ちょこっとGUM

今、自分が出来ること。やれること。それを精一杯やっていかなくちゃ!!

コラム備忘録【12/29】

2019年12月30日 07時31分08秒 | マリーンズ2019
≪2019/12/29≫

井口監督が変えたロッテ 来季は勝負の3年目

 今季のロッテを振り返った時、一番印象的だったのは3月29日の開幕戦(対楽天、ZOZOマリン)だった。チームのリーダーとして不動の地位だった鈴木の名前が、スタメンから外れていたのだ。それだけではない。試合でも一度も名前を呼ばれることなく、連続試合出場は532試合で止まった。
 連続試合出場などの個人記録はよほどの不調やケガでない限り、首脳陣が気遣い、代打や代走での出場機会を与える。この時は真意を測りかねたが、後日、井口監督の話を聞いて納得した。

 「大地(鈴木)はこのまま、打率・260そこそこ、ホームラン一桁の選手で終わっていいのか? そんな思いがあったんです」

 長らく一緒にプレーしてきた指揮官は鈴木の能力があれば「打率3割、2桁本塁打」の力はあると考えていた。現在の立ち位置に満足してはいないか?考えた末、危機感を与えることを決めた。

 本人の目の色は変わった。本拠地の練習開始前、早出特打のロングティーを行う背番号7の姿は日常となった。「1日1日を大切にしたい」。毎日、出し切ったと思える日々の積み重ねが、キャリアハイのシーズンの原動力となる。9月上旬までは打率3割をキープし、一時は首位打者争いにも加わるなど、打率・288、15本塁打、68打点。夏場に「大地は変わりましたね」と問いかけると指揮官は「来年は三塁で固定しようかと思う」と殻を破った男の成長を喜んでいた。

 このオフに鈴木は国内FA宣言し、楽天へと移籍。その構想が実現することはなかったが、同じように「開幕」で外された荻野、清田もそれぞれ、1番打者と代打の切り札で納得する成績を残した。厳しさの裏側にはそれだけの期待がある。秋季キャンプからは加藤がメンバーから外れた。一番振り込ませたい時期だが、これもまた心を鬼にした指揮官の「無言のメッセージ」だと思った。

 オフには国内FA移籍で楽天・美馬、ソフトバンク・福田と球団初の「FAダブル獲り」に成功。元広島ジャクソン、前楽天ハーマンと思い通りの補強が進んだ。一方、エース・涌井は楽天へ金銭トレードで去った。種市、二木、岩下といった伸び盛りの若手が、抜けた「支柱」をどう、支えるのか。試しているのかもしれない。

 ロッテは変わった。井口監督が変えたと思う。来季は勝負の3年目。残念なのは球団担当として、間近で見られないことだ。このオフの取材では「優勝争いをします」との言葉を何度も聞いた。その戦いぶりは一人の野球ファンに戻り、客席から眺めようと思う。(ロッテ担当・福浦 健太郎)

(スポニチ)

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≪2019/12/29≫

MLB関係者からの電話のワケ/佐々木こぼれ話・中

<佐々木朗希こぼれ話(中)>

平成、令和と元号をまたいだ2019年。ロッテドラフト1位の大船渡・佐々木朗希投手(18)は高校野球界にとどまらず、日本球界の話題の中心にいた。国内高校生史上最速の163キロ右腕をめぐる「佐々木朗希フィーバー」を、これまで報道されていない新事実を交えながら、全3回でお届けする。

     ◇     ◇     ◇

4月6日の「163キロ」を境に、佐々木を取り巻く環境は変わった。報道各社には、大船渡から取材規制依頼が発表された。一方で、特定の試合での取材は認められた。

163キロは、MLBスカウト陣にも刺激的だったようだ。4月6日の高校日本代表候補合宿では2球団。それが、4月20日の仙台育英戦では一挙10球団。驚異的ファストボールを投げる17歳が目的なのは間違いない。この登板のためにわざわざ来日したスカウトもいたようだ。

4月時点で佐々木はすでに高校卒業後の進路を「国内プロ1本」を明言していた。ただ、MLB球団には「念には念を」の考えもあったのだろう。仙台育英戦を前に、複数のMLB関係者からなぜか私に電話が入った。彼らは、国内プロ1本を明言した際の「空気感」を知りたかったようだ。

日本の高校生にとって「直接MLB行き」は現状、気軽な選択肢ではない。MLBで海外若手選手が自由獲得されるためには、5月中旬までに申請が必要だ。日本の高校生の場合、身分照会の1つに野球部退部届も必要になる。20年シーズン当初から佐々木が米国でプレーするには、おそらくこの仙台育英戦が能力評価と意思確認のリミットだった。

その意思確認なのか。慌ただしい試合前に、割とラフな格好をしたMLB関係者が数人、大船渡・国保陽平監督(32)へ歩み寄り、次々と名刺を渡していた。MLB30球団のうち、日本に契約スカウトが常駐するのは10球団未満。彼ら常連の姿はあまりなく、佐々木初見のスカウトが多かったのも「163」の衝撃度を物語っていた。

多くのカメラとスカウト陣のスピードガンが向けられる中、試合は始まった。ただ、MLBスカウト陣は割と早めにスピードガンをしまった。佐々木は変化球主体だった。ようやく力を入れた直球が150キロ。これでも十分すごい数字なのだが、肩をすぼめ首をかしげるスカウトもいた。4回途中で佐々木が降板すると、彼らは一斉に帰って行った。それが現状の佐々木への「答え」だったのだろう。一部MLB関係者がネット裏に勝手に並べたイスはそのまま残され、試合は続けられた。

この試合を境に、MLBスカウト陣の姿は佐々木の前からほとんど消えた。「5月中旬」のリミットを過ぎた時点で、彼らにとって佐々木はすでに視察対象外なのだろう。夏が近づいても、律義にジャケットを持ち歩くNPBスカウト陣と対照的で、ビジネスライクだなと感じた。

しかし。すっかり忘れていたMLBスカウト陣が、夏の岩手大会終盤戦に再び姿を見せて驚いた。名門ヤンキースのスカウトもいた。佐々木の投球を最後までチェックし「ハヤカッタ」とだけ日本語で口にし、足早に球場を後にした。やがて来るかもしれない「その時」に備え、すでに動きは始まっているのかもしれない。【金子真仁】(つづく)

(日刊)

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≪2019/12/29≫

怪物・佐々木朗希を獲得!捕手、外野の補強も着々!

2019年ドラフト査定【評価:A+】

昨年の藤原恭大に続き、今年は4球団競合の佐々木朗希(大船渡高)を引き当てた。佐々木朗希の凄さは改めてここで 語るまでもないだろう。最速163キロの令和の怪物が千葉にやってくるというだけで評価は「A+」だ。

さらにロッテには日本ハムでダルビッシュ有や大谷翔平を指導した吉井理人コーチがいる。大船渡高の國保陽平監督は筑波大出身で吉井コーチも現役引退後に筑波大大学院でコーチング理論を学んでいる。近代的トレーニング理論が佐々木朗希にマッチする可能性は高い。

2位は佐藤都志也(東洋大)を指名。俊足強肩に4番を任せられる打力を持った捕手で、外野と一塁も守れる。正捕手の田村龍弘が25歳で最年少の捕手陣を考えるとピンポイントの指名と言えるだろう。

3位の高部瑛斗(国士館大)は東都2部で通算129安打の新記録を樹立した安打製造機。1年春からリーグ戦全試合に出場した鉄人でもあり、再現性の高い打撃で安定して結果を出してきた。ロッテは外野の主力がほぼ30代。選手層を厚くしたいウィークポイントだった。

4位の横山陸人(専大松戸高)は地元・千葉で鳴らしたサイド右腕。高校生だがロッテらしい変則派でファンをニヤリとさせてきた。

5位の福田光輝(法政大)は守備力に定評のある遊撃手。高校時代は大阪桐蔭高で全国制覇を経験している。藤岡裕 大や三木亮とのレギュラー争いを演じられるか。

(ラブすぽ)

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≪2019/12/29≫

数字でみる2019年のロッテ 本塁打倍増で得点も108点UP、奪三振率も大きく上昇

レアードらの加入で本塁打が倍増

2019年シーズンのロッテは、最終盤まで3位争いに加わっていたが、わずか2ゲーム差で4位に終わった。



2018年シーズンはチーム本塁打数が78本でリーグワーストだったが、今季は158本へと倍増した。これは昨オフZOZOマリンスタジアムに、ラッキーゾーンにあたるホームランラグーンが設置された影響と、ブランドン・レアード、シーズン途中に加入したレオネス・マーティンといったふたりの外国人選手の力が大きい。

それに伴い、チームの総得点も534点から642点へと108点も増加している。チーム打率は.247→.249でほぼ横ばいだったことから考えると、単純に本塁打が増えて得点力が上がったと言えそうだ。

一方で被本塁打数も129本から143本へ増えた。ただ、本塁打数が大きく伸びたのに比べ、被本塁打数をある程度の増加にとどめることができたのは理想的だった。

ソフトバンク相手に貯金9も西武とオリックスに苦戦

2019年シーズン、対西武は8勝16敗1分の借金8、対ソフトバンクは17勝8敗で貯金9。対オリックスは9勝15敗1分で借金6と相性の良し悪しがかなり出た。

大きく勝ち越したソフトバンク戦では、井上晴哉とレアードのふたりが8本塁打ずつを記録。井上は今季の24本塁打のうち、3分の1をソフトバンク戦で稼いだことになる。同じくレアードは32本塁打のうち4分の1。チームでは36本塁打と、ソフトバンクはもっとも多く本塁打を記録した相手となった。

西武には打ち込まれた。防御率4.70はパ・リーグ他4球団と比べると極端に悪い。特に唐川侑己(8試合/防7.36)、東妻勇輔(6試合/防9.00)、酒居知史(8試合/防6.57)と圧倒的な西武打線の前に中継ぎ陣が打ち込まれている。

オリックス戦は打率.236、防御率3.83と極端に悪いわけではないが、ポイントゲッターである井上とレアードのふたりが抑え込まれている。井上は打率.205、2本塁打、5打点、レアードは打率.188、4本塁打、9打点と本塁打こそ出ているものの低打率に終わったのは痛かった。

チーム全体で奪三振力が大幅に向上

投手陣を見ると、奪三振数が908から1110と大きく増えた。それに伴いK/9(1試合9イニングあたり何個の三振を奪うかを表す指標)も6.40から7.80へと上昇している。1試合での奪三振数が1個以上増えたことになる。

これには種市篤暉の躍進が大きい。高卒3年目の今季、種市は116.2回を投げ135三振を奪い、K/9は10.41。これは中継ぎを含めても、チーム内で20イニング以上を投げている投手の中でトップの数字となる。BB/9(1試合9イニングあたり何個の四球を出すかを表す指標)は3.93と改善の余地はあるが、三振を奪える力は魅力的だ。

このオフにロッテは大きな補強を行った。投手では先発の美馬学をFAで獲得。ジェイ・ジャクソン、フランク・ハーマンとNPB経験のある中継ぎの外国人選手2人を補強した。涌井秀章が金銭トレードで楽天へと移籍したが、既存戦力には種市をはじめ二木康太や岩下大輝、小島和哉と若い先発投手が揃っている。野手では福田秀平をFAで獲得した。既存戦力では、マーティンと契約を更新。大砲候補の安田尚憲も二軍で結果を出した。一軍でのレギュラー争いに割って入ってくるだろう。

井口資仁監督は、既存戦力と新戦力を融合させることでチームを上位に導けるだろうか。その采配に注目だ。

(SPAIA)

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≪2019/12/28≫

ロッテにフライボール革命は起きたのか?今季の打球データを分析<前編>

千葉移転後の球団記録を更新。本塁打を激増させたロッテ打線

シーズン順位こそ4位に終わったものの、打撃面においては劇的な進化を見せ、来季へ大きな期待を残したロッテ。

今季はリーグ3位となる158本のチーム本塁打を記録。リーグワーストの78本に終わった昨季から倍増となり、日本一を達成した2010年以来の100本超えを達成した。本拠地を千葉に移転した1992年以降に限っては、2003年の145本を抜いて球団記録を更新。長年の課題であった「長打力不足」は、この1年で克服されたと言っていいだろう。



ロッテ打線の躍進は、シーズン開幕前から予想されていたことではあった。強風がフライを押し戻すZOZOマリンスタジアムは本塁打が出にくく、これまで「投手有利」傾向の強い球場のひとつであったが、今季から「ホームランラグーン」が設置され、外野フェンスが最大で4メートル前に移動。フェンスの高さも4.4メートルから3.3メートルまで低くなった。パ・リーグの他球場と比較しても、本塁打が出やすいサイズに変わり、球場改修が貧打解消の一手となるか注目されていたのだ。

結果として本塁打は前述のように激増。ホームランラグーンへ飛び込む「ラグーン弾」という言葉も流行し、「ラグーン効果は絶大だった」という感想を持ったファンは多いはずだ。

「ホームランラグーン」は無関係?ビジターでも本塁打が倍増

今季のロッテのZOZOマリンスタジアムでの本塁打数は70試合で72本(1試合あたり1.03本)だった。対して他球場では73試合で86本(1試合当たり1.18本)と、ビジターでより多くの本塁打が生まれている。昨季からのアップ率もZOZOマリンスタジアムでは200%(昨季36本)であるのに対し、他球場ではそれを上回る205%(昨季42本)となった。



ホームランラグーンの恩恵で本塁打を量産したということであれば、ZOZOマリンスタジアムでの本塁打だけが増えているはず。実際は他球場での本塁打の方が増えており、今季の劇的な打力向上はホームランラグーンの恩恵というよりも、打撃そのものに変化があったことがわかる。

また、ホームランラグーン席に飛び込む「ラグーン弾」はチーム全体で15本。チーム本塁打数の10%未満と、決してその割合は高いわけではなかった。

ロッテ打線に「フライボール革命」は起きたのか?

では、何からロッテに起こった打撃の変化を読み取ることができるだろうか。

本塁打急増の背景として、昨今の打撃トレンドからすると、気になるのは大リーグで話題になって久しい「フライボール革命」だ。打撃の基本であるライナーではなく、フライを狙って打つことで本塁打を激増させた打撃理論である。

この理論は徐々に日本でも選手個人レベルで広がりつつある。特に、狭くフェンスの低い球場では、意図的にフライを打ちにいくのは合理的な策のように思える。ロッテの場合、今までフェンスが遠く高かった打席からの景色が変わることで、たとえ無意識だとしても、打球に角度をつけてフェンスオーバーを狙っていきたくなる選手の心理は想像できるところだ。

その意識がロッテ打線に好影響をもたらし、敵地でも本塁打が量産されたという仮説はどうだろうか。

データから「フライボール革命」の形跡を探る

今季の打席結果からフェアゾーンに飛んだ打球をゴロ(GB)・フライ(FB)・ライナー(LD)に分類し、その割合を見ていきたい。「GB/FB比率」はゴロとフライの比率で、ゼロに近づくほどフライの割合が高いことを示している。





ロッテの昨季から今季への打球データの推移について、まずZOZOマリンスタジアムでの数字を見ると、ゴロ率が2.62%下がり、フライ率は2.75%上昇。GB/FBは0.121ポイント低くなっている。

他球場を含めた全打席結果のGB/FBは、より低い0.936。本拠地と敵地で打撃スタイルを変えた形跡はなく、共通してフライが増え、ゴロが減る形となった。





パ・リーグ他チームのデータとも比較しておきたい。

全打席の結果として、ロッテのほかフライ率が上がったのは0.08%微増の西武を除くと楽天(プラス1.62%)のみ。ゴロ率が下がったのも楽天(マイナス1.98%)のみである。リーグ全体でフライが増えたわけではなく、ロッテのフライ率の上昇が際立つ結果が出た。

この1シーズンで最もフライを増やしてゴロを減らしたのがロッテであった。その結果、GB/FBの低さはリーグ3番目からリーグ1番目に動き、今季はパ・リーグでフライ率がゴロ率を上回る唯一のチームとなっている。

ここまでチームとしてのデータを見てきたが、後編では打者個人のデータを分析したい。

文=青木スラッガー

(SPAIA)

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≪2019/12/29≫

ロッテにフライボール革命は起きたのか?今季の打球データを分析<後編>

ロッテの本塁打激増は「ラグーン効果」ではなく「フライボール革命」?

本塁打を激増させたロッテ打線。今季からZOZOマリンスタジアムに設置された「ホームランラグーン」の影響が大きかったと考えるのが当然のように思えるが、実際は敵地での本塁打数も倍増している。「ラグーン効果」がそれほどでもなかったとすれば、本拠地が狭くなり、フェンスオーバーを狙いやすくなった心理的な変化が、ロッテ版「フライボール革命」を引き起こしたという可能性はあるだろうか。

前編では昨季からの打球データの推移をパ・リーグ各チームで比較し、ロッテはこの1シーズンで最もフライを増やしたチームであることがわかった。後編では打者個人の打球データを分析していく。

全体的にはフライが増えた傾向

今季250打席以上に立った主力打者9人の打球データを昨季から比較して見ていきたい。(レアードは日本ハム時代と比較)

データは今季の打席結果からフェアゾーンに飛んだ打球をゴロ(GB)・フライ(FB)・ライナー(LD)に分類し、その割合を示している。「GB/FB比率」はゴロとフライの比率で、ゼロに近づくほどフライの割合が高くなる。



全体的な視点から見ると、フライ率が上昇したのは鈴木、中村、角中、清田、田村、藤岡の6人。ゴロ率が下がったのは井上以外の8人。GB/FBが低くなった(フライに対するゴロの比率が下がった)のは井上、レアードを除く7人。主力打者がフライを増やし、ゴロを減らした傾向にあることは確かだ。

フライ増加と成績の関連性は……

次に、本塁打を増やした打者から、フライ率の推移と成績の関係性を探りたい。



フライ率が大幅に上昇したのは中村だ。41.47%から48.00%まで6.53%上がり、本塁打の増加数はチームトップの9本。17本塁打のうちZOZOマリンスタジアム以外で11本塁打を放っており、フライ率の上昇が本塁打増加につながったと読み取れる。

しかし、そのほかの打者のフライ率はというと、8本増の清田はプラス1.24%となったが、同じく8本増の荻野、7本増の鈴木はほとんど変わらず。レアードも日本ハムでの昨季からマイナス1.70%となっている。このように本塁打を増やした打者群が共通してフライを増やしていたわけではなかった。

昨季とあまり本塁打数があまり変わらなかった、または減らした打者のフライ率も並べる。



1本増の角中はプラス1.37%とやや上昇。昨季と同じ24本をマークした井上はフライ率もほとんど同じ数字となった。

田村はプラス2.41%、藤岡はプラス6.19%と、下位打線の2人はフライ率が上昇。両選手は今季の打席数が少なかったため、Isop(長打率と打率の差で、より純粋な長打力を評価する指標)を比較すると、田村は.089から.081とほぼ変化なし。プラス6.19%のフライ率上昇があった藤岡のIsoPは.075から.088とやや上がったが、それほど大きな変化ではない。

ここまで主力打者の打球データを見てきたが、フライ率の上昇と本塁打の増加に関連性はあまりなさそうだ。中村のようにフライ率の大幅な上昇と本塁打増加がリンクする例もあったが、大リーグのアストロズなどのように、チーム全体でフライボール革命が実践されたとは言い難い結果になった。

打線強化につながったのはフライではなく「ライナー」か

本塁打増加に関連性が深そうなのは、フライではなくライナーである。



荻野、清田、鈴木、レアードはいずれもライナー率が上昇している。特に打率.315をマークして首位打者争いにも絡んだ荻野は、昨季から4.47%もライナー率を上昇させた。

3つの打球種別の中で、ヒットになる確率が最も高いのはもちろんライナーだ。ライナーを高い確率で打っていくことが打撃の基本となる。実際、上記の4人は本塁打と合わせて打率も向上。ライナー率が昨季から3.13%下がった中村は、本塁打は倍増したものの打率は5分2厘下げている。

フライを狙いにいくフライボール革命は「ホームランの打ちそこないがヒット」という考え方になるだろう。しかし今季のロッテの場合は主力打者がライナー打球を増やし、「ヒットの延長がホームラン」の理屈で、フライボール革命とは逆のアプローチが成功したようにも思える。

外野フェンスが近く低くなり、本塁打が出やすくなったという気持ちのゆとりが、打撃をそのように導いたのかもしれない。

文=青木スラッガー

(SPAIA)

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≪2019/12/29≫

【ロッテ】選手の裏側に迫った『千葉魂』が発売中!

 ロッテで広報を務める梶原紀章氏が、千葉日報で連載しているコラムをまとめた書籍『千葉魂vol.6 2019マリーンズ挑戦の日々』(千葉日報社 税別1200円)が、書店やオンラインストアで販売されている。

 梶原氏は、普段の広報業務に加え、コラム執筆、動画の再生回数が12球団ナンバー1を誇る『マリーンズユーチューブチャンネル 広報カメラ』の撮影など、多岐にわたる業務を行うなか、2013年5月21日にはじまった千葉魂の連載は250回を超えた。

 今回の書籍では第233話(18年12月4日)から第259話(19年11月5日)までを掲載。今季はシーズン最終盤まで楽天とクライマックスシリーズ進出を争うも4位に終わったが、シーズン最終戦となった9月24日の西武戦後のチームの表情や、同試合に先発するもノックアウトされた二木康太の胸の内が明かされている。

 今回は千葉魂だけでなく、パ・リーグインサイトで掲載された『石垣島キャンプ日記』、『背番号9の背中』、スポーツナビDoに掲載された『マリーンズ選手が大切にしている言葉』を掲載。

 特に『マリーンズ選手が大切にしている言葉』は、仕事や学業で悩んでいる社会人や学生、一歩を踏み出そうか迷っている人は、井口資仁監督をはじめとしたコーチ、選手たちの大切にしている言葉を読んで、ぜひとも参考にして欲しい。

 今オフロッテは楽天から美馬学、ソフトバンクから福田秀平、楽天からハーマン、広島の3連覇を支え、今季はメジャーでプレーしたジャクソンを補強し、ドラフトでも最速163キロ右腕・佐々木朗希を指名した。ストーブリーグを盛り上げる中、来季に向けて『千葉魂』を読んで今季の戦いを復習するのも良いかもしれない。

文=岩下雄太

(ベースボールキング)
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