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コラム記事【7/23~7/24】

2024年07月24日 07時31分20秒 | マリーンズ2024
≪7/23≫


 試合前ベンチでグラウンドを見つめる高部瑛斗外野手の姿があった。視線の先ではレゲエシンガーの寿君が熱唱していた。7月20日、ZOZOマリンスタジアムで行われたファイターズ戦。この日は試合前に高部が打席に入る際の登場曲に使用している「Believe in myself」を歌う寿君がゲストとして招かれ、生歌が披露された。高部はその歌を特別な思いで聞いていた。

 「ボクにとって特別な曲です。ボクが落ち込んでいる時に野球部の親友が『いい曲があるよ』と、iPodをもってきて目の前で流してくれた曲なんです。それまでレゲエは聞いたことがなかった。最初はメロディーを聞いていたのですけど、そのあと、歌詞を見て聞いて、すごく今のボクの想いに当てはまる曲だなあと思いました」

 高部はそう言って、高校時代を振り返った。甲子園出場を目指し野球名門校に進学しながら、なかなか思うような結果が出せず、挫折を味わい苦しんだ高校2年時。追い打ちをかけるように弟の病気も発覚し落ち込む毎日を送っていた。いろいろな想いが交差し悩んだ思春期。真剣に野球をやめることも選択肢として考えた。そんな時に出会ったのがこの曲だった。

 「最後の方に『どうしても後戻りはできない』という歌詞がある。そこがボクはめちゃくちゃ好きなんです。ああ、そうやなあと。その時に想った。だからいつもこの曲を聞いていた」と高部。

 当初、プロ入り後はあえてこの曲を登場曲には使用はしなかった。しかし、プロ入りから2年。思うような活躍ができず3年目の2022年から自身の原点であるこの曲に打席で背中を押してもらうことにした。

 その時のことを高部は「ボクにとって大事な曲。心にしまっておこうと思っていた。ただ、最初の2年、全然、活躍ができなくて、いろいろと悩んで、やっぱりこの歌に力を借りたいと思った。本当に何回も助けられた曲です」と振り返る。

 すると、その年は137試合に出場しオールスターにも選ばれ盗塁王に輝き、ゴールデングラブ賞も受賞した。大輪の花がイッキに開花した。

 「曲に感謝ですが、なによりも高校2年の時、ボクのことを心配してくれてこの曲をプレゼントしてくれた親友と出会えなかったら、もう野球をやめていたかもしれないと思う。前を向かないとダメだと曲を通じて伝えてくれた。大事な曲と出会わせてくれた親友に感謝です」

 高部はそう言ってグラウンドに飛び出した。大好きな曲の歌詞にもあるように人生、その先はどうなっているかは誰も分からない。いろいろな分かれ道があって、さまざまな困難が待ち構えている。出会いや別れがある。高部は昨23年、ケガと戦い1軍出場はならなかった。それでも前だけを向いて今年、前半戦を終えて47試合に出場。打率・341をマーク。2位につけるチームをけん引する活躍を見せている。背番号「38」はこれからもガムシャラに突っ走っていく。後ろは振り返らない。

(千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)

(千葉日報)

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≪7/24≫


 ロッテはオールスター前、首位・ソフトバンクと10ゲーム差の2位で終えた。先発投手陣に目を向けると、小島和哉、種市篤暉、C.C.メルセデス、西野勇士が開幕からローテーションの一角として投げ、小島と西野がチームトップタイの7勝、種市がリーグ3位の106奪三振、メルセデスはリーグ7位の防御率2.52と安定した投球を見せた。

 彼らと共に開幕からローテーションの一員として投げていた佐々木朗希の離脱はあったが、5勝2敗、防御率1.96の成績を残した。またダイクストラが5月7日の西武戦で来日初勝利、高卒4年目の中森俊介が6月26日の楽天戦で先発での初勝利、高卒2年目の田中晴也が7月3日の日本ハム戦でプロ初勝利、昨年10月に右肩を手術し今季から育成契約となるも6月24日に支配下選手に復帰し6月30日のオリックス戦で669日ぶりに白星を手にした石川歩と、今季白星を挙げられていないが唐川侑己も4月16日の西武戦で6回1安打無失点の好投を見せた。

 小野晋吾投手コーチは前半戦の先発陣について「しっかりゲームを作れた試合が多かったですし、壊す試合も多かった。良かったり、悪かったりがあったのかなと思います」と振り返った。

 小野コーチがそう振り返ったように、開幕投手を務めた小島は5月終了時点で防御率2.74だったが、6月は4日の巨人戦で3回途中11失点を喫するなど月間防御率10.80。7月に入り再び復調し、ここまで月間防御率1.99だが悪かった時期もあった。 

種市も4月終了時点の防御率5.27だったが、5月6日の西武戦から10試合連続クオリティスタート(6回以上3自責点以内)を達成するなど、5月の月間防御率0.90、6月の月間防御率が1.88だった。

 小島が7勝7敗、西野が7勝5敗、種市が5勝5敗、メルセデスが2勝5敗と、開幕からローテーションで投げていた4投手の合計が、シーズン序盤、打線の援護に恵まれていなかったとはいえ、21勝22敗と負け越しているのは気になるところ。

 小野コーチにそのあたりを訊くと、「う〜ん、そうですね、みんなそれぞれ苦しんだ時期があって、それを立て直しながら色々やってなんとかいい部分、悪い部分が出た前半だったかなと思います」と話した。

 今後に向けては田中晴、中森が出てきて、石川、唐川といったベテランが復活の兆しを見せているのは明るい材料。

 小野コーチも「特にベテラン2人はいい部分を出してくれて後半に向けていい戦力になってもらえるところは出してくれている。若手の2人に関しては良い部分も悪い部分も出たなというのがあるので、これを糧に後半またしっかり戦力になってもらえるように準備してくれればいいかなと思います」と期待を寄せた。

 特に8月は10日のオリックス戦から18日のソフトバンク戦にかけて9連戦があり、先発投手陣の枚数は絶対的に必要。5勝9敗1分の首位・ソフトバンクと8試合、5勝12敗1分と大きく負け越す日本ハムと6試合ある。8月は27試合予定されているが、そのうち14試合がソフトバンクと日本ハム戦となっており、ここを勝ち越すには先発陣がしっかりとゲームを作っていかなければならない。

 小野コーチは8月以降の戦いに向けて、「先発全員が大事。ちゃんと試合を作ってもらわないと困る。まだまだ上がる要素がみんな持っていると思うので、それに期待していますし、やってもらわなければいけないところもあると思う」と、力を込めた。

 現状、首位と10ゲーム差離されているが、最後まで何が起こるかわからないのがペナントレース。先発投手陣がゲームを作り、打線が先制点を奪い主導権を握る形を作ることができれば、白星も自ずと増えてくるはずだ。

取材・文=岩下雄太

(ベースボールキング)


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