本命中の本命を秋のドラフトで引き当てた。これほどの希望があるものか。

武者修行が続くロッテの若手たち。

 一方でこのオフは若手を中心に数多くの選手を海外に派遣した。

 例年恒例となっている台湾ウインターリーグには松田進(しん)、原嵩(しゅう)、鎌田光津希の3名を、アメリカ・ワシントン州シアトルにあるトレーニング施設「ドライブライン・ベースボール」では二木康太、小島和哉、中村稔弥、成田翔、種市篤暉の若手5投手が現地で自身のボールと、動体解析を介した体の使い方について学んだ。さらにはプエルトリコのウインターリーグ(チームはカグアス・クリオージョ)に岡大海、山本大貴、安田尚憲の3選手を武者修行で送り、それぞれがスキルアップを図って帰って来た。ここにも千葉ロッテの本気度が窺える。

 この中から2人でも3人でも来季の一軍戦力として覚醒したら、ドラフトやFA以上のチーム補強に間違いなくなるだろう。彼らに期待して2019年のペン収めにしたい。

文=永田遼太郎

(Number)
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≪2019/12/28≫

ドラフト・FA大成功でオフの主役に ロッテ・2019年内の「IN/OUT」まとめ

出入りの激しい秋冬

 最後まで楽天と3位の座を争いながら、最後は4位に終わったロッテの2019年。あと一歩のところでポストシーズンには届かなかったが、その悔しさを晴らせと言わんばかりに今オフは大暴れを見せている。

 まずは何と言っても、ドラフト会議で“令和の怪物”こと佐々木朗希(大船渡高)の獲得に成功したこと。恵まれた体格から放たれるストレートの最速は163キロ。それでいてまだ成長途上という大器を、井口資仁監督のゴッドハンドが引き当てた。

 つづけて、11月にはFA市場から先発投手の美馬学の獲得に成功。さらに争奪戦になった外野手の福田秀平も見事に射止め、“将来”だけでなく“来季”に向けた補強もバッチリ。2019年オフの主役として話題の中心に君臨した。

 一方、INだけでなくOUTも話題に。つい先日は涌井秀章の金銭トレードでの移籍がプロ野球ファンに大きな衝撃を与え、立て続けにFA移籍に伴う補償として今季54試合に登板した酒居知史の退団も決定。FAを含めた楽天との取引は「実質4対3の大型トレード」とも称され、今オフ最大のトピックスとして注目を集めた。

2019年内のIN/OUTまとめ

【IN】

▼ 補強
<投手>
美馬 学
ジェイ・ジャクソン
小野 郁
フランク・ハーマ
ホセ・アコスタ(育成)
ホセ・フローレス(育成)

<内野手>
西巻賢二

<外野手>
福田秀平

▼ ドラフト指名
<投手>
佐々木朗希(1位/大船渡高)
横山陸人(4位/専大松戸高)
本前郁也(育1位/北翔大)

<捕手>
佐藤都志也(2位/東洋大)
植田将太(育2位/慶應義塾大)

<内野手>
福田光輝(5位/法政大)

<外野手>
髙部瑛斗(3位/国士舘大)

【OUT】

▼ 移籍
<投手>
涌井秀章 ⇒ 楽天へ
酒居知史 ⇒ 楽天へ

<内野手>
鈴木大地 ⇒ 楽天へ

▼ 現役引退
<内野手>
福浦和也

▼ 自由契約
<投手>
ジョシュ・レイビン
関谷亮太
島 孝明
阿部和成
ブランドン・マン
マイク・ボルシンガー

<内野手>
ケニス・バルガス
李 杜軒
大木貴将

<外野手>
伊志嶺翔大

※その後、現役引退となった選手も含む

(ベースボールキング)

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≪2019/12/28≫

ロッテ、主催試合の観客動員は過去最多  大型補強でさらに魅力あるチームへ

 シーズン最終盤まで楽天と3位争いを繰り広げたロッテは今季、主催71試合における観客動員数が2018年の166万5133人を上回る球団新記録となる166万5891人を記録した。

 今年は本拠地・ZOZOマリンスタジアムは、外野席の手前に『ホームランラグーン』と呼ばれるエリアを設置。昨季までのフェンスの位置から最大で4メートル手前にフェンスがくることで、マリンでのチーム本塁打数も36本から72本と倍に増えた。球場イベント面でも、2015年からは「毎月ファン感謝デーの開催」をテーマに、月に一度“マリンフェスタ”を開催。試合前に選手たちのトークショーやサイン会などでイベントを盛り上げている。選手、裏方の努力があって、観客動員アップにつながっているといえる。

 河合克美オーナー代行兼社長は26日の今季総括会見で、「山室前社長の時代に黒字化ということをまず第一に挙げて、いろいろな活動をしてきて昨年ようやく黒字化した。どこに分岐点があるかというと観客動員数が昨年、今年と過去最多の動員になってきている」と話し、「あわせて飲食、グッズも全て前年を上回る形で毎年きている。ここを崩さずにお客様に見ていだたくということが、一番の売り上げ利益に貢献するということになると考えています」と分析した。

 観客動員数が伸びている一方で、チームは3年連続Bクラス。河合オーナー代行兼社長は「第一にはプレー。いつ来てもマリンの試合はワクワクドキドキして楽しくてということ。また、来ていただいたお客様にどれだけ気持ちよく、最近ですと野球を見るということだけでなく、グッズ売り場にいって、『今日は何を買おうか』という楽しみもあるだろうし、そこにどれだけお客様にそういったサービス提供ができたら」と語った。

 さらに河合オーナー代行兼社長は「親会社がお菓子会社といったところで、ファミリーにとっても楽しい球場になるために、どうしたらいいかというのを少しずつ始めている。ここは、さらに推し進めていきたいと思います。そういう意味では、間にオリンピックも入って例年とはちょっと違いますけど、今言ったことを心がけていけば十分に今季を上回ると思います」と自信を見せた。

 リーグ優勝、Aクラス入りを目指すマリーンズは来季に向けて、FAで美馬学、福田秀平を獲得し、元楽天のハーマン、元広島のジャクソンと課題のひとつだったリリーフ陣を補強した。種市篤暉、岩下大輝など近年高卒で指名した選手たちが、一軍でプレーし徐々に芽を出し始めている。球場イベントとともに、選手たちの熱いプレー、チームの勝利が増えることでさらにスタンドが埋まり、今以上にZOZOマリンスタジアムは魅力のある球場になっていくことだろう。

▼2005年以降のロッテ主催試合の観客動員数
05年:133万4014人
06年:134万9656人
07年:155万8430人
08年:160万1632人
09年:146万5189人
10年:154万6105人
11年:133万2815人
12年:123万9168人
13年:126万439人
14年:122万3915人
15年:132万2004人
16年:152万6932人
17年:145万164人
18年:166万5133人
19年:166万5891人

文=岩下雄太

(ベースボールキング)
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