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コラム記事【3/26~3/27】

2023年03月28日 01時28分06秒 | マリーンズ2023
≪3/26≫


<ニッカンスポーツ・コム/プロ野球番記者コラム>

2023年卯(う)年。吉井理人監督(57)がチャレンジした侍ジャパン投手コーチとの“二刀流”を終えて、ロッテに帰ってきた。

「世界で見ると野球はマイナー競技。今回はヨーロッパの東の方の国も出場した。少しは世界の皆さまに野球の楽しさを分かってもらえたかなと。日本国内でも今まで以上に野球の楽しさを知ってもらえたと思う。このままの勢いで日本を盛り上げたい」。

WBC優勝と普及の役割を果たし、これからはロッテの監督業に専念だ。帰国翌日の24日の中日戦では、36日ぶりに指揮をとった。だが、25日を含めて2日連続完封負けを喫した。「何をやっても結果が出ちゃうので、そこは日々、失敗したら改善という形でやっていく。結果を恐れていたら何も始まらないので不安は何もないです」。オープン戦でわずか3試合の指揮をとって、ソフトバンクと戦う31日の開幕戦に突入だ。

チームを離れている間も、朝からオンラインでつないでロッテのコーチ陣とのミーティングを継続していた。侍の空き時間にはオープン戦の映像をすべてチェック。深夜に及び、寝る時間を削らざるを得ない日もあった。

気力、体力を振り絞って“二刀流”期間を完遂し、「二兎(にと)追う者は一兎も得ず」の言葉はWBC世界一で覆した。だが、1つ気になることが…。今年1月30日に春季キャンプ地の石垣島入りした監督と、ほぼ毎日会話してきた記者としては「なんか、元気ないなあ」が本音だ。

吉井流トークにキレがない。佐々木朗のスライダーを「まだまだプー」と表現したり、一時は開幕投手に指名した石川への伝達方法を「12日12時12分12秒にテレパシーを送りました」と真顔で冗談を言ったり。ペルドモの入団会見では「東條(大樹)投手に似ているといううわさですが、東條より少し男前です」と侍ジャパン活動中ながらも報道陣にメッセージを届けたこともある。いろいろな言葉の力で選手の力を引き出すのも吉井監督の魅力の1つだと私は感じている

侍の世界一とロッテの日本一。「二兎追う者は二兎を得る」が究極の理想型。開幕からスタートダッシュを決めたいところだが、数々の“吉井語録”でチームを盛り上げてきた言葉が、まだ帰ってきていない気がしている。【ロッテ担当 鎌田直秀】

(日刊)

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≪3/27≫


 日本列島が沸いたWBCは、侍ジャパンの世界一で幕を閉じた。すべてがドラマチックで、色々なヒューマンストーリーのあった大会だったといえる。

 投手コーチとしてベンチ入りした千葉ロッテマリーンズの吉井理人監督(57歳)も世界一のメンバーの一人となった。メジャーで162試合に登板をして32勝。メッツ、ロッキーズ、エクスポズでプレーした実績十分の元メジャーリーガーは世界最強投手陣を束ねる立場として頭を巡らせた。そして様々な思い出の詰まるアメリカに日本代表のコーチという形で舞い戻り、日本3度目の世界一に貢献した。

 縁だった。栗山英樹監督とはファイターズで投手コーチを務めていた時、共に戦った。そして世界への舞台で一緒に戦わないかと誘われた。若い侍の中心的存在だったダルビッシュ有、大谷翔平とも北海道日本ハムファイターズで一緒だった。その後、マリーンズの投手コーチ時代に令和の怪物・佐々木朗希と巡り合い、侍ジャパンへと一緒に合流した。様々な縁が重なり、繋がり、そして世界一の景色を見た。

1年目から知る佐々木朗希の世界デビュー

 忘れもしない。佐々木朗希の1年目。2020年2月13日。石垣島春季キャンプのブルペンで初めてそのボールを目にした吉井監督(当時、投手コーチ)は興奮していた。メディアから印象を聞かれると「化け物。こんな衝撃を受けたのは近鉄時代に野茂を初めてブルペンで見た時、以来じゃないかな」と、まくし立てるように話をしながら表現した。そしてすでにその時から世界大会で投げる姿をイメージしていた。

 3年前の事。もちろん、その時は世界との戦いに自身も一緒に投手コーチという形で参加をすることになるというストーリーまでは描いていない。事実は小説より奇なりなのだ。

「彼が1年目、最初の時から、ワシは(東京)オリンピックに出たら面白いなあと思っていた。それは叶わなかったけど、彼がWBCでアメリカのマウンドで投げて世界一のメンバーの一人となった事が嬉しい。そしてこうやって、縁あって、色々な人と同じチームでチームメートとしてアメリカで戦い、世界一の経験をさせてもらったのは夢みたいな体験だった」

 振り返ると、WBCではそういう場面が沢山あった。人生とは本当に分からない。不思議な縁は繋がり、人の想像以上の物語が作り出された。 

 吉井監督にとって印象的だった試合は、佐々木が大会2度目の先発をしたフロリダでの準決勝メキシコ戦。普段はクールな令和の怪物が、ベンチで感情を露わにしている姿を見た。

「3ランを打たれた時。すごく悔しそうな表情をしていた。3ランで同点に追いついた時には本人は認めないとは思うけど、ホッとして嬉しくて泣いているようにすら見えた。そしてサヨナラした時も感動をして感情を爆発させていた。今までになかった感情が出ていた。一発勝負の国際大会。ああいう経験が彼の財産になる。向上心が高くなると思う」

 若者が大会を通じて成長し、さらにどんどん大きくなっているのを感じ取った。そしてダルビッシュ、大谷という超一流選手を見て、直に触れ合い刺激を受け、色々な事を吸収しているのが嬉しかった。

大谷の肩を触って「朗希、まだまだやな」

 大谷が初めて侍ジャパンに合流した中日ドラゴンズとの強化試合の試合前練習の事だ。外野付近で佐々木、大谷と3人で言葉を交わした。吉井監督は大谷の肩を触り、そのあと、佐々木の肩を触った。

「(佐々木)朗希、まだまだやな。全然、違うぞ」

 あえて、筋肉の違いを口にした。佐々木は刺激を受けたような目をした。その強気な表情が頼もしくあり、さらなる未来を感じた瞬間でもあった。

 世界一を決めた時、2人でメダルを首からぶら下げながらマウンド上で写真を撮った。充実した表情で笑顔を見せた佐々木。そして、このマウンドに、才能あふれる若者を送り出すことを夢見た吉井監督。2人だけの空間。幸せな時間となった。

 優勝後の記者会見では「ピッチャーのメンバーを決めた時から優勝を確信していた」と語った。その言葉は別に会見用に作った飾りものの言葉ではない。

「本当にそう思っていた。ピッチングメンバーが決まった時に8割ぐらい仕事は終わったと思った。勝てる、優勝すると思った」と吉井監督。それほどのメンバーがそろった。自身が完璧と思える頼もしき最強投手陣だった。

 ただ、幸せに浸るのは一瞬だけにした。

 世界一を決めた時、2人でメダルを首からぶら下げながらマウンド上で写真を撮った。充実した表情で笑顔を見せた佐々木。そして、このマウンドに、才能あふれる若者を送り出すことを夢見た吉井監督。2人だけの空間。幸せな時間となった。

 優勝後の記者会見では「ピッチャーのメンバーを決めた時から優勝を確信していた」と語った。その言葉は別に会見用に作った飾りものの言葉ではない。
「本当にそう思っていた。ピッチングメンバーが決まった時に8割ぐらい仕事は終わったと思った。勝てる、優勝すると思った」と吉井監督。それほどのメンバーがそろった。自身が完璧と思える頼もしき最強投手陣だった。

 ただ、幸せに浸るのは一瞬だけにした。

 だから世界一となった後は速やかに気持ちを切り替え、マリーンズの事を想った。現地時間の午前2時過ぎに記者会見などを終えてホテルに戻ると、マリーンズのオープン戦の映像を見入った。今後の打つべき手をあれこれ考えた。気が付けば午前7時を過ぎ、帰国のため空港への出発時間となっていた。だからその日は一睡もせずに、帰路についた。 

 日本に到着すると桜が目に入った。「桜が咲いていることに驚いた」と思わず笑みがこぼれた。季節は確実に動いていた。プロ野球の開幕が近づいている証だ。「よし、次はマリーンズが優勝する番だ」と自らの心に約束をした。

 夜遅くに自宅に戻ると少しだけ野球を忘れる時間があった。2匹の愛猫とリビングで戯れるのが吉井監督にとっての至福の時である。駐車場に捨てられていた雑種の猫を拾って育てた。雄の黒猫。そしてもう一匹は雌のアメリカンショートヘア。一日中、ずっと野球の事を考える日々から、ほんの少しだけだけど、離れられる大切な時間だ。

 ただ、翌朝には新幹線に飛び乗り、この日からオープン戦で指揮を執るため名古屋入り。午前11時半には宿舎に到着し、チームに合流し、気持ちを切り替え、次なる戦いに向かった。

「マリーンズもプロの集団になってほしい」

 今回の大会期間中に一流の共通点を改めて再認識させられた。

「自分で考えて行動ができる。自分でやらないといけないことをしっかりと考えて、やることをやる。誰も見ていなくても、言われなくても、どんな時も手を抜かず今、自分がしないといけないことに取り組む。マリーンズも、そんなプロの集団になってほしいと改めて思った」と、目の前で見てきた超一流プレーヤーの立ち振る舞いとマリーンズの若手たちの将来の姿を重ねてみたりした。

 新チームで大事にしているのは自主性というよりは主体性。思い描いている理想のチームを作るためにみんなで、まい進していく。これから始まるのはペナントレースという長丁場の戦い。新しい人との縁を沢山、作り、全員で未来を創っていく。その先に成功が待っている。感動がある。 

「個人的にはWBCで古い友達と沢山、会えたことも嬉しかった」と帰国後、吉井監督は言った。

 準決勝、決勝の舞台となったフロリダのクラブハウス。懐かしい顔があった。ロッキーズでの現役時代にクラブハウスで働いていたスタッフが声を掛けてくれた。

「チコさんといって、ロッキーズのクラブハウスでお世話になった方。まさか、こんな形で再会できるとは思わなかった。懐かしかった」
 
 そして何よりも嬉しかったのは準々決勝で対戦したイタリア代表 マイク・ピアザ監督との再会だろう。メッツ時代にバッテリーを組んだ仲だ。試合前練習の時、短い時間ではあったが旧交を温めた。 

「ピアザとは色々な思い出がある。マウンドで言い合いをしたこともあったかなあ。お互いイライラして(笑)。その試合は終盤まで6点ぐらいリードして完封ペースだったけど、追いつかれた。今では笑い話として話せるけどね」

 これまでの人生が繋がったような瞬間だった。そして戦いはそんな思い出に浸る時間もなく続いていく。WBCにおいて野球という戦いの中で人と人との縁があったように、これからも、きっと野球を通して色々な出会いや再会が待っているのだろう。

「ワクワクするチームにしたい」

 吉井監督はマリーンズというチームの形についてよく次のように語る。

「見ていて面白いチームにしたい。強いのはもちろんだけど、ファンの人が楽しんでもらえるチーム。ワクワクするチームにしたい」

 WBCで日本中が沸いた。野球が人の心を動かした。マリーンズも野球を通じて人の心を動かす。そんなチームになる。マイアミでの世界一を経て、新指揮官のチャレンジが始まっている。今度は自らのタクトで誰もが想像もしてないようなとんでもない感動ストーリーを作り上げる。

梶原紀章(千葉ロッテ広報)

(Number)

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≪3/27≫


 「今年は絶対にシーズン怪我なく戦い抜くことを最低限の目標としてやりたいなと思います」。

 ロッテ高卒3年目の中森俊介は、シーズン通して“一軍”で戦うことを誓った。

 昨年はファームで開幕先発ローテーションに入り、初登板からの3試合で16イニングを投げ、防御率0.56と抜群の安定感を誇ったが、4月9日の楽天二軍戦を最後に約5カ月近く登板なし。シーズン最終盤に復帰し、ファームで防御率0.90をマークしたものの、登板試合数はわずか6試合の登板に終わり、一軍登板もなく2年目のシーズンを終えた。

 「去年怪我で投げられなかったので、まずは体のフィジカルの部分でもう一度作り直すというところと、あまり去年はウエイトトレーニングとか重量を扱うことが去年のオフシーズンはできていなかったので、そこもプラスして今年は取り組んできました」。

 故障で離脱していた時期も長かったことを反省し、自分の体を見つめ直した。振り返れば1年目の秋に取材した時に「特に高校の時と違って、ウエイトの頻度が増えたのかなと思います」と話していた中で、昨年はウエイトトレーニングを少なくした理由は何かあったのだろうかーー。

 「少なくした理由は特にはないのですが、石川さんと自主トレを一緒にやらせてもらう中で、体幹の意識だったり、そちらをメインでやっていたのでウエイトトレーニングをやっていなかったというのはあります」。

 春季キャンプが始まってからは、石垣島春季キャンプ中に行われた2月11日の楽天モンキーズとの国際交流試合に登板し、1回を無失点に抑えると、2月14日以降の沖縄遠征にも帯同。昨季は先発で投げることが多かったが、練習試合、オープン戦ではリリーフで投げた。

 「調整の仕方だったり、先発だったら投げて大体中6日で調整のルーティンがあったと思うんですけど、今年中継ぎを初めてやるので、全然違うなと思いました」と、先発とリリーフの違いを感じている。

 練習試合から全て1イニングを投げ、オープン戦では8回、9回といった試合終盤で投げた。「チームの勝ちに繋げられるピッチングができれば、そのポジションで投げたいと思いますし、まずは一軍の試合で投げたいなと思います」と、シーズンに入ってから勝ちパターンで投げたいという思いを持っている。

 マリーンズでは二木康太、種市篤暉、佐々木朗希などが、“高卒3年目”に一軍でブレイクした。彼らに続く活躍が期待される中で、中森は「(先輩たちに)続いていくぞというよりかは、自分のパフォーマンスをしっかり準備して出していきたい」と、目の前の試合で結果を残すことに集中していく。

 「いい日も悪い日もあると思うんですけど、最終的にシーズンが終わった時に充実した1年間を過ごせたらなと思えるような1年にしたい」。まもなく3年目のシーズンが始まる。

取材・文=岩下雄太 

(ベースボールキング)


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